宝塚歌劇第一回公演の“予想外すぎる場所”「脱衣所を改造して…」と甲子園球場秘話「そんなにぎょうさんの人が来るんかいな」《阪急VS.阪神》
NEWSポストセブン / 2025年2月11日 11時5分
劇場は、開設したばかりの新温泉パラダイスにつくった室内プールだった。
室内プールは娯楽施設の目玉だったが、当時の日本人は室内プールなど見たことも聞いたこともなかった。プールのある学校が珍しかった時代だ。
室内プールは日が差さないので、夏でも温水を使わなければ水温が低くて泳げない。室内プールの担当者はそんなことも知らなかった。
「あんなとこで泳いだら凍え死んでしまうわ」という客が続出したため、すぐ閉鎖になった。
水を抜いて使わなくなった室内プールほど間抜けなものもなかった。担当者が頭を痛めていたところへ飛び込んできたのが、少女歌劇の公演だった。
室内プールに板を張って観覧席をつくり、脱衣所を改造して舞台を設けると立派な歌劇場になった。少女歌劇は爆発的な人気を集めた。
それまでは温泉場の演芸場といえば、芝居や日本舞踊、講談や浪花節が常識だった。西洋音楽を主体にした清新な少女による歌劇は、子どもからお年寄りまで家族そろって楽しめた。宝塚歌劇は、新たな都市文化、大衆芸能として広く受け入れられていった。
宝塚はどんどん進化を遂げた。
1924(大正13)年に、宝塚少女歌劇を公演する常設施設として「宝塚大劇場」をつくり、一帯を総合レジャーランドに整備した遊園地「ルナパーク」や大植物園、動物園などを設けた。
隣接地には2万人以上を収容する宝塚運動場を整備した。プロ野球や高校ラグビー、高校サッカーを楽しむことができた。このほか、宝塚映画撮影所が置かれ、数多くの映画が宝塚で撮影され、全国の映画館で上映された。
戦後も、家族連れで気軽に訪れることができる関西有数のレジャー施設として成長した。
1960(昭和35)年には「宝塚ファミリーランド」と名を改め、文字通り、家族で楽しめるレジャー施設として関西を代表する一大レジャースポットとなった。
楽しい休日は甲子園で
阪急が「宝塚」なら、阪神は「甲子園」だった。
1924(大正13)年に、甲子園大運動場(現在の阪神甲子園球場)がオープンした。
5万人収容のスタジアムは、当時、世界最大級を誇った。年ごとに観客が増える高校野球(当時は中等学校野球大会)に対応するため、5か月の突貫工事で完成させた。
目をむくような破格の大きさだったため、「ほんまにそんなにぎょうさんの人が来るんかいな」といぶかしがられた。
しかしいざ大会が始まると、3日目に早くも「満員札止め」となったという。
この記事に関連するニュース
-
大阪のおばちゃんが熱狂した「阪急ブレーブス」と近鉄電車限定の"理不尽なマナー"「こら、近鉄乗るときは○○の帽子かぶらんかい」《関西私鉄ものがたり》
NEWSポストセブン / 2025年2月11日 15時51分
-
「西宮北口駅」の略称は北口?西北?阪急電鉄の投稿に「私はきたぐち」「当然ニシキタ」議論盛り上がる
オールアバウト / 2025年2月4日 21時15分
-
兵庫県の「住み続けたい街(自治体)」ランキング! 2位「西宮市」、1位は?
オールアバウト / 2025年2月2日 17時15分
-
村上ファンドとの攻防を制した阪急阪神HD会長の角氏が退任
財界オンライン / 2025年1月31日 11時30分
-
兵庫日産自動車と阪神タイガースファームスポンサー契約・ゼロカーボンベースボールパークパートナー契約を締結―ゼロカーボンベースボールパーク社用車に日産自動車のEV「日産アリア」を導入―
@Press / 2025年1月30日 15時30分
ランキング
-
1鉄鋼、アルミに25%関税=国内産業保護で―日本も対象、3月実施・トランプ米大統領
時事通信 / 2025年2月11日 17時46分
-
2「タワマン大暴落」を待ち望む人が知らない"現実" 修繕積立金の高騰を心配している人もいるが…
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 7時45分
-
3若手と企業が考える「安定している」の意味は違う そもそも「今どきの若者はすぐ辞める」も間違い
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 12時0分
-
424年「デジタル赤字」6兆円超 米巨大企業が市場支配、資金流出
共同通信 / 2025年2月11日 17時36分
-
5トランプ大統領は仮想通貨にとって天使か悪魔か 「トランプ関税」の余波で史上最大の売りを招く
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 11時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)