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「ネット断ちは意味がない」堀江貴文がSNSでストレスを感じたときに使う必殺技

プレジデントオンライン / 2022年2月26日 12時15分

実業家の堀江貴文さん - 写真提供=徳間書店

SNSはどう利用するのがいいのか。実業家の堀江貴文さんは「SNSは世界を変えた。使わないという選択肢はない。ただし、誹謗中傷などの問題もある。対話の通じない相手は躊躇なくブロックし、場合によっては警察に被害届を出す。機械的に処理したほうがいい」という――。

※本稿は、堀江貴文『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

■新型コロナワクチンの実用化もSNSのおかげ

SNSは世界を変えた。コミュニケーションのあり方を変えただけではない。

なにより大きいのは、情報そのものの質を変えたという点である。

SNSの登場以前は、情報の結びつきは「粗」だった。個別の情報は、あくまで個別の情報にとどまり、そこに有機的なつながりは生まれなかった。

それを一変させたのがSNSだ。個別の情報は、お互いに意味をもってつながり、「密」に、つまり有機的に統合されるようになった。その功績はまさに革命的だ。

たとえば今回の新型コロナワクチンはわずか1年足らずで実用にこぎつけられた。画期的な出来事である。SNSがなければそうはならなかっただろう。

SNSの歴史は浅い。ツイッター、フェイスブック、スマホの3点セットにより、事実上、日本でSNSが普及してまだ10年ほどである。

しかし、いまやSNSなしで暮らしを成立させるのは難しい。社会のさまざまなサービスがSNSを前提に設計されているからだ。

情報発信、情報統合、そしてコミュニケーションにおいて、SNSの利便は計り知れない。

あなたはそのSNSとどうつき合っているだろうか。

SNSを介したコミュニケーションにストレスを感じているひとも多いようだ。

SNSの浸透にともない、それは従来の性質を越えて、承認欲求やストレス解消を満たす場としてもにぎわっている。

そして周知のとおり、心無い誹謗中傷があちこちで飛び交っているのが現状だ。

■誹謗中傷でみずから命を絶つ人も…

ぼくのツイッターにはたくさんのフォロワーがいる一方で、そのぶん投げつけられる誹謗中傷も多い。ツイッターが普及しはじめたころからずっとその調子である。

実業家の堀江貴文さん
実業家の堀江貴文さん(写真提供=徳間書店)

いちいちかまっていられないので基本的には無視するが、目に余る投稿に対しては発信者情報の開示請求を行っている。場合によっては訴訟手続きも辞さない。面倒だがやむを得ない。まあ、ぼくはそれで済む。誹謗中傷には耐性ができている。

問題は、耐性のないひとに誹謗中傷が浴びせられるケースだ。

SNS上のちょっとした発言の揚げ足をとられ、集中砲火を食らう。

そこでなにか反論しようものなら大変だ。ここぞとばかりに火の手はさらに燃え盛る。そうやって袋だたきにあったひとが精神的に追い詰められた結果、みずから命を絶つような痛ましい事件も起きている。

だれもが被害者、あるいは加害者になる危険性をSNSははらんでいる。それは事実だ。そのような背景を受けて、デジタルデトックスを推奨するむきも一部である。

SNSの使用、つまりスマホの使用を一定期間断つことで、精神衛生の改善をはかろうというのだ。

■誹謗中傷する人と対話しようとするだけ無駄

しかしぼくは、デジタルデトックスにはあまり賛成できない。

今後、デジタル社会はさらに加速していく。

SNSは使わざるを得ない。ぼくらはSNSなしでは生きられない。SNSを手離すのは大きな損失だ。そもそも進化したテクノロジーに逆行するのは不可能である。

SNSを取り巻く問題を解決するうえで大事なのは「使う」「使わない」ではないだろう。「どう使うか」だ。どうリスクヘッジすべきかである。

ぼくに言わせれば、SNSで誹謗中傷をぶつけてくるひとは、文章力、読解力がいちじるしく欠如している。つまり文章が読めないのだ。皮肉でそう言っているのではなく、世のなかにはほんとうに文脈や行間をまるっきりとらえられないひとが一定数存在する。そのことをあなたにはまず知っておいてほしい。

