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年収500万未満"健診いかない人"のツケ

プレジデントオンライン / 2018年11月6日 9時15分

高所得者と低所得者の「時間の使い方」にはどんな違いがあるのか。雑誌「プレジデント」では、年収2000万円と年収500万円のビジネスパーソン150人ずつにアンケートを実施。その違いを探った。第2回は「健康」について――。(全4回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年5月15日号)の掲載記事を再編集したものです。

健康編1
体調不良で健康不安があるのに健診に行かない500万の「負のスパイラル」

健康に関する質問では、「やや太っている」と答えた高所得者が37.3%で、自分を太りぎみと思っている人が低所得者より多かった(図1)。平均年齢は4歳程度しか変わらないので影響はあまりないだろう。経済評論家、投資家として活躍する加谷珪一氏は「高所得者は情報収集のための会食が多い」という生活習慣が影響していると見る。

体力面では、低所得者のほうがより不安を抱えている(図2)。「従来なら若いうちは現場労働的な仕事に就き、役職が上がっていくにつれて頭脳労働の比率が高くなっていった。しかし、今は低成長で役職数が頭打ちになりポストが空かないため、40歳を過ぎても引き続き外回りの営業をやらされることも。だから、ちょっと体力的に不安になってくるのでは」とは加谷氏。

■「体調不良がある」は低所得者が9割、高所得者は7割

体力が不安なだけでなく、低所得者は9割近い人が実際に「体調不良がある」と答えている。対して高所得者は7割強(図3)。「高所得者と低所得者とでは野菜や果物の摂取量が大きく違うというデータもあります。こうした食習慣も背景にあるのでしょう。また、高所得者のほうが健康管理にコストをかけられる」(不動産から医療法人まで年商100億円の企業グループをつくり上げた金森重樹氏)。

高所得者のほうが健康診断によく行く(図4)という結果から、体のメンテナンスに対する意識の高さも関係していそうだ。

加谷氏は、年齢とともに衰えていく体を自分でマネジメントすることの大切さを説く。「知り合いの社長は、会食も自分の行きつけの店にしか行かないと言います。その理由は、どんな料理が出るかわかっているので体調管理がしやすいから。知らない店に行って食べすぎて胃もたれすると、次の日の仕事に差し障ると言っていました」。

「お金持ちの人は皆さん、『お金がお金を稼ぐようにしないとダメだ』と口を酸っぱくして言います。あれは、そのくらい稼がなきゃダメという意味もあるんですが、体が衰えていく中で収入を維持するためには『お金に稼いでもらう』部分を広げていくことが必要という意味もあるんです」(加谷氏)

健康編2
2000万は運動で健康管理、人脈づくりも兼ねるゴルフなら一石二鳥

健康の維持・増進に効果的といわれる運動については、高所得者のほうが頻繁に運動していた(図1)。しかも、「毎日」と答えた人は低所得者の倍以上。「毎日という人は朝ですね。私の知り合いの外資系の金融マンやコンサルタントは朝早く起きてランニングしています。彼らは週に1、2回、トレーニングジムにも通っていることが多い。上級クラスのジムはエグゼクティブのコミュニケーションの場にもなっています」(加谷氏)。

運動が自己流か、教わっているかという質問では、低所得者のほうが自己流の傾向が強かった(図2)。「高所得者はトレーナーにプログラムを組んでもらい、きちんと成果を上げたいという思いが強いのでは。おそらく自分をマネジメントしていることにすごく安心感を覚えるようなメンタリティが働いていると思います」(加谷氏)。

どんな運動をしているかは1位・2位は同じだったが、3位は高所得者がゴルフ、低所得者は山登り(図3)。「高所得者のゴルフは、運動というよりも仕事上の付き合いが影響していそうですね。低所得者の山登りは装備一式揃えた本格的なものではなく、ハイキング的なものかもしれません。比較的低予算でできる運動が多いようです」(金森氏)。

接待といえば一昔前はゴルフが定番だったが、いまだにそうなのだろうか。「いえ、もうほとんど機能していないでしょう。エグゼクティブなら、仕事の延長というよりは人脈づくりの手段に利用しています。ゴルフ好き同士なら、ゆっくり話ができますし」(加谷氏)。

平均睡眠時間は、高所得者のほうが短めで、6時間未満という人が約27%。3時間未満の人も2%いる(図4)。

限られた時間の中で質のいい睡眠をとるにはどうすればいいか。「食事をとる時間や、お酒の量に気をつければ、睡眠の質はコントロールできます。ある社長は、睡眠アプリで徹底して睡眠を管理して質のいい眠りを確保しているそうです」(加谷氏)

調査方法●編集部と楽天リサーチで実施。個人年収500万円未満150人、個人年収2000万円以上150人から回答を得た。調査日は2017年3月15~16日。

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加谷珪一
経済評論家
東北大学工学部原子核工学科卒。日経BP社(記者)、投資ファンド運用会社を経て、コンサルティング会社を設立し代表に就任。
 

金森重樹
行政書士
不動産投資顧問。東京大学法学部卒。不動産、建設、ホテルチェーンなどグループ年商100億円の企業グループのオーナー。
 

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(河合 起季 撮影=大沢尚芳、鈴木啓介)

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