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営業コンサルがあえて伝授「迷惑な営業電話を一発で撃退する"鉄板フレーズ"」

プレジデントオンライン / 2021年7月16日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

迷惑な営業電話をスマートに処理するためにはどうすればいいのか。営業コンサルタントの大塚寿さんは「大きく5つの種類に分けられる。それぞれ効果的な撃退方法がある」という――。

■旧態依然とした営業で若者をつぶすのは日本経済の損失

営業マンと営業を受ける側の企業との攻防は常にイタチごっこでしたが、長引く景気低迷(失われた30年)、インターネットの普及、個人情報保護法、働き方改革がそのゲームのルールを変え、ついに直近のコロナ禍でその攻防はさらに難解になったように見えます。

私は新卒でリクルートに入社し、営業のキャリアをスタートさせました。それから36年がたちましたが、特に新規開拓営業は右肩上がりにその難易度を高めています。

バブル期以前にもお客さまにとって迷惑な営業マンは山ほどいました。いわば“お行儀の悪い”営業マンです。飛び込みで受付をしゃがんで通過し、オフィスに潜入してしまったり、キーパーソンの自宅住所を調べて、日曜日に偶然を装って待ち伏せしたりする人もいました。敏腕営業マンほどそのようなやり方をしていました。

しかし、時代は変わりました。ゲームのルールが変わった最大の理由は、日本経済が成長期から成熟期になってしまったことです。成長期には気合と根性で成果を出すこともできました。そのいい時代を生きた人たちが管理職や経営陣になって、同じような営業スタイルを若手に押し付けている企業も散見されます。

もちろん、そうした企業の若手の離職率は高いのですが、せっかく夢を抱いて社会に出た若者が、旧態依然とした営業のやり方を強要されてつぶされているとしたら、日本にとっては大きな損失なのではないでしょうか。

■営業マンは「営業は断られたところから始まる」と考えている

そうした若者を救うために、自分に何ができるかを考えました。

これまで、営業コンサルである私の立場は常に営業マン側にありました。どうしたら売れる営業マンになれるのかを指導するのが私の仕事です。

しかし、その方法論の一部だけが切り取られて、すでに効力を失った“お行儀の悪い”営業を強いられ、営業のキャリアを捨ててしまう若者が少なくありません。

私の使命は、この令和の時代に成果を上げる営業方法を後進に伝え、「お客さまから迷惑と思われる営業マン」を減らすことに他なりません。

その目標達成のためには、まずはお客さまのほうに「迷惑な営業のかわし方」を徹底していただくことも必要と考え、本稿で迷惑な営業の手口とその対処法を共有することにしました。

最初に言っておきますが、新規のテレアポで「会議中です」「外出中です」と居留守を使って、かわしたつもりになっていても、ほとんどの営業マンは、気にせずに、戻り時間を聞いてくるでしょう。「営業は断られたところから始まる」のですから。

賢い営業マンたちは架電した時間を記録し、今度は曜日や時間帯を変えて電話してきますし、業界によって何曜日の何時頃が一番着席率が高いかも膨大なデータベースを蓄積して、割り出しています。

迷惑な営業マンは、簡単には撃退できないのです。そこで、ここではよくある迷惑な営業マンがやりがちな7つの手口とそれぞれの対処法を紹介していきます。

■テレアポ(代表受付、部門受付<ゲートキーパー>)での迷惑手口

①社名を名乗らない
電話
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokouu

これは某業界の営業マンの常套手段ですが、社名を名乗らず、個人名で電話してきます。目的は個人的な要件と幻惑させるためですが、もちろん多くの企業の受付電話マニュアルには「要警戒」の怪しい電話とされます。

対処法としては「どちらの○○様でしょうか?」と聞き返すこと。組織に属さない人物は港区の○○ですが、とか××の親族ですが……と応答するかもしれませんが、親族なら最初からそう名乗ります。

基本、こうした電話は取り次がないことです。

②用件を言わない

「人事の酒井部長お願いします」「人事の採用のご担当の方お願いします」と相手先の個人名があってもなくても用件を言わない電話も迷惑電話の可能性が高いので、必ず「どのようなご用件でしょうか?」と聞くに違いありません。

その返答が「ごあいさつ」「ご案内」「情報提供」のいずれかで、そのフレーズに「御社」「貴社」「取次先の個人名、役職名」がなかったら取り次がないようにしましょう。

■取り次がせようとする営業マンに使える万能テクニック

③「社長はいらっしゃいますか?」

100名以下の中小企業に対しては最初から社長をターゲットに営業を仕掛けてくる企業もあります。ちなみに、私がリクルートの現役時代は300名以下の企業に対しては基本的に社長にアプローチしていました。

もちろん、「社長はいらっしゃいますか?」などというトークは使いませんでしたが。

もし、「酒井社長いらっしゃいますか?」と言われたら、「どのようなご用件でしょうか?」と反応するとして、ただ「社長はいらっしゃいますか?」言われたら、基本、「外出中です」「会議中です」と居留守を使う企業が多いと思います。

ただ、迷惑な営業マンは「お戻りは何時頃になりますか?」と聞いてくるので、「どなたさまのご紹介になりますでしょうか?」という返答のほうが撃退率は高くなります。「申し訳ありませんが、こちらからはご紹介者のいない電話は取り次げない規則になっております」と言われるほうが、営業マンとしては困ります。

