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急拡大中のスキマバイト、職場では「スキマさん」 条件や環境の悪さに上がる悲鳴「インフルでも出ろって、やばい」「闇バイトよりはマシ」

NEWSポストセブン / 2024年12月30日 16時15分

「人間を売り買いする立場から人間を売り買いする場を提供しているだけになった。使わなきゃいけない身なのが切ないけどね、まあ仕方ないね。闇バイトよりはマシと思うしか無いよ」

スキマバイトのCM見ただけで思い出して嫌になる

 スキマバイトの一部サービスには闇バイトやいかがわしい求人も横行したとされる。「真夜中の猫探し」「入浴介助の練習(10代女性のみ)」といった文言で強盗の下見や性的な仕事を募集していたのではと報じられた。各社対策を強化するとしたが、求人に関しての対人確認が本当になされているのかどうか、疑いを持たれても仕方のない状況だ。

 現在は情報通信関連企業に勤める元新聞記者はこう語る。

「社会のインフラとか既存の人間の営みにタダ乗りして儲ける商売ですよ。人の安全とか生活の安定を図るための管理を『コスト』と切り捨てて、食いつぶして逃げるまでがセットでしたよね、2000年代の派遣問題で事件化した連中は実際、そうだったわけで」

 2000年代の派遣問題はグッドウィルを中心に多くの逮捕者を出した。幹部は引退して海外で悠々自適に暮らしたり、形ばかりの自己破産で逃げおおせて莫大な資産を使って別の事業をしていたりする。まさに「やったもん勝ち」「今だけ、金だけ、自分だけ」の端緒だった。

「スキマバイトの経営者がそうだとはわかりませんが、現実はあの派遣問題が起き始めた時代と変わらない状況だと思いますよ。2012年の派遣法改正と同様の、スキマアプリを念頭にした労働法の法改正が求められると思います」

 当時と同様、それでも生きるために、生活の足しにと役に立っている人も多いだろう。手軽に賃金を得ることができるし、煩わしい人間関係もない。割り切れる人なら「スキマさん」だろうが「そこの人」「あんた」でも構わないという人もいる。

 20代の大学院生もこう話す。

「研究の合間にちょうどいいんですよ、スキマバイト。それに、スキマバイトの時間は私にとってお金をもらうためにいるだけの死んだ時間ですから、なんと呼ばれようとそこの人間たちがどうなろうと知ったことではありませんからね。ドライに割り切れる人にはいいですよ。仮に店に殺人鬼が来たって一目散に逃げますし、赤の他人を助けたりもしません。アプリを通して来てるだけの『スキマくん』で構わないですよ」

 いっぽう、40代の編集者に聞くと「絶対に嫌」とも。

「私も20代のころ失業したときにハケンやってた口なんで、あの時代の滅茶苦茶な派遣を経験すると二度とそういう口入れ屋には関わりたくないですよ。むしろスキマバイトのCM見ただけで思い出して嫌になる」

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