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《盟主復権への道》阿部巨人“12年ぶり日本一奪還”の条件 V9時代のレジェンドOBたちが語る「キーマン」「短期決戦の采配・戦術」

NEWSポストセブン / 2024年10月8日 16時15分

 4番の爆発を待ち望むのは黒江氏も同様だ。

「V9時代は『ONまで回せば何とかなる』という思いが強かった。同じように、今年の短期決戦では『岡本まで回せば勝てる』という空気になってもらいたいね」

「若手起用」と「非情采配」

 一気呵成に勝負が決まる戦いだからこそ、監督の采配が勝敗を分ける場面も多くなる。歴戦のOBたちは、就任1年目でリーグ制覇した阿部監督の手腕を高く評価した。そうしたなかで、初めて指揮を執る短期決戦にどう挑むべきか。関本氏が指摘する。

「阿部監督が、二軍を率いて学んだ経験を活かしてほしいですね。二軍監督をやったことで、若手選手の能力を見極めながらシーズンでチャンスを与えていった。それを選手が意気に感じて頑張り、ベテランも奮起した。短期決戦でも、信じた選手に託してもらいたい」

 今季ブレイクを果たした高卒2年目の浅野翔吾(19)や、坂本の後継でショートのレギュラーを担った門脇誠(23)といった若手を阿部監督がどう起用するか注目だ。広野氏は、場面に応じて「非情采配」が必要だと指摘する。

「短期決戦は1点を取る野球に徹すること。これが鉄則です。阿部監督には、状況によっては4番の岡本にも送りバントやスクイズをさせる決断も求められる。阿部監督はそういう野球をやってきたので、シリーズの采配も期待しています」

 セ・リーグ優勝を果たした後、ミスターこと長嶋茂雄氏(88)は『スポーツ報知』で、今季の阿部監督を森祇晶氏に重ねてこう表現した。

〈昔から、阿部は頑固だった。一番感心したのは、先輩ピッチャーにも「僕はこう思います」と信念を貫いたことだった。(中略)まるでV9捕手・森祇晶を見ているようだった〉
〈ある時、大エース・堀内恒夫がカーブを投げたくて首を振った。しかし、森は頑として直球を要求した。(中略)堀内の荒れ球を生かした直球が空振り三振を奪った〉

 森氏本人は阿部監督にこうエールを送る。

「短期決戦では捨てるところは捨てないといけない。すべての試合に勝とうとするのではなく、『2つ捨てて3つ取る』という考え方ができるかどうか。キャッチャー出身の阿部監督には、そんな我慢強い采配を見せてもらいたいね」

 悲願の日本一奪回は果たせるか。新人監督の今季最後の戦いが始まる。

※週刊ポスト2024年10月18・25日号

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