であれば、あなたがとるべき態度はシンプルだ。

しつこくからんでくる相手はブロックする。目に余る言葉を投げつけられたら警察にしっかり被害届を出す。そうやってあなたのスタンスをはっきり固定しておく。

なにせ相手は言語能力を欠いている。対話で解決しようとするだけ無駄だ。

機械的に処理していくのが、SNSとストレスフリーでつき合うためのコツだ。

POINT
文章を読めない相手とはかかわるな

■誰だってネガティブになる

たしかな人生の指針があれば、なにがあってもネガティブな思考に吞まれることはない――。

そういう意味合いの言葉を、過去の多くの偉人たちが遺している。

でもぼくは、すんなり腹落ちしない。

人生の指針をいくら確立していたところで、重いアクシデントに見舞われれば、どうしたって落ち込む。ネガティブな思考におちいる。

そしてアクシデントは不可避だ。それをすべて一蹴できるほど、ぼくは強くない。超人でもないかぎりだれだってそうだろう。

なかでもいちばん応えるのは、信頼していた相手からの裏切りだ。

ぼくはかつての、いわゆるライブドア事件でそれをたっぷり味わった。

事件の直後、信頼していたはずの仲間の一部がマスコミに向けて、あるいは法廷において、ぼくを貶めるような、事実に沿わない発言を一方的に繰り返した。

ただ呆気にとられた。ショックだった。

■いまを楽しむために、諦めることも必要

なぜそのようなことをしたのか、彼らの本心はわからない。

でも彼らを恨んでいるかといえば、そうではない。

それどころか、べつにこれは強がりでもなんでもなく、まったく恨んではいない。

彼らの本心がわからないかぎり、ぼくにできることは「許す」という一点しかないのだ。

『海よりもまだ深く』(是枝裕和監督)という映画がある。

小説家志望の中年男が主人公だ。妻から愛想をつかされて離婚、愛しいわが子とも離れ離れ。それでもろくに定職に就かず、燻った日々を送っている。そんなうだつのあがらない中年男のささやかな物語だ。

あるとき、その男が部屋で物思いにふけっていると、年老いた母親が小さなため息を吐き、語りかける。

「なんで男はいまを愛せないのかね? いつまでもなくしたものを追いかけたり、叶わない夢をみたり。そんなことしていたら毎日楽しくないでしょ」

ひとはいまを生きなければ意味がない、ひとはいまを楽しむことしかできない、だからときに諦めることも必要なのだと、年老いた母親は息子に諭す。

ぼくは何事であっても諦めるのは嫌いだ。でもある種の諦観はもって生きている。

■過去や未来を気にしても意味がない

この世は諸行無常――。そう受け入れている。

すべては移ろう。刻一刻と流れゆく。

堀江貴文『最大化の超習慣「堀江式」完全無欠の仕事術』(徳間書店)
堀江貴文『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』(徳間書店)

ならば、過去や未来にとらわれても意味がないのだ。だれかを恨んでもなにも変わらない。

未来に向けて身をまかせるしかない。

ぼくの絶対的なストレスマネジメントになっているのはそうした心持ちである。ぼくには、いましかない。しかし、いまはある。

実業家の堀江貴文は、世間的には流れに逆らって生きているように映るかもしれない。しかし、まるで逆なのだ。

ぼくは流れにまかせて生きている。仕事も、遊びも、恋愛も、人間関係もそうだ。

みずから「こうしたい!」と乗り出したことはほとんどない。

結局それですべてうまくいっている。もちろん紆余曲折はあるが、すべては移りゆく。流れゆく。そしてそれが楽しい。

あなたも肩の力を抜いてほしい。

自分の意志を捨てろ、と言うのではない。

あなたにはあなたの流れがある。それは他人の流れとは無関係だ。

だいじょうぶだ。行き着くところに行き着く。なるようになる。なるようになってしまう。

だから、目のまえのことにただ没頭しよう。

POINT
すべては移ろう。流れに身をまかせよう

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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