最近キレイになった早稲女、プライド高すぎ慶応ガールのトリセツ
プレジデントオンライン / 2020年5月6日 11時15分
■面白くて美しい「ワセ女」の逆襲
学歴抜きの人間力が試される恋のバトルでは、早慶のどちらに軍配が上がるのか? 一般のイメージからすれば、オシャレでスマートな慶應が強そうだ。ところが、アンケート調査では、意外にも早稲田が男女で慶應を打倒した。
とりわけ、男性人気急上昇中なのがワセ女。アンケート結果を見ると、外見では、相変わらず慶應ガールに分がある。しかし、ワセ女は、「会話が楽しい」というイメージが強く、機知やユニークな発想といった内面が、男性から高く評価されている。大学生の生態に詳しいコラムニストのオバタカズユキさんも、ワセ女をこう絶賛する。
「かつてはダサい、男勝りで気が強すぎるといったネガティブな印象でしたが、いまは違います。自立していて、いい意味でサバサバしたタイプが多く、男子も付き合いやすいんですね。内面だけでなく、雑誌の読者モデルに選ばれるような、キレイな子も多い。学内のカップルも増えていますよ。もっとも、男子よりも大人で、優秀なので、ワセ女のカカア天下ですけどね」
ワセ女のレベルアップの背景には、「国際教養学部の新設などで国際化を進めたこと、それに、再開発でキャンパスが劇的にキレイになったことが大きいですね。それが、女子学生を急増させています」と、大学の入試事情に詳しい大学通信常務取締役の安田賢治さんは話す。
■「高嶺の花」として敬遠される慶應ガール
一方で、慶應ガールは、ブランド価値は高いものの、それが、男性には「高嶺の花」として敬遠されるようだ。オバタさんは、こう分析する。
「確かにキレイだし、応対も如才ない。でも、人目をやたら気にするので、話をしていても、ありきたりな模範解答しか返ってこない。つまらないんです。そのくせ、プライドが異常に高いので、ご機嫌を損ねないように、相手が神経をすり減らしてしまうんです」
オバタさんによれば、慶應ガールは「慶應ボーイ」とカップルになるケースが、「意外と少ない」らしい。というのも、慶應ガールは、「学生では物足りない」から。「カネも大人の余裕もある、エリート会社員と付き合うケースが、多いですね」(オバタさん)とのこと。絵に描いたような「ブランド人生」を好む彼女たちを満足させることは簡単ではないのだ。
恋愛では無敵と思われた「慶應ボーイ」が、あろうことか早稲田男子=「ワセ男」に惜敗した。
アンケート結果を見ると、「イケメンがより多いと感じる」のは、慶應ボーイだと、女性も認めている。「金銭的にゆとりがあると感じる」のも、慶應ボーイがワセ男を圧倒。この辺りの評価は、慶應ボーイに対して、世間が抱いているイメージとも一致している。
■ソツがなくつまらない「慶應ボーイ」の実像
ところが、内面の魅力については、慶應ボーイとワセ男の評価は、完全に逆転する。「会話をしていて楽しい」「合コンに来てくれたら嬉しい」のはワセ男が慶應ボーイを圧倒。この辺りは、ワセ女と慶應ガールの評価にも、通じるものがある。
慶應ボーイは、「学歴や外見といった条件は揃っているが、当たり障りがなく面白くない」と、女性たちに見なされているのだ。そして、総合評価の結果、女性が選んだのは、慶應ボーイではなく、「見てくれはパッとしないけど、人間味が豊か」なワセ男なのだ。女性が、恋人にも「外見やお金よりも内面」を求めているというのは、興味深い事実だ。
慶應生には、「社会人のOB・OGとのつながりが強く社会人予備軍としての能力が備わり、万事ソツがないが、深い話ができない。まるで企業の広報と話しているようです」(前出のオバタさん)といった特徴があるという。モテ度アップを狙いたい慶應ボーイは、表面的な処世術を身につけたりするよりも、内面を磨くことを心がけたほうがいいのかもしれない。オバタさんは、こうも指摘する。
「実は、イケメンでお金持ちといった典型的な慶應ボーイは、学内でもほんの一握り。ところが、慶應男子の多くは、そうした世間のイメージに引きずられ、背伸びをしています。ゆえに、外見ばかりを追求して、中身が伴わなくなるのでしょう」
慶應生は、そろそろ現実とはかけ離れた「慶應ボーイの虚像」と決別しなければいけない。慶應ブランドに頼らずとも人を惹きつけられる、「生身の人間力」を磨かなければ、早稲田の背中は遠のくばかりだ。「早稲田よりは上」という意識が慶應大学にはある。しかし、人間としての魅力という観点では、そうしたプライドは変化を迫られている。
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大学通信 常務取締役
1983年に大学通信入社。以来、大学をはじめとするさまざまな教育関連の情報を、書籍・情報誌を通じて発信。
コラムニスト
著書は『早稲田と慶應の研究』(小学館新書)などのほか、『大学図鑑!』(ダイヤモンド社)を監修。
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(ジャーナリスト 野澤 正毅 撮影=早坂卓也、石橋素幸)
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