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百貨店お中元"ドン底の果てに明るい兆し"

プレジデントオンライン / 2017年7月22日 11時15分

今夏、大手百貨店がネット経由でのお中元販売を強化。多くの百貨店が前年比3割増程度を目標に掲げ、高島屋がAI(人工知能)を導入して顧客からの質問に24時間対応するなど、利用者が簡単・便利に注文できる仕組みを整えている。

お中元の市場はバブル崩壊以降減少し続けており、現在8100億円程度(矢野経済研究所の調査)。お中元を贈る習慣を持つ世代の高齢化が原因だ。法人需要は既にドン底で、個人向けビジネスも減少を続けてきた。

ネット販売比率は現在のところ15%程度に留まっている。そのため、ネット販売が仮に3割伸びたとしても、これで全体の売り上げ減をカバーできる訳ではない。

またネット経由の販売にはデメリットもある。店舗にお中元を買いにくる顧客は、同時に別の商品を買ったり食事をしたりするケースが多い。そのためネット販売の比率が増えると百貨店の来店客数が減少し、客単価が下がってしまう恐れがある。

一方で、明るい兆しもある。お中元を贈答用ではなく、“自分用”に買う人が増えているのだ。これは近年の百貨店ビジネスの成功パターンと重なる。例えばバレンタインデーやホワイトデーはもともと贈答用でスタートしたが、自分用に購入する顧客の増加で売り上げが大きく伸びた。

百貨店もこうした需要を狙っている。たとえば三越伊勢丹は葛飾北斎や尾形光琳などの作品をプリントしたファンなら思わず手にしたい商品を増やすなどして、自分用のニーズ喚起も視野に入れているように思う。

今後お中元市場を成長させるためには、お中元を“ギフト”ではなく、バレンタインなどと同様の“イベント”と捉えて展開する必要があるだろう。店舗にショールーム的なスペースを設けて来店を促し、直接の購入や在庫がない商品のネット注文を受け付けるなど、オムニチャネル的な仕組みをつくるべきだと考える。

(SBI証券 アナリスト 田中 俊 構成=吉田洋平)

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