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遊技業界人が断言「コロナ禍のパチンコ通いがパチンコ屋を潰すワケ」

プレジデントオンライン / 2020年5月1日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fotoVoyager

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けて、全国のパチンコ店に休業要請が出ている。生涯2000万円以上をパチンコにつぎ込んだパチンコ中毒の内田勝太さん(仮名)は、「パチンコ業界の未来を想うからこそ今は自粛している」という。そんな彼が、自粛を乗り切るために実践しているテクニックとは——。

■自粛要請が出て、全国のパチンカスは今…

「パチンコやめたら退屈で死んじゃうよォ!」そう思って生きている人間が世の中にはいる。何を隠そう筆者もその一人だ。普段ならパチンコが必要か否かという議題はちゃんちゃらおかしい。だが、今、世界は未曽有の危機にひんしている。ご存じの通り、世界各地で「新型コロナウイルス」が猛威を振るっているのだ。感染者、死者数は増え続けており、外国では「ロックダウン(都市封鎖)」をしている国も多数出てきている程である。

そんな中、日本も事態を重く受け止め、4月7日から7都府県において「緊急事態宣言」が発令され、その後全国に拡大された。その結果、日本全体で不要不急の外出自粛が要請され、さまざまな店舗においても休業要請が出された。そんな最中、果たしてパチンコは必要なのだろうか。

パチンコは大衆娯楽である。大衆娯楽というからには娯楽なので、当然不要不急に該当する。言うなれば今の時期に必要無いということになる。緊急事態宣言ではパチンコ屋にも休業要請が出ている。大手パチンコチェーン店は軒並み臨時休業を発表し、開店しているパチンコ屋の方が少ない状態になっている。

こんな状況下で、パチンコが好きで好きで仕方が無い人や、パチンコに依存している人(以降は主にネット上での俗称である「パチンカス」という言葉で総称させていただく)はどうしているのかという疑問が出てくる。パチンカスは本当に外出を自粛して、パチンコ・パチスロを打っていないのであろうか。

■緊急事態宣言中でも朝から並ぶパチンカスたち

結論から言うと、一部のパチンカスは自粛していない。もちろん中にはキチンと自粛しているパチンカスもいるが、自粛をしていない人も多く存在するのが現状だ。パチンカスは多くのパチンコ屋が休業している中、開業しているパチンコ屋を必死で探して行っているのだ。

また、それだけならまだしも、本気のパチンカスは車や交通機関を使い、わざわざ当時は緊急事態宣言の対象ではなかった茨城県等の郊外のパチンコ屋に流れていたのである。茨城県の大手パチンコ店の駐車場では首都圏のナンバープレートのついた車がズラっと並んでいる異様な光景を目にすることとなった。また、朝からぞろぞろと首都圏から来た人たちを含めた大勢の人が開店待ちの列を成していた。

これはとんでもないことだ。今のご時世に外出自体も自粛を要請されている中、わざわざ外に出て、あろうことか他県まで足を伸ばし、不要不急であるはずのパチンコを打ちに行くという行為をしているのだ。茨城県としては、たまったものじゃない。新型コロナウイルス感染者が多い東京から、ウイルスが潜伏している人たちが流れてきているかもしれないのだ。

緊急事態宣言が全国に拡大された現在も、一部の店舗では営業を続けており、パチンカスのたまり場となっている。

パチンコ屋みたいな密閉空間では、感染のリスクが高まる可能性がある。ましてや、感染しているかもしれない人が握ったパチンコのハンドルを次の人が知らず知らずのうちに握り、ウイルスを「共有」している可能性すらあるのだ。パチンカスが感染拡大を助長する「クラスター」になってしまっているかもしれないというのは悲しい現実である。

■自粛しないパチンカスは業界を潰す

このようにパチンカスの現状を否定的に述べてきたように思えるが、私はパチンコ産業を批判したい訳ではない。むしろ私自身も熱狂的なパチンカスであり、何を隠そう現在この業界で働かせていただいている身だ。パチンコ産業が栄えてほしいに決まっている。だからこそ、今はパチンカスたちに自粛をしてほしい。世間が自粛している中で、パチンカスが自粛しないのはあまりにもイメージが悪い。イメージの悪化は後々のパチンコ屋の集客において悪影響を及ぼしてしまうと考えられる。

パチンコ産業は何かと世間からたたかれがちな業界だ。残念ではあるが、もともとイメージが悪いので、今回の「新型コロナウイルス騒動」によってさらにイメージの悪化につながってしまうと業界の肩身が狭くなる上に、ユーザーも減ってしまうという二重苦になってしまう可能性が高いのだ。

