みずほ銀行訴訟で浮き彫りになった現代の〝追い出し部屋〟は「自宅・在宅勤務」
東スポWEB / 2024年4月26日 6時28分
24日に開かれた東京地裁の判決が注目されている。自宅待機命令から懲戒解雇となったことは不当だとしてみずほ銀行元行員の50代男性が慰謝料1500万円などを求めて同銀行を訴えていた。東京地裁は自宅待機命令を「限度を超え違法」と330万円の支払いを命じた一方で解雇は有効とした。
発端は2014年に男性が上司へ勤務態度について配慮を求めるメールを送信したことだった。それ以降、男性は異動となるだけでなく、16年には退職勧奨を受け、自宅待機命令に発展。20年10月まで約4年も自宅待機が続き、その後、男性は欠勤を続けたことから21年に懲戒解雇となっていた。
東京地裁は「退職以外の選択肢を与えない状態を続け、社会通念上許容される限度を超えた退職勧奨だ」と不法行為の成立を指摘。みずほ銀行は「判決内容を精査の上、対応を検討する」とコメントを出している。
かつては〝追い出し部屋〟と呼ばれ、何も仕事のない部署に異動させて自己都合退職に追い込むという手法が問題視されたこともあった。近年は自宅待機命令や在宅勤務命令が追い出し部屋と同じように使われているという。
現在、勤務先から在宅勤務命令を出されている40代会社員は「在宅勤務でも一応仕事はあるのですが、自分には絶対にできないような専門的なものをやらされるのです。昔の企業が辞めさせたい社員に『就業規則を書き写せ』だとか無意味な指示をして追い込んでいたのと同じですね」とムチャぶりされていると話した。
この会社員が在宅勤務となったのは勤務態度を巡る会社との見解の相違だという。「出社させない嫌がらせで自主的に退職するよう仕向けることは違法という判決は私にとってもよかったです」(同)
現代の追い出し部屋は自宅だった。
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