1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

お金が貯まる人がコンビニでビニール傘は絶対に買わない代わりに毎回買う"意外な飲み物"

プレジデントオンライン / 2022年3月24日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/TAGSTOCK1

お金が貯まる人・貯まらない人は何が違うのか。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「自宅にビニール傘を何本も置いてある人はプチ浪費家の傾向があります。雨が降るたびにコンビニで購入してしまうのですが、一方であえて毎日コンビニで購入することで出費を抑えてお金を貯める方法もある」という――。

※本稿は、黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

■保冷剤がたまる家にお金は貯まらない

お金を貯めたいご家庭にとって大敵ともいえるのが、日々のちょっとした消費行動の積み重ね。ブランド品や高額な買い物をしているわけではないから、「これくらい使っても、大丈夫じゃない?」とついつい浪費を続けてしまいがちです。

しかし、1回が少額であっても、それが頻繁になるとかなりの金額になります。恐ろしいのは、そんな「プチ浪費」の習慣がほかの消費行動にも影響を与えてしまうこと。そんな「チリツモ消費」が家計に与える影響と対策について考えてみましょう。会社員の安藤和夫さん(仮名・40代)のご家庭もチリツモ消費が止まらない典型例です。

「専業主婦の妻は私が会社から帰る頃を見計らって、『今日は一生懸命、家事して疲れたからご褒美のスイーツ買ってきて』としょっちゅう連絡してきます。ショートケーキ、シュークリーム、モンブラン……。コンビニスイーツじゃ満足できないそうです。私は甘いものは苦手なので、妻と子どもの分だけ、乗り換えのターミナル駅のデパ地下で買います。惣菜を買うこともあり、そのたびに増えるのが、『保冷剤』です。ご褒美スイーツという名の浪費のたびにもらう保冷剤で冷凍庫は季節に関係なくパンパンです」

冷凍庫に、デパ地下やスイーツ店でもらった保冷剤がたまっているとしたら……もしかすると知らずに「プチ浪費」を重ねている証拠かもしれません。

■玄関に○○○○が数えきれないほどある家は要注意

もうひとつ、ありがちなチリツモ消費の事例をご紹介しましょう。会社員の井上俊さん(仮名・30代)はついコンビニでビニール傘を買ってしまうそう。

「それなりに高い傘でも、次第にさびるし、骨組みも壊れます。だから、ビニール傘を使い捨て感覚で使っています。梅雨の時期を中心に年6回は買っているはず。職場の傘置き場に置いておいて、みんなで共有しているような感じです。急に、傘が必要なときは他の人のものを拝借することもある代わりに、自分の傘がなくなっても文句は言いません」

ビニール傘は必要経費と言わんばかりの井上さん。購入する理由は「傘を持っていかない(携帯しない)」から。他にも、「天気予報を見て事前の準備をしなくてもいい」し、「バッグが折りたたみ傘でかさばらない」ということもあるのだといいます。

ビニール傘は、たかだか1本数百円。でも、その習慣は大きな問題を発生させます。こんなふうに行き当たりばったりで、何かあったら何でもコンビニで買えばいい、という消費行動が癖になってしまい、ビニール傘以外のものも、つい割高なコンビニで買ってしまうようになると、コストはかさむばかりです。

井上さんのように、利便性を重視して、コストが割高なコンビニを多用する人は多いのではないでしょうか? たしかに、コンビニは手軽だし、何でもそろっています。最近では、シングルの方や高齢者世帯に対応したお菓子や食料品、惣菜なども売られています。量が少なく余って捨てることもない一方、一商品当たりの価格は高い。ついカゴに入れてしまい、いざレジの会計で総額を見て驚くことってありませんか。

■保冷剤やビニール傘がたくさんある家がとるべき対策

では「チリツモ消費」をやめるにはどうしたらいいでしょうか?

これについて対策法はおもに2つです。ひとつ目は、「チリツモ消費の誘惑のモトを断ち切る」こと。

つまり、安藤さんの場合、スイーツは買わない、井上さんの場合、コンビニに入らない、ということ。これは、カンタンかつ非常に効果的です。しかし、いささか極端な解決法でもあり、安藤さんの妻が“暴動”を起こすかもしれないし、井上さんもまったくコンビニに入らないというのも困るでしょう。

黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)
黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)

そこで、対策法の2つ目として挙げられるのが、ここまでならOKという「リミットを設けて計画的に利用する」という方法です。安藤さんの事例は、妻がコンビニスイーツでは満足できないとのこと。人間は、贅沢に慣れてしまうと、それでは物足りず、もっと良いモノ、素晴らしいモノへと欲求や要求がエスカレートしていく傾向があります。

