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《トランプ政権誕生を10倍面白く読む》バイデン前大統領の突然の「USスチール買収中止命令」 裏に隠された民主党の“構造的問題”

NEWSポストセブン / 2025年1月21日 7時15分

 米国史上最も熱い選挙戦とも呼ばれた昨年の大統領選は終結したが、アメリカの政治家たちにホッとしているヒマはない。米連邦下院議員の任期は2年しかなく、次の選挙はもう来年の2026年だ。つまり4年に1度の大統領選の真ん中にはこの下院議員選が挟まるため、その選挙のことを「中間選挙」と呼び、実際にその勝敗は次期大統領選にかなり大きな影響をおよぼす。

 今の民主党が都市インテリや急進的リベラルに過度に肩入れしすぎた結果、昨年の大統領選を落としたという見方はすでに広く共有されているもので、バイデンにとり“民主党の古参政治家”として党から離れていった労働者たちに何かを訴えることは、必須の取り組みだったといっていい。だからこそ彼は大統領退任の直前に、USスチールの買収にあえて「ノー」を言った可能性は高い。

 もちろん、このUSスチールの買収話というのは、日米それぞれの超大企業の経済行為であり、そこには経済問題のみならず、安全保障の視点などなど、さまざまな要素が複雑に絡んでいる。よって何か一つのファクターだけで語れる問題でもない。しかし「アメリカにおける労働者の票」というものをめぐってこの国の二大政党が、経済専門家の視点を顧みることすらなく、“ポピュリズム”的な態度を見せていることも、また事実なのだ。

※『ビッグコミックオリジナル』(小社刊)1月20日号より一部改稿

◆小川寛大(おがわ・かんだい)/ジャーナリスト。1979年熊本県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2015年、季刊誌『宗教問題』編集長に。2011年より〈全日本南北戦争フォーラム〉事務局長も務め、「人類史上最も偉い人はリンカーン!」が持論。著書に『池田大作と創価学会』(文藝春秋)、『南北戦争』(中央公論新社)、近刊『南北戦争英雄伝 分断のアメリカを戦った男たち』(中公新書ラクレ)など。

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