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自分に嫉妬する人を「うまく動かす」挨拶のコツ

プレジデントオンライン / 2019年12月3日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

■「出向先から嫉妬された」と訴える大企業社員たち

空前の人手不足で、人件費が高騰していると聞きます。その一方で、大企業と中小企業のビジネスパーソンでは、収入の格差が大きくなっているのも実情のようです。そして、取引先の中小企業を訪問したり、子会社に出向したりしたとき、「先方の社員から嫉妬された」と訴える大企業社員の方も増えているようですね。

低収入の人が高収入の人を妬むのは、当然のように思うかもしれませんが、実は「お金がたくさんあるほうが幸せ」という思い込みに基づいています。お金持ちは確かに物質的には恵まれているものの、必ずしも幸福とは限らないのです。

お金がたくさんあれば、それを守ろうとして、お金に人生を支配されるようになる人も少なくありません。また、投資家やファンドマネジャーは、多額の収入を得る代わりに、寝ても覚めても株価や為替相場などの動きを気にして、心が休まる暇などないでしょう。

どんな生活レベルであっても、メンタリティが本当の意味で幸福志向でないと悩みは尽きないと言えます。しかし「お金がたくさんあるほうが幸せ」という思い込みに多くの人がとらわれているため、どうしても「隣の芝生が青く見える」という“錯覚”が起こります。

高収入の人を嫉妬するというのはその結果です。そもそも嫉妬と幸せは絶対に共存するものではありません。お金がたくさんあれば嫉妬しなくなると思っていても、「より多く持っている人」への嫉妬はずっと続くことになってしまいます。今持っているものへの感謝なくしては幸せはありえないとも言えます。

■男性は収入で価値判断しがち

本当に食べていくのに困るレベルの人は別として、お金の多寡と幸福度は全く違う軸にあるのですが、「収入=人間の価値」という観念に縛られているビジネスパーソンが多いのも事実。そういうタイプは、とりわけ、男性に目立ちます。

男性はわかりやすい客観的な尺度で、価値判断をしたがるからです。外国車を乗り回し、高級ブランドのスーツや腕時計を身につけている人を見ては、「オレの稼ぎはアイツに負けている」と劣等感を抱き、嫉妬を募らせるという精神構造に陥りがちなのです。

自分に嫉妬してくる人に対して同じ土俵で話をしても問題の解決につながりません。「嫉妬された」と被害者的にとらえるのでなく、「幸せを感じられずにもがいている人」と見れば、むしろ気の毒に感じることもできるでしょう。そうすれば、笑顔で挨拶することもできると思います。

そうした態度を取り続けていれば、相手も「この人は収入の低いオレのことを見下していない」と受け止めて、自分の人望を高めることにもつながりますし、さらには相手が「収入=人間の価値とは限らないんだ」と気づくことになるかもしれません。

収入が高い人は優秀で、企業でも昇進する可能性が大きいはず。いずれ収入が低い部下からの人望を得て、リードしなければならない立場になります。低収入の人の嫉妬に巻き込まれることなく、相手を気持ちよく動かす術を身につけるのは、そのときに備えた修練と心得ましょう。

【対策】笑顔で接して「思い込み」を解消

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水島 広子(みずしま・ひろこ)
精神科医
1968年、東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~05年8月まで衆議院議員を務める。著書に『「他人の目」が気になる人へ』など。

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(精神科医 水島 広子 構成=野澤正毅)

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