そうなるとパチンコ屋もどんどんつぶれてしまう。パチンカスにとっても憩いの場所が減り、不利益なのだ。そうならないためにも今はパチンコを控えても良いのではないだろうかと思うのだ。

■嫁の財布から金を抜く筆者さえ今は自粛している

そうは言ってもパチンカスにとってパチンコを控えることは容易ではない。私も今は行かない方が良いだろうと思いつつも常に頭の中はパチンコのことばかりで、家で自粛している現在もやりきれないツラい日々を過ごしている。「早く打ちたい! 打ちたくて仕方がない! 頭がおかしくなりそうだ!」と、こんな思いで胸が張り裂けそうになっている。正直、最近ちょっと手が震えてきている。あのハンドルを握る感覚が愛おしい。あのきらびやかな電飾と液晶画面が愛おしい。あの球が弾かれ、スタートチャッカーに入っていくさまが愛おしい。思えば私もよくここまで我慢していると思う。

思い返してみると、私は5歳の頃から親に連れられパチンコというものを知り、中学生、高校生とゲーセンに朝から並んでパチンコをひたすら打ちまくる学生生活を送っていた。大学受験を控えていても寸暇を惜しんでパチンコに行っていたし、大学の合格発表日の朝もパチンコ屋に並んでいた。大学生になると授業をサボってパチンコ屋に行き、一日中パチンコに明け暮れる日々を過ごしてきた。私の青春はパチンコそのものなのだ。

そして、社会人となった今はパチンコ業界で働いている。この「新型コロナウイルス騒動」以前は、会社帰りに毎日パチンコ屋に行き、閉店まで打ち続けていた。無論、休日も朝から晩までパチンコに明け暮れていた。同期の社員たちに頭を下げて100万円ほど借金をしているし、嫁の財布からお金を抜くほどパチンコに財産をつぎ込んでいた。もはや私にとってパチンコを打つということは呼吸するようなものである。ほぼ365日と言っていい程に毎日パチンコを打っていたのだ。仕事もプライベートもパチンコずくめ、生涯をパチンコに捧げていると言っても過言ではない。そしてこれからも生涯を捧げるつもりだ。

■今のパチンコアプリは本物さながら

そんな最上位パチンカスである私ですら、今はパチンコ屋に行っていないのだ。これは私にとってはとんでもない事件だ。そりゃあツラいに決まっているのだ。

そんな私がパチンコを我慢するために家でしていることと言えば、パチンコ・パチスロのスマートフォン向け実機アプリを一日中ぶん回すことだ。当然、実際にパチンコ屋で打つのに比べたら臨場感も快感も劣る。だが、たかがアプリと侮るなかれ、今はリアルに再現されており、大当たりした時の気持ちよさは本物さながらである。これがなかなかどうして悪くない。

■パチンカスおすすめ「パチンコのハッピーセット」とは

それに加えて、ネットに書いてあった、「スマホでパチンコをぶん回してる横に封筒を置き、そこに回した分だけ1万円札等のお金を入れていく」というのをやってみたのだが、これまた悪くない。実際の現金投入口、いわゆる「サンド」にお金を入れる感覚になり、臨場感が増すのだ。動画配信サイトでパチンコ実践動画を流しながらこれをやるとなお良し。パチンコのハッピーセットの完成だ。

もしこれでも満足できない人は、さらにお刺身等のおつまみをたしなみながらやると良いだろう。パチンカスが家でできる究極のぜいたくではないか。私の家での過ごし方が少しでも参考になれば幸いだ。

冒頭でも述べたが、「パチンコやめたら退屈で死んじゃうよォ!」というのはわかる。私も三度の飯よりパチンコが好きだから痛い程わかる。こんな状況でも打ちに行きたくなる。だが、今ではないだろうと思うのだ。

もちろんパチンコは大衆娯楽として日本には必要不可欠だと思う。しかし、今だけは打つのを我慢しても良いのではないかと切に感じる。正直、打てないのは本当にツラいが、外出自粛をして家で過ごそう。

今は私を含むパチンコを心から愛するパチンカスたちが一丸となって業界のために耐える時だと思う。パチンカスがコロナに負ける訳が無い。収束後の来るべきパチンコ解禁日を楽しみに今を共に乗り切ろうではないか。

(パチンコメーカー社員 内田 勝太)

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