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《日枝代表に説明求める声も》CM“撤退ドミノ”で問われるフジテレビの体質 港社長「次はカメラを入れる」ってそこじゃない、露悪的なノリとネタ化が引き起こし続けた問題

NEWSポストセブン / 2025年1月26日 16時15分

映像撮影を不可とした「紙芝居」会見だった。1月17日、フジテレビの港浩一社長(時事通信フォト)

 中居正広が、巨額の解決金を支払った女性トラブルを起こし、それにフジテレビ社員が関与した疑いが明るみに出てから約1か月。事態は収束するどころか、フジテレビのコンプライアンスや企業体質をめぐる社会問題へと広がり、ついに中居は芸能界からの引退を発表した。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、コンテンツ制作側からみたメディアの王様だったテレビ局と、その関係の変化についてレポートする。

 * * *
「このままフジテレビの状況がさらに悪化すれば、CMだけでなくコンテンツの引き上げが深刻になるかもしれない。スポンサーの引き上げもそうだが、原作元の出版社や作家自身がイメージを気にしてフジテレビを避けかねない。放送事業という商売の根底が揺らぐ」

 映像事業を中心に手掛けてきた60代のベテランプロデューサーが語る。アニメーションが中心だが、かつては製作会社でフジテレビ系のアニメにも参加している。

「フジテレビに限らずキー局で放送が決まるというのは垂涎の的だった。当たり前だが基本的にはいまでもそうだ。原作がフジテレビで映像化、なんてどの出版社も断る話ではない。作者だってよほどの偏屈でなければ二つ返事だ。それほどに影響力は絶大だ。しかしその影響力は局のイメージが悪くなれば両刃の剣だ」

 筆者も出版社時代はそうした事業に関わった経験がある。ドラマ化やアニメ化は作品冥利に尽きる。彼の言う通り、原作本の売上だって映像化作品とそうでない作品では大違いだ。深夜アニメだろうが地方ローカル局アニメだろうが「アニメ化決定」という宣伝文句は大きい。大きいからこそ、局そのものがイメージを失墜すれば作品もとばっちりを受ける。

キー局に逆らうなんて、考えられなかった

 タレントの中居正広氏による女性トラブル報道は、フジテレビ社員の関与を疑われたことで個人のスキャンダルから社会問題にまで発展してしまった。トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキ、三菱自動車、NTT東日本、KDDI、セブン&アイ、イオン、ローソン、アサヒ、サントリー、キリン、サッポロ、日本コカ・コーラ、ヤクルト、日本マクドナルド、日清食品、明治製菓、花王、資生堂、JT、東京電力、日本生命、第一生命、明治安田生命、アフラックなど、名だたる企業とそのグループ70社以上がCMの放送差し止めやスポンサー撤退を宣言した。

 フジもここまでになるとは思っていなかったのだろう。だからこそフジテレビ港浩一社長は動画撮影禁止で参加記者をフジ側が限定した「紙芝居会見」を行った。はっきりいって、日ごろから一般社会をバカにしてないとこういうことはできない。それにしても後日、会見について「失敗」とは。「次はカメラを入れる」とかそこじゃない。

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