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《”男子厨房に入らず””女子はお酌を”》今も息づく昭和の呪いに立ち向かうヒント『反応』ではなく『選択』を

NEWSポストセブン / 2024年12月1日 19時15分

ジェンダーギャップのイメージ(写真/Getty Images)

 私たちの心に深く染み込んだ昭和的な価値観や固定観念────。それは、令和という新しい時代においても、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)として社会に暗い影を落とし続けている。

 例えば、「女性は結婚や出産を優先すべき」という刷り込みが、女性のキャリアの可能性を奪い取る現実。あるいは、年齢至上主義ともいえる「年功序列」の風潮が若者の声をかき消し、非効率な組織を生み出している現状。そして、結婚や子どもを持たない選択をした人々への偏見が、個人の自己肯定感を深く傷つける────。これらはすべて、時代遅れの価値観がもたらす副産物と言えるだろう。

 そんな“昭和な呪い”を解き放つために生まれた書籍、『あなたの生きづらさ“昭和な呪い”のせいでした』の著者であり、これまで3万人以上の婚活相談をサポートしてきた松尾知枝氏が、現代人が抱える「生きづらさ」の根源を指摘する。

 「これまで数多くの女性の婚活をサポートしてきました。その中で強く感じたのは、多くの方が“結婚したい”のではなく、“結婚しなくては”と無意識に自分を追い込んでいるという現実でした。この言葉に象徴されるように、私たちの中に根付く“昭和な呪い”は、気づかぬうちに生き方や考え方を制限しています」

 そして、松尾氏は“昭和な呪い”という無意識の束縛を解き放つ鍵は、その“呪い”の存在にまず気づくことだと言及する。

 職場や日常生活で何気なく使われ、無意識のうちに受け入れられている“昭和な呪い”的なフレーズの数々。松尾氏は、特に現代社会で議論の的となっているテーマに関連するものを厳選し、それらを「空気を読めの呪い」、「ジェンダーの呪い」、「24時間戦えますか?の呪い」、「年齢の呪い」、「ママなんだからの呪い」、「マウンティングの呪い」、「アットホームの呪い」という七つの「呪い」として体系的に分類した。

 今回は、「ジェンダーの呪い」について紹介していく。【全3回の第3回。第1回から読む】

最下層に属する日本のジェンダーギャップ指数「ジェンダーの呪い」から考える“昭和な呪い”

 スイス非営利財団世界経済フォーラム(WEF)が発表している。世界各国の男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数。2024年、日本は156か国中118位と低位に位置し、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果であった。そんな状況も鑑みながら、松井氏は語る。

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