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慶大卒・乃木坂46 山崎怜奈の頭をよくした入浴タイムの"ある習慣"

プレジデントオンライン / 2021年10月18日 11時15分

撮影=干川修

アイドルグループ乃木坂46の山崎怜奈さんは慶應義塾大学卒で、『歴史のじかん』(幻冬舎)という著書もある歴史通だ。小学生時代から本の虫で、書店や図書館に入り浸り、電子辞書片手にさまざまなジャンルの難しい本にも挑んでいた。自らの視野を広げ、関心のある分野をどう掘り下げるのか。『プレジデントFamily』編集部のインタビューに答えた――。

※本稿は、『プレジデントFamily2021秋号』の記事の一部を再編集したものです。

■「そんなに難しい本を……」先生を驚かせた乃木坂46 山崎怜奈

私の家は両親が共働きで、小学生のころから帰宅しても一人ぼっちでした。

話し相手も遊び相手もいなかったので、退屈になると近所の駅中にある2階建ての本屋さんにフラッと行っていました。そこで自分一人でも読めそうで、興味のある分野の本を見定めて買うのが、よくある平日の過ごし方だったと思います。

それから、親が仕事から帰ってくるまでの間が私の読書時間。読めない漢字を電子辞書で調べたり、わからないことをパソコンで調べたりしながら本を読み進めていました。

私を子供扱いしない親だったので「わからないことは自分で調べてね」と言われていましたし、携帯電話も小学2年生の時には、大人と同じものを持っていました。お金の管理も「電卓を買ってあげるから、自分でやりなさい」という方針でした。

本を買うお金は祖父母からもらった図書カード。誕生日プレゼントが毎年図書カードで、常にお財布に入っていたので、本屋さんでの買い物に困った記憶はありません。

こうした家庭環境だったので、本を選んで、自分で調べながら読むという習慣が自然と身に付きました。

もう一つ、私にとって読書とのつながりをつくってくれたのが、学校の図書室です。

小学生のころ、図書委員をやっていて、いろいろな本を読みました。歴史好きだったので、歴史漫画やヘレン・ケラーなどの偉人の伝記も読みましたし、灰谷健次郎さんの『太陽の子』なども時間をかけて読みました。

『太陽の子』は主人公のふうちゃんと沖縄出身の両親を描いた、戦争と戦後を扱った作品です。400ページ以上もあるので、先生に「そんなに難しい本を読んでいるのか」と驚かれた記憶があります。

『太陽の子』は戦争が過去のものとなったように見える戦後の神戸で、戦争の後遺症や記憶に悩まされる家族の物語です。

■歴史上の人物の「別の顔・裏の顔」を考察するのが好き

当時から一貫して、歴史に興味を持っていたのですが、なかでも私を引き付けたのは、その当時の人たちが悩んでいたことと考えていたこと、どのような生活を送っていたかという部分だったように思います。

山崎怜奈『歴史のじかん』(幻冬舎)
山崎怜奈『歴史のじかん』(幻冬舎)

人は1回の人生しか歩めないので、幼少期から俳優になりたいと思っていました。俳優になったらいろいろな人生を追体験できると思ったんです。私が人物に興味を持つようになったのは、そういった部分も関係しているかもしれません。

歴史好きといっても戦(いくさ)が好きな方やお城が好きな方、甲冑(かっちゅう)が好きな方と、さまざまだと思うんですが、私の場合は人物好き。

歴史好きが高じて、今年『歴史のじかん』という本を出させていただきましたが、「徳川家康はどっしり構えたメンタルが強い人という印象だけれど、実は幼少期に苦労をしたから、ひねくれている部分が政策からも見て取れるのではないか」といった歴史上の人物の別の顔、裏の顔について専門家の方と話したり、考察したりしています。

中高生時代は歴史の教科書をもう1冊買って、2冊持っていました。1冊は書き込み用で、人物の系図や趣味、人となりなどを書き込んでいました。

歴史は実在する生きた人たちの記録なのに、教科書にはそうした視点が抜けているのはさみしいなと思うようになったんです。

気になった人物については、伝記漫画・評伝、小説などいろいろな角度から掘り下げます。歴史漫画や伝記漫画であっても、出版社によって人物の描き方が違うので、読み比べて本当はどんな人だったのかなと想像してみるのも楽しいです。

今では移動中にKindleで本を読むことが多いですが、書き込み癖や調べ癖は変わっていません。

現在はラジオ番組のパーソナリティーを務めていて、ゲストに作家さんや大学教授の方が来てくださいます。専門家の方がいらっしゃる際には、事前の学習に気を抜けません。専門的な情報を理解するための知識も、うまくリスナーさんに伝えるための言葉も、土台をつくってくれたのは幼少期からの読書体験です。

あのころに、本に浸る時間がたっぷりあったことが、今の私の大事な部分を形づくっていると思います。

■乃木坂46 山崎怜奈流① 視野が広がる本の読み方

数珠つなぎ読みで多面的に促える

数珠つなぎのように、関連本や類似本を読んで知識を深めていくのが好きです。

小学生のころ『週刊そーなんだ!』というディアゴスティーニ・ジャパンから出版されている科学系の週刊分冊百科が好きでした。その本を読んで「宇宙」に興味を持ったら、図鑑を読んだり、宇宙に関する書籍を読んだりしてみるんです。次に宇宙飛行士に興味を持ったら、宇宙飛行士の伝記や宇宙研究の歴史のような本を読んでみてもいい。

