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《アメリカ大統領選が10倍面白くなる》大谷翔平は「リベラルの星」でアイスホッケーは「白人金持ちの娯楽」 “ステータス”で好きなスポーツが違う「国民性」はなぜ生まれた?

NEWSポストセブン / 2025年1月19日 11時15分

 また、ヒスパニック系の人々は移民であるがゆえに低所得者が多く、アメリカの景気後退懸念、また世界的な物価高の状況などを見て、実業家としての経歴をアピールするトランプ支持に回ったともされている。ともかく確実なのは、今のアメリカのヒスパニック系は、かつてほど単純に民主党支持ではなくなっているという現実である。

 そして一方、大リーグでは、まさに大谷翔平の存在に象徴されるように、「古きよき伝統的なアメリカの国技たるベースボール」が、「優秀な外国人たちがいないと成り立たない場」になりつつある。実際、選手の差別発言などにはかなり厳しい処分が下されるようになったし、「大リーグに真の多様性を」といったムーブメントも活発だ。

 アメリカとは、さまざまな移民たちの流入が引き起こしたダイナミズムによって、ここまで大きくなってきた歴史を持つ国だ。そういう意味では、増えたヒスパニック票によって当選したトランプも、極東から大リーグに乗り込んで見事にMVPをつかんだ大谷も、そういうダイナミズムが生んだ存在なのだろう。
(了。次回掲載は1月20日予定)

※『ビッグコミックオリジナル』(小社刊)1月5日号より一部改稿

◆小川寛大(おがわ・かんだい)/ジャーナリスト。1979年熊本県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2015年、季刊誌『宗教問題』編集長に。2011年より〈全日本南北戦争フォーラム〉事務局長も務め、「人類史上最も偉い人はリンカーン!」が持論。著書に『池田大作と創価学会』(文藝春秋)、『南北戦争』(中央公論新社)、近刊『南北戦争英雄伝 分断のアメリカを戦った男たち』(中公新書ラクレ)など。

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