止められないのであれば、家計と相談の上、「デパ地下スイーツは月2回まで」など、上限を設けるという方法が妥当でしょう。

また井上さんの事例についても、現在持っているビニール傘の本数を確認することで、リミットを意識できるようになるはずです。

◎ 「保冷剤」「ビニール傘」はプチ浪費の証拠。生活習慣を見直す
× 見ないふりして、プチ浪費を続ける

■1週間に最低3回は「無買デー」を設ける

FPというお金の専門職に就いておきながら、実は困窮していたり、借金まみれでは、さすがにお客さまからの信用はガタ落ちでしょう。といっても、タワーマンションに住んで、ブランド品に身を固め、高級車を乗り回すといったリッチな生活をしているわけでもなく、私自身、自分の価値観や身の丈に合った生活を心がけています。

「食」に関しても、こだわりはあまりないタイプ。外食はほとんどせず、デパ地下や高級スーパーなどで食材やお惣菜を買ったりすることもありません。近所のスーパーなどで済ませます。

少し違う点があるとすれば、「買い物の回数は極力減らす」というマイルールがあることでしょうか。コロナ禍で外出自粛が推奨されたこともあり、1週間に最低3回は「無買デー」を設け、家計簿をつける手間と時間を節約しています。

また、基本的に、買い物には、車でなくママチャリで行きます。両手はハンドルを持った手でふさがるため、必然的にカゴの中に入る量しか買い物できません。肉や野菜、牛乳、卵といった必要最低限の食材をカゴに入れると、もうジュースやお菓子など嗜好品が入る余地はなく、無駄遣いも抑えられます。ガソリン代も節約できるし、運動にもなって、まさに一石二鳥です。

買い物かごを持つ女性の手元
写真=iStock.com/Moyo Studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Moyo Studio

■節約で浮いた分を運用してお金がお金を生むシステムを

では、そうして浮いたお金をどうしているのか。節約の結果、月々の予算のうち手元に残ったお金を他のものに消費しても良いのですが、お勧めするのは、手元に残ったお金をできるだけ増やしてそれを運用することです。

仮に、1万円を年5%で複利運用すると、翌年には1万500円、翌々年には1万1025円、10年後には1万6288円と、利子が利子を生むことで段階的にお金が増えていきます。

「複利こそ人類最大の発見である」というのはアインシュタインの言葉ですが、この低金利時代に、複利をさらに強固にするためには、できるだけ多く元本を増やすことが重要。モノを買いたければ、そこから得た収益(配当や譲渡益)でまかなえば良いのです。元本に手をつけなければ、継続的に一定の収益が得られます。

そのために節約第一と考えると、普段の買い物など、なるべく売値の安いスーパーで購入するべき。でも、私は、あえて“あるモノ”だけは、コンビニで購入しています。

■「単価が安くてもまとめ買いすべきでないモノ」とは?

その“あるモノ”とはお酒。購入単価の観点では、売値の安いスーパーや通販サイトなどでまとめ買いするのが正しい選択でしょう。ただ、お酒が大好きな私にとって、お酒は我慢するのが難しい飲み物。1本飲んでしまえば、ついついもう1本と手が伸びてしまいがち。まとめ買いだと、「たくさんあるからもう1本」となることは容易に想像できます。

となると、いくら購入単価が抑えられても、結果的に多くのお金を失いますし、深酒すれば、翌日のパフォーマンスにも支障が出て、健康面にもよろしくありません。そのため、お酒だけは多少割高でも最寄りのコンビニで、そのときに飲む分だけを購入するようにしています。先ほど「コンビニは購入単価が高くなる」と書きましたが、あえて購入単価の高さを逆に利用して買いすぎ・飲みすぎを防ぐという考え方です。

グラスにビールを注ぐ
写真=iStock.com/YvanDube
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/YvanDube

お酒を飲まない人なら、スイーツがそれに該当するかもしれません。手元に甘いものがあれば食べ過ぎてしまう人は、コンビニで都度買いをしたほうが結果的に食べ過ぎを防げ、健康にも節約にも効果的です。毎日、高級カップアイスを1つ食べるのを楽しみにしていた人が、経済的だからと大きなバーレルを購入。体重は増え、財布は軽くなりました。

一人暮らしの場合も、コンビニは悪くない選択肢です。三食すべて自炊にするなら、割安なスーパーで買い物をしてやりくりするのがベスト。しかし、飲み会が続いて食材を腐らせたりすることが一人暮らしでは起こりやすくなります。こうしたリスクを考えると、多少割高でもコンビニの“おひとりさま”サイズの食材やお惣菜は強い味方でしょう。

値段は大切ですが、値段にこだわりすぎると、時間やそれ以外の大切なものを無駄遣い

することになるというお話でした。

◎ 嗜好品は、やや割高でもコンビニでその都度買う
× つい手が伸びるお酒やスイーツも、購入単価にこだわりまとめ買いをする

----------

黒田 尚子(くろだ・なおこ)
ファイナンシャルプランナー
CFP1級FP技能士。日本総合研究所に勤務後、1998年にFPとして独立。著書に『親の介護は9割逃げよ「親の老後」の悩みを解決する50代からのお金のはなし』など多数。

----------

(ファイナンシャルプランナー 黒田 尚子)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください