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【失敗の法則】「予算内、期限内、とてつもない便益」は実現可能か 高速増殖原型炉もんじゅから紐解く「巨大プロジェクト」が成功しない理由

NEWSポストセブン / 2024年9月2日 16時15分

 もんじゅに起こったのが、まさにそれだった。プロジェクト開始から四半世紀以上が過ぎ、まだ運転準備が完了していなかったとき、大震災による津波が福島原発を襲った。そしてその結果起こった事故のせいで、世論が反原発に傾き、ついには政府を動かして、もんじゅは廃炉されることになったのだ。

 1983年当時、こんな展開を誰が予見できただろうか? だが実行に数十年かかるプロジェクトでは、不測の事態は必ず起こる。

 これらの要因が積み重なるのだから、原子力発電をはじめとする「1つの大きいもの」型プロジェクトの実行に、とてつもない時間とコストがかかるのは、何の不思議もない。完成するだけでもすごいことだ。

【プロフィール】
ベント・フリウビヤ Bent Flyvbjerg/経済地理学者。オックスフォード大学第一BT教授・学科長、コペンハーゲンIT大学ヴィルム・カン・ラスムセン教授・学科長。「メガプロジェクトにおける世界の第一人者」(KPMGによる)であり、同分野において最も引用されている研究者である。『メガプロジェクトとリスク』などの著書、『オックスフォード・メガプロジェクトマネジメント・ハンドブック』などの編著多数(いずれも未邦訳)。ネイチャー、ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、BBC、CNNほか多数の著名学術誌や有力メディアに頻繁に取り上げられている。これまで100件以上のメガプロジェクトのコンサルティングを行い、各国政府やフォーチュン500企業のアドバイザーを務めている。数々の賞や栄誉を受け、デンマーク女王からナイトの称号を授けられた。

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