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仕事のデキる人ほど"懲戒解雇"になる理由

プレジデントオンライン / 2019年7月11日 9時15分

■「これぐらい大丈夫だろう」と重大な非違行為に走る

一口に解雇といっても、実は大きく分けて3つの種類があります。その1つが懲戒解雇です。これは懲戒処分(戒告、けん責、減給処分、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇)の中でも、極めて悪質な規律違反があったときに行われる処分です。最も厳しい“クビ”のことであり、通常だと退職金は支払われません。

残りの2つは普通解雇(労働者の力不足や成績の不良、職務懈怠や健康状態の悪化等が事由)と、整理解雇(会社の経営不振や合理化で人員削減を行う、いわゆるリストラ)です。

意外かもしれませんが懲戒解雇になる人は、頭が良くて仕事ができる人が多いです。彼らは「これぐらい大丈夫だろう」と見極め、重大な非違行為に走ります。逆に仕事がイマイチな人は、狡猾な悪巧みもできないので、ほぼ普通解雇です。

懲戒解雇で一番目立つのは横領で、その額は数十万円から数千万円まで。日常的にお金を取り扱うタクシーやバスの運転手等だとたとえ100円でも懲戒解雇になります。

次によく目にするのは利益供与。取引先に接待を求めたりキックバックをもらうなど金銭や物品を要求したり。これらは自分の意思でなく、上司の指示でやったとしても懲戒解雇になりえます。

最近だと注意したほうがいいのが秘密の漏洩です。お金が欲しくて個人情報を売ったりすれば懲戒解雇です。情報管理規定というルールが会社に定められていれば、疑わしき添付ファイルを開いてウイルスに感染するだけで、意図的でなくても厳しい処分になります。

飲酒運転も、バスやタクシー等の運転手なら即懲戒解雇でしょう。

不倫は、それ自体は懲戒の対象になりませんが、著しく社内の秩序を乱すようならクビになる可能性もあります。

経歴詐称だと、警備やビル管理会社に前科を隠して入社したり、偽バッジで弁護士に化けたりは、完全にアウトです。

なかには不当な懲戒解雇もあるので、その場合は社会保険労務士や弁護士に相談して、あっせんや民事訴訟を起こす方法もあります。

○:上司の指示でも、懲戒解雇になりうる
×:意図的でない場合は懲戒解雇にはならない

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安中 繁
特定社会保険労務士
ドリームサポート社会保険労務士法人代表取締役。労使紛争の未然防止を専門とする。著書に『すべての管理職必読! 困った社員対策マニュアル』がある。
 

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(特定社会保険労務士 安中 繁 構成=篠原克周 撮影=石橋素幸)

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