気になる本をリレーするようにつないで読み進めていくと、一気に知識が深まります。自分が“気になる”という熱意のある状態で読んでいけるし、関連知識が頭に残っているから、少し難しめの本でもチャレンジできます。

数珠つなぎに本を読んでいくと、ときおり、かなり難しい本に出くわすこともあります。そうしたときは、少し簡単な本に数珠つなぎで戻るか、こだわらずに“ここまで来られたな”という気持ちとともに方向転換しちゃいます。

難しくて読めなかった本は読書好きの父にあげていました。父に代わりに読んでもらって、読み終わったら「どうだった?」って内容だけ聞いて知識を吸収するというやり方でした。

数珠つなぎ読みで一番追究したのが、日本の歴史に関する本です。小学生のころから「マンガ日本の歴史シリーズ」や伝記漫画も各社読んでいたんですけど、出版社ごとに出来事や人物の描き方が違っていて、そこがまた面白いんです。

「日本の歴史シリーズ」などの本
撮影=干川修

特に漫画によって見え方が大きく違うのは、徳川慶喜と明智光秀です。

徳川慶喜は徳川幕府を守ろうとした守旧派として描かれているものもあれば、大規模な内戦を回避して江戸幕府の幕を上手に引いた人物として描かれているものもあります。

明智光秀も、以前は怨恨(えんこん)や出世欲から主君に謀反を起こした自分本意な人物という評価の本が多かったのですが、最近は彼を取り巻くさまざまな状況の中で、致し方なく動いたという解釈の本が増えている印象です。

どちらの解釈が正解というのではなく、どちらの視点からも人物像を掘り下げていけるからこそ楽しいんです。今思うと、一方の面から見て物事を決めつけずに、多面的に見て判断することが重要だということをいろいろな本を読むことによって学んでいたんだと思います。

関連本を読み進めると、知識で頭がパンパンの状態になります。そんなときにはほかの人に話すと、整理されたり、定着したり、理解があやふやな部分がわかったりすると思います。

わが家の場合、幼少期に父とお風呂に入っているときに「その本読んでみてどうだった?」とか「何が面白かった?」とよく聞かれたのですが、答えていくと内容がすごく頭に残るんですよ。知識を入れるだけではなくて、出す場所をつくってあげることも大切かなと思います。

■乃木坂46 山崎怜奈流② もっと深く読む方法

難しいときはちびまる子ちゃんに戻る

初めて学ぶ分野のときは、なるべく心理的なハードルを下げてくれる本を手に取るようにしています。

クイズ番組に出させていただけるようになって、自分が動物や天気のことを全然知らないことに気づいたので、最近は図鑑を読んで勉強しています。美術図鑑とか動物図鑑とか、海の生き物図鑑とか。荒木健太郎さんの『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』などは読んでいてすごく楽しいですね。

図鑑は子供向けのイメージが強いですが、専門家の方が監修していますし、わかりやすく写真やイラストで説明してくれているものも多く、大人の私が読んでも十分知識が得られます。

また、子供向けの学習漫画なども初めて学ぶ分野の勉強に役立ちます。小学校低学年のころに、「ちびまる子ちゃん/満点ゲットシリーズ」を買ってもらったのですが、今読んでもとても良い復習教材です。

図鑑や学習漫画は専門家がその分野のエッセンスを凝縮した本ばかりなので、「簡易版なんて」とか「しょせん漫画でしょ」なんて決して馬鹿にできません。

クイズ番組の勉強は、乃木坂46としてのアイドルの活動や、テレビ・ラジオ番組の出演などの合間にしなければならないのですが、子供向けの図鑑などがあると手軽に広く学べるので助かっています。

山崎怜奈さん
撮影=干川修

幼少期には、ほかにも『おジャ魔女どれみ』のアニメが好きだったから「アニメの中に出てくる料理の作り方が出てくる本だよ」とレシピ本を買い与えられたこともありました。好きなアニメや漫画に関係しているというだけで、子供はがぜんやる気が出てきます。

読みながら親子でお菓子を作ったのですが、レシピの文章に出てくる漢字を調べながら、量も測りながら意外と勉強にもつながっていたと思います。勉強はどんな分野でも最初でつまずくと苦手意識を持ってしまうと思います。なので、易しいものから、無理のないレベルから始めるのは良い作戦だなと思って、自分の勉強にも生かしています。

大人の私も、小学生向けの本で学んでいます。苦手意識を持っているお子さんは、思い切って自分の学年より下の学年向けの本から手を付けることも、手段のひとつだと思います。わからない、難しい分野でも大丈夫。レベルを下げて2、3冊読めば、きっと克服できるはずです。

読書の習慣がなくて何から読んでいいかわからない子におすすめなのが、『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』といった短編集や『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』のような1ページ完結ものです。知っておくべき教養に触れることができますし、毎日ほんの少し読むだけというハードルの低さが魅力です。

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山崎 怜奈(やまざき・れな)
乃木坂46メンバー
1997年生まれ。歴史好きとして知られており、大河ドラマや歴史小説が好き。著書に『歴史のじかん』(幻冬舎)がある。慶應義塾大学卒

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(乃木坂46メンバー 山崎 怜奈 構成=本田創丸)

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