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「被災地はゴミ捨て場じゃない」という訴えはなぜ届かないのか

NEWSポストセブン / 2024年9月28日 16時15分

仮設住宅も浸水した(時事通信フォト)

 助けを必要としている被災地をめぐって、騒動が起きている。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。

 * * *

 話が通じない相手というのは、どんなに丁寧に話しても通じないんだなと感じさせられる光景が、またまた繰り広げられています。

 元日に大地震に見舞われた能登半島が、先日は大雨で甚大な被害を受けてしまいました。あまりにもやるせなくて胸が締め付けられます。被災した方々におかれましては、心からお見舞い申し上げます。地震からの復旧もまだこれからという状況で、さらに豪雨が追い打ちをかけ、多くの地域で生活インフラがズタズタになってしまいました。

 現地にはボランティアの人たちも入って、各地で支援活動が行なわれています。9月25日の午後、X(旧twitter)にボランティアとして活動している人のひとりが、怒りの気持ちと呆れた気持ちを漂わせた投稿をしました(投稿者にご迷惑をかけるといけないので、ユーザー名やアカウントは書かないことにします)。

 賞味期限が数日後に切れる水が大量に送られてきたという内容で、写真には500ml入りのペットボトル24本入りの段ボール箱が大量に積み上げられています。投稿主はあえてぼかしていますが、量の多さといい箱に「保存水」と書かれていることといい、おそらくどこかの自治体が送ってきたのでしょう。

 この投稿とその後の投稿によると、責任者と相談した結果、被災者のみなさんには渡せないという判断になったとのこと。もちろん、飲んでも何の問題もないことは百も二百も承知の上。なぜ渡せないか、その後の投稿で詳しく説明してくれています。それを読むと「そりゃそうだな」と納得せずにはいられません。

 ほかにも日本中から賞味期限に余裕がある水がたくさん寄せられていたおかげで、この水は配らずに済んだとか。そして「事情を理解してくれた方」が引き取ってくれたそうです。よかったよかった……とはならないのが、ネットやSNSの厄介なところです。

納得できる理由を説明しているのに大量のクソリプが

 最初の投稿に書かれていた「被災地はゴミ捨て場じゃないです」というフレーズが刺激が強かったのでしょうか、話が通じない相手から、山のような「クソリプ」が押し寄せました。しかも、わざわざ〈※「賞味期限は消費期限と違って~」みたいな的外れなリプは不要です〉とも書いているのに、その手のリプをしてくる人の多いこと多いこと。

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