この方法は万能で、社長宛てでなくても「今度御社の担当になりました○○社の××ですが……」とか「○○代理店の……」と紛らわしい表現を用いる営業マンにも効果的です。

④「採用のご担当の方、お願いします」

アポ取り電話としては、このケースが一番多いのではないでしょうか。こうした営業電話に対しては、「弊社では、まずは資料をお送りいただいて、興味があるようでしたらこちらからご連絡させていただきます」という対応が主流になっています。

そうしたケースでは「どなたさま宛てにご送付差し上げればいいでしょうか?」と担当者名を聞いてくるので、「部門宛てで結構です」と応答しましょう。

実は、資料を送った後にフォローの電話をして案件化し、受注することもあるので、まっとうな企業は資料送付から再スタートします。ですが、中には「資料送付に受注なし」と、あきらめてしまうケースも散見されます。

■虫けらのように扱われることでたどり着いた正解

ここからは、代表受付や部門受付を何とか突破し、アポイントを取りつけたい相手にたどりついたケースです。受付突破できても、ここから営業マンにとっては一気に難易度が高くなります。

⑤「ごあいさつにお伺いしたい」「情報交換にお伺いしたい」「ぜひ、ご提案させていただきたい」

これらすべて定番フレーズですが、今時、そうした飛び込みの電話がかかってきたら、「時節柄、不要不急の面談は禁止されております」でいいでしょう。

ここでのポイントはこの言葉の後に相手の反応を待たずに、「スミマセン」と事務的に言って電話を切ってしまうことです。

正直に言います。

新規開拓の営業マンにとって、一番、へこむのはこちらが話している最中に電話を切られてしまうことです。「無視されること、無関心に扱われること」は実は怒られるより、つらいものです。

私はリクルートの新人時代、左手にガムテープで受話器を巻かれ、1日100本のアポ取り電話をしていました。営業トークや声色もいろいろと試しました。リクルートのトップセールスだけではなく、当時、日本で「営業が強い」という企業のトップセールス全員に会ってリアルな営業を見せてもらい、どうしたらニーズのある顧客からアポが取れるのかの正解を知りました。

なぜ、その正解にたどりつけたかは「ガチャ切り」や「虫けらのように扱われること」に腹が立ったからです。

人を邪険にするということは、邪険にしたほうも心中穏やかではないでしょう。しかし、ほとんどの人が仕事に追われているのに「ごあいさつ」に対応する余裕はないでしょう。

「ガチャ切り」は勧めませんが、「時節柄、不要不急の面談は禁止されております」と伝え、「スミマセン」の後に相手の反応を待たず、受話器を置くのはアリではないでしょうか。

「スミマセン」と謝罪していますし、こちらも自分にとってはどうでもいい話で、仕事を中断させられているのですから。

「ぜひ、ご提案させていただきたい」「5分でも結構なので」というゴリ押しもしかりです。

これが迷惑な営業マンがやりがちな「5つの手口」です。それぞれの対処法をぜひ参考にしてください。

■商談で観測される迷惑手口

ここからは「商談」での迷惑な手口を2つ紹介します。

①一方的な売り込み(プロダクトアウト型)系

商談で最も迷惑がられるのは、人の話を聞かずに一方的な売り込みをする営業マンです。そもそも「お困りごと」や「課題」、「興味・関心がどこにあるか」などお構いなしで、相手の課題やニーズに自社商材を絡めることすらできません。

それでも、役に立つ情報やヒントになる事例などが聞ければいいのですが、そうした話題もなく、ひたすら商品説明を続けてしまう……。

そうした営業マンをかわす方法は、時間の制約をつけることです。

つまり、そのまま商談を続けても時間の無駄と判断した時点で、「申し訳ない、○○さん、急な会議が入ってしまって……」と商談を切り上げてしまうのです。

その後、連絡があったら「他社で決まった」と告げてクローズにするのがスマートです。

営業マン側からすると「2回目訪問ができない」ということになるのですが、非常によくあるケースです。

■「For You感」のない営業マンは存在価値がない

②取りあえず、会えばなんとかなる系

客側の業界知識もなく、訪問先について知らずに、これといった準備もせずに商談に臨む営業マンも相手にとっては迷惑に違いありません。

大塚寿『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座』(日本実業出版社)
大塚寿『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座』(日本実業出版社)

迷惑というより「失礼」というべきでしょう。

私は「For You感」という言葉を使いますが、「御社のために」とか「○○部長のために」という意識が欠如した営業マンは存在価値を問われます。

その営業マンが担当する製品やサービスによって、お客さまがどんな恩恵を得るのかを分かりやすく伝えられない、「取りあえず会えばなんとかなる」と思っている営業マンは迷惑以外の何ものでもありません。

それをキッパリ伝えて逆恨みされるのも不本意でしょうし、場合によってはキズつけてしまう可能性もあるので、ここはフェードアウトするのがいいでしょう。

もう、会わなければいいだけの話です。

こちらも、営業マンからすると「2回目訪問ができない」ということになります。

以上が「迷惑営業マンの手口と撃退方法」になります。これらの営業手法は古い時代のやり方そのもので、今の時代に全く即していません。どうすれば忙しい営業先に話を聞いてもらえるのか、詳しくは拙著『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座』(日本実業出版社)をご覧ください。

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大塚 寿(おおつか・ひさし)
エマメイコーポレーション代表・営業サプリ監修者
1962年群馬県生まれ。リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修、営業コンサルティングを展開するエマメイコーポレーション代表。著書に、『リクルート流 「最強の営業力」のすべて』『法人営業バイブル 明日から使える実践的ノウハウ』『50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の正しい終わらせ方』(以上、PHP研究所)や、『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)など多数。

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(エマメイコーポレーション代表・営業サプリ監修者 大塚 寿)

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