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小池龍之介-妻と子との向き合い方「家庭に居場所がない」【4】

プレジデントオンライン / 2014年3月9日 18時15分

がむしゃらに働いているのに小遣いはごくわずか。妻と子どもはそっぽを向き、老親の介護も。こんなに苦しいのに誰もわかってくれない――。ベストセラー『考えない練習』で読者から圧倒的な支持を得た名僧が、あなたの日頃の迷いに対して、考え方の筋道をわかりやすく説く。

「居場所がない」のはご自分のせいです。もともとは「この人といると居心地がよい」と感じて結婚したのでしょうから、結婚当初は居場所があったはず。ただ、ある時期から夫婦のどちらかが、自分は相手に配慮しているのに、相手が同じように配慮してくれないと感じだすことが、居場所のなさを生じさせます。

人は、自分が10の度合いで配慮していて、相手が7しか配慮してくれないと思うと、自分の価値が下がるような気がするもの。「自分は3ほど損をしている」と感じて、相手への配慮を減らしたくなります。ウエットにいうと「自分のほうがより愛情を注いでいて、相手からはそれほど愛されていない」と感じる。自分は「もっと愛情が欲しい」と思っているわけですが、欲しいものが手に入らないのはくやしいので、「自分はそもそもそれを欲しいとは思っていない」という気持ちに変えてしまいます。こうして相手への愛情を切り下げてしまうのです。

自分のほうが「より配慮してもらいたい」「より愛されたい」と思うのは「慢」の煩悩ですが、相手にも同様に「慢」の煩悩があります。自分が相手に対する配慮や愛情を減らすと、相手も減らすようになり、いわばダンピング合戦になってしまう。結果、自分も相手も双方が「居場所がない」と感じることになります。

「なぜ、相手が以前のようによくしてくれなくなったのか」というと、大抵は「自分がそう仕向けているから」で、それに気づくことが大事です。

お互いが「相手が先に配慮の度合いを上げてくれるべきだ」と思っていますが、それでは下げあう一方。「このままではまずい」と気づいたほうが、状況を変えるカギを握っています。相手への愛情が5くらいに下がっていると感じたら、まず自分が8くらいまで上げる。そうすれば相手は安心感が得られて、優しくなります。夫婦は馴れるにつれ、愛するパワーが落ちて、ダンピング合戦を招きがちです。「自分から相手に与える」ことが、その予防・解消策となります。

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月読寺住職・正現寺住職 小池龍之介
1978年生まれ。東京大学教養学部卒。正現寺(山口県)と月読寺(神奈川県)を往復しながら、自身の修行と一般向けに瞑想指導を続けている。『考えない練習』『ブッダにならう苦しまない練習』『もう、怒らない』など著書多数。

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(月読寺住職兼正現寺住職 小池 龍之介 構成=岩原和子 撮影=若杉憲司)

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