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TOKIOにスピード負けした「ジェットカー」の“本当の実力”、“激安100円電車”、“えらい高い電車運賃”の理由《関西私鉄よもやま話》

NEWSポストセブン / 2025年2月12日 15時54分

 ジェットカーはわずか25秒で時速90キロに達する。実際に乗ってみれば分かるが、発車すると同時に、吊り革が進行方向とは逆向きにどんどん傾いていくのが目に見えて分かる。ぼーっと突っ立っていると思わず踏ん張らなければいけないほどだ。

 TOKIOのおかげで、思わず注目を浴びることになった阪神電鉄の“秘蔵っ子”だ。

日本で最も安く乗れる電車(北大阪急行)

 大阪には100円で乗ることができる電車がある(2024年時点)。

 大阪府北部を走る北大阪急行電鉄だ。箕面萱野(大阪府箕面市)-江坂(同吹田市)の8.4キロを結ぶ中小私鉄で、2024(令和6)年3月に千里中央(同豊中市)から北に2.5キロ延伸した。延伸しても千里中央‐江坂間では隣の駅までの運賃は100円に据え置かれており、破格の安さを誇る。

 北大阪急行は地下鉄御堂筋線と相互直通運転をしているが、集電は第三軌条方式で、地下鉄と同様に各駅停車のみの運転ということもあってか、相互直通運転という印象が薄い。

 北大阪急行の利用客も「北大阪急行を使っている」という人より「御堂筋線を使っている」と話す人の方が圧倒的に多い。

「御堂筋線のようで御堂筋線でない」「相互直通運転なのに相互直通運転に見えない」という不思議な路線だ。

 北大阪急行電鉄株式会社の出資比率は阪急が54%、大阪府が25%で、阪急の完全子会社だ。1970(昭和45)年2月に開業したことから分かるように、大阪万博のアクセス路線としてつくられた。

 1日あたり数十万人の観客を輸送するためには、会場と中心部を直結する鉄道線が不可欠だった。万国博組織委員会と大阪府は、当時、新大阪が終着点だった御堂筋線をさらに北へ延ばしてアクセス路線にするのが最も合理的だと考えた。地下鉄を運営する大阪市と、大阪北部に路線網を持つ阪急に共同での延伸を持ち掛けた。

 しかし、大阪市も阪急もこの延伸計画には乗り気でなかった。

・建設費が膨大になる。
・沿線人口が少なく、万博が終わったら赤字路線になる。
・混雑でパンク寸前の御堂筋線が、本当にパンクしてしまう。

 本音はこんなところだった。

 大阪市交通局は「地下鉄は大阪市営だから、大阪市外での建設はできない。大阪市民の税金を使って大阪市外の住民の利便を図るわけにはいかない」との理由を盾に拒んだ。大阪市域を出たところから万博会場までは然るべき民間会社による敷設が必要だとした。

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