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47歳でフィギュア競技を始めた大人スケーター「スピンは苦手、イナバウアーは多少できる」充実のスケート人生

NEWSポストセブン / 2024年12月30日 7時15分

47歳でフィギュアスケートを始め、57歳で世界大会デビューした風薫るさん。マスターズ大会の演技

 フィギュアスケートは日本で人気スポーツになったものの、「観る」スポーツの代表格だ。だが、年齢問わず「する」スポーツでもあることを体現している人もいる。47歳でフィギュアスケートを始め、今年、57歳で壮年者のオリンピックといわれる「冬季・世界マスターズ大会」に出場した風薫る(かぜ・かおる)さん。自身の体験をまとめた電子書籍を刊行するなど、大人スケートの楽しさを発信している風薫るさんに、話を伺った。中年から新しい人生の扉をひらく秘訣とは。屋外などの特設アイスリンクが賑わうこの季節、観るだけではなく、氷上で滑る喜びを味わってみてはいかがでしょうか。

大人がスケートを始めるには、越えなければならないハードルがある

──2013年、47歳のときにスケート教室に通い始めたのがきかっけで、フィギュアスケートにはまっていったんですね。それまでは初心者だったのでしょうか?

 私は今、アメリカのワイオミング州に暮らしています。アジア人がほとんどいない、人口5万人の小さな町です。そんなアメリカの片田舎で、私の人生、このまま終わるのかなあ……と悶々としていたころ、アイススケートに出会いました。スケートは、昔、北海道に住んでいた小学生時代に、一年に一回、学校の「スケート学習」で滑ったことがあったくらいです。その後は観るだけで、私は伊藤みどりちゃんの世代ですから、素晴らしいなあと思って観てきましたが、まさか自分がやるとは思っていませんでした。

 当時、息子がアイスホッケーを習っていたので、私も毎週リンクにはいたんですね。そこで大人がこわごわと、でも楽しそうに滑っている姿を見て、「大人もスケートやっていいんだ!」「私もやりたい!」と、突然、思ってしまったんです。

──日本でフィギュアスケートは人気ですが、大人から始める人はとても少ないです。ほかのスポーツや習い事に比べて、ハードルが高いからだと思います。

 初心者の私が47歳でスケートを始めるにあたって、頭にあったハードルは主に、

【1】子供のころからやっていないとダメなスポーツ(だというイメージ)
【2】スタイルがいい人がやるスポーツ(だというイメージ)
【3】お金がかかる

 でした。人によってはここに「リンク環境」が入ってくると思いますが、幸いなことに私の場合は、車で10分のところにリンクがあるんです。それから3の「お金」についても、私の住む町のリンク代は、日本に比べると安いと思います。試合に出ると交通費やエントリー代などがかさみますが、滑るだけならそれほどかかりません。

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