いびきがウルさいと言われたら横向きに寝ろ

プレジデントオンライン / 2019年10月22日 17時15分

Q. 仰向けと横向き、体にいい寝方はどっち?

■約8割の人で、いびきが半減する

結論から言えば、いびきをかく、かかないに関係なく、横向きで寝たほうが体は楽になります。1つは体温コントロールがしやすいから。もう1つは血液循環がしやすいからです。

特にいびきをかく人は横向きで寝たほうがいいでしょう。いびきをかく人は横向きに寝ただけで、約8割の人でいびきが半減することが明らかになっているからです。私はかつて、寝るときの姿勢といびきの関係をNHKの番組で検証したことがありました。被験者はいびきに悩まされている20代から40代の男性5名。一番いびきのひどかった人でも、横向きに寝るだけで一晩に3時間以上かいていたいびきが40分ほどに激減し、さらに被験者全員の疲労度が基準値を下回り、「よく眠れた」「目覚めがすっきりした」という感想を得ることができました。

では、なぜ横向きで寝るといびきをかかないのでしょうか。いびきは睡眠中にゆるんだ舌が重力でひっぱられて喉の奥に落ち込み、気道が狭くなることが原因で発生します。ということは仰向けで寝なければ、舌は喉のほうに落ちていかないので、いびきをかかずに済むというわけです。もちろん、うつ伏せで寝てもいびきは軽減しますが、胸が圧迫されて呼吸が苦しくなるので、あまり長時間は寝られません。したがって一番いいのは横向きということになります。

■横向きの姿勢を長時間保つ

しかし、横向きで寝ていても、いつの間にか仰向けに戻ってしまうという人も多いでしょう。そこで大切なのが「枕」です。横向きの姿勢を長時間保つには、枕をそれに適したものにすることが不可欠です。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Eva-Katalin)

みなさんの多くは枕を選ぶとき、仰向けに寝たときの寝やすさを基準にしているかと思います。しかし、仰向けで寝やすい枕は横向きで寝るには低すぎるのです。特に男性は肩幅が広い分、首が折れてしまう。横向きになったときに首をしっかり支えるだけの高さが必要です。

さらに人間の頭は約5キログラムの重さがあります。5キログラムの米袋を、そば殻やパイプ、低反発素材などの枕の上にボンと置いたところを想像してみてください。米袋は枕に沈みこんでしまい、必要な高さを得られないでしょう。そこで横向き用の枕は、ある程度弾力のある高反発の素材でできていて、そして横向きになったときに頭を支えるだけの高さがあることが条件です。

もう1つのポイントは、抱き枕を併用すること。抱き枕を両脚の太ももに挟み、体の右側を下にして、体の左半分を抱き枕に乗せるようにする。これは「シムス体位」といって、お腹が大きくなって仰向けで寝るのが苦しい妊婦さんが寝るときの姿勢として推奨されています。また、救急車で昏睡状態の患者を搬送するとき、気道確保のためにとらせる姿勢でもあります。つまり、それだけ呼吸器に負担をかけず、血液が最も循環しやすい楽な寝方だということです。

最後に、横向きで寝るときは体の右側を下にすると言いました。なぜかというと、そうすることで胃の入り口が上に、出口が下にくるので、胃の内容物が重力にしたがって下へ移動しやくすくなるため、消化吸収がよくなり、ひいては自律神経系の負担が軽くなるからです。

▼抱き枕を太ももに狭み、体の右側を下にしよう

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梶本 修身(かじもと・おさみ)
東京疲労・睡眠クリニック院長
医師・医学博士。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。大阪大学大学院医学研究科修了。『スッキリした朝に変わる睡眠の本』など著書多数。

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(東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本 修身 構成=長山清子 撮影=石橋素幸 写真=iStock.com)

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