毎日、同じワンピースだけ着る…ジョブズがやっていた「私服の制服化」を女性が実践してみた驚きの結果
プレジデントオンライン / 2022年9月11日 11時15分
※本稿は、あきやあさみ『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
■制服化のメリット①忙しい朝にゆとりが生まれる
制服化(*ファッションをパターン化して「少ない服」で制服のように着回していくこと)すると「何を着ようか考える時間が短くなる」というのが大きなメリットです。
一度徹底的に考え抜いてしまえば、あとは同じ服や似たパターンの服を着るだけなので「考えなくてはいけないこと」がひとつ減ります。
アップルの創業者、スティーブ・ジョブズやフェイスブック(現メタ)の創業者マーク・ザッカーバーグも制服化していたことで有名です。彼らは「何かを生み出すために、同じ服をずっと着ている」のです。「日々の決断の回数を減らして本来やるべきことにベストな状態に臨むため」だと言われています。
私は毎日必ず夜に洗濯をして、朝、乾いた服をそのまま着ています。選ぶ服は、自分が生活する上でのほとんどのTPOに合うように厳選しているので、どこに行く日も、誰と会う日も同じ服で行きます。朝の忙しい時間に余裕ができるので、ゆっくり朝食を食べたり、しっかり仕事の準備ができたり、丁寧にメイクができたりと、時間を有効に使うことができます。
■制服化のメリット②余分な出費が減る
制服化ではひとつひとつの服を選び抜いていくので1アイテムあたりの単価は上がることが多いのですが、たくさんの服や雑貨を持たなくてもいいので余分なお金はかからなくなります。目的は「毎日違う服を着ること」ではなく、「毎日心地よく自分らしく過ごすこと」です。この生活に慣れてくると、たくさんの服が必要だと思わなくなります。
自分で手入れできる服しか選ばなくなると、毎回クリーニング屋さんに行く必要がありません。クリーニングを利用する手間やコストが省けて時間とお金の節約にもなります。今まで毎週クリーニング店に通っていたというお客さまから、「風邪をひいた日も、雨が降った日もクリーニング店に通わなくてはいけないと気を張っていたので、やっと肩の荷が降りました」と言っていただきました。制服化をすることで時間とお金だけでなく、「クリーニング屋さんに行かなければ」というプレッシャーからも解放されたそうです。
■制服化のメリット③部屋が広く、快適になる
たくさん服を買ってしまうという方は、部屋が服で溢れがち。私もかつてはクローゼットがいつもパンパン、大きめの衣装ケース10個が常に服でぎゅうぎゅうの状態でした。
衣装ケースはクローゼット内におさまらず生活スペースを侵食し、ただでさえ狭いひとり暮らしのワンルームがより窮屈に感じるほどでした。備え付けのクローゼットも小さいので服がすぐに取り出せないほど詰め込まれてしまっていました。
今では制服化をして服の数を絞ったことにより、「小さなクローゼットでも1年分の服が見やすく取り出しやすい」状況になりました。決まったクローゼット以外に服を入れる必要がなくなると部屋を広々と使えるようになります。服を減らすことにより、「居心地の良い帰りたい部屋」になりました。
■制服化のススメ「まずは1セット作ってみる」
「制服化」というと、シンプルな服だけを揃えて、色はモノトーンで……と想像しがちです。白いTシャツに黒いパンツ・洗える素材、飾りもなく、そっけないもの。しかし、「私服の制服化」はシンプルである必要はないのです。自分の制服は自分で決めていい。お客さまの中には「ピンク色のトップスにピンク色のスカートしか着ない」という方もいらっしゃいますし、「着るのは柄ワンピースだけ」という方もいます。自分の好きなものは自分が一番よく分かっています。「本当に気に入った服」だけを制服化することは、とても気分がいいことなのです。
そうは言っても、毎日「色もの」や「柄もの」だけで生活するのは不安だなと思う方もいらっしゃると思います。「毎日同じ」だと分かりやすい服を着ていると職場や学校で少し居心地の悪い思いをする方もいるかもしれません。そんなときはまず「自分に一番似合うと思う色やアイテム」でシンプルな1セットを作ってみましょう。
会社に行くとき、帰省するとき、友人と会うとき、デートに行くとき、レストランに行くとき、コンビニに買い物に行くとき。どんな「場面、会う人、状況、目的」にでも合うものを突き詰めると「できるだけ上品で上質でシンプルなもの」に辿り着きます。コンビニに「きれいな服」で行くことはできますが、大事な仕事の場面に「リラックスウェア」で行くことは難しいからです。
もちろん「自分で選んだシンプル」なので人と同じになることはありません。だって顔も体型も性格も将来したいことも、みんなそれぞれ違うのですから。出来上がった「制服」は人によって全然違います。みんな違ってみんないい。とても面白いのです。
■「制服化」でQOLがアップする理由
私は毎日「自分で選び抜いたとても気に入っている服」を着ています。少しでも気に入らなかった服や、自分のライフスタイルに合わなかった服は潔く手放すようにしています。バリエーションをたくさん持たなくても、着回しがたくさんできなくても心からのお気に入りに囲まれると、とても気持ちがいいものです。
今まで毎日朝に服を決めていました。コーディネートが決まらないと何回も着替え直して朝ごはんを食べる時間がない日もありました。特に靴選びを間違えると、駅まで行ったけど気に入らなくて一度家に帰る……なんてこともありました。バッグや靴まで「制服化」をして決めることで悩む時間から解放されてゆっくりした朝の時間を過ごせるようになりました。
■手入れが大変な服は持たない
「毎日同じ服を着ている」というと必ず聞かれるのが「衣服のお手入れはどうしているんですか?」という質問です。実は私は、衣服の手入れが大の苦手。本来であれば、「ドライクリーニングにこまめに出す」「優しく手洗いする」というのが生地を傷ませないためには最良の方法だと思うのですが、少ない服で過ごしているからにはそうも言ってられません。ひとつの服を毎日洗ってたくさんの回数着たいので、どんなにデザインが素敵でも、自分で手入れする自信がない服は選ばないようにしています。
制服化に目覚めてからは、できるだけ「ズボラに扱っていても長持ちする服」を選ぶようになりました。縫製がきれいなものや生地にコシがあるものを選んだり、ポリエステル100%のものを選んだりとコツはあるのですが、一概に「○○だから傷みにくく長く使える」とは言い切れないのが難しいところです(高価だから生地が強いというわけではないのです)。
見極め方が難しい! という方は思い切って店員さんに「毛玉ができにくいニットはどれですか?」「洗っても生地が傷みにくいのはどのブラウスですか?」と聞いてしまうのがおすすめです。店員さんはそのブランドの服を毎日着ているので、「この服だったら長持ちする!」というのをよく知っています。メリットとデメリットをきちんと説明してくれるブランドは信用できますし、長くお付き合いができます。私も服を買うときは必ず店員さんに聞いて、手入れが楽そうな服を買うようにしています(この方法で洗濯に失敗することが格段に減りました)。
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一年3セットの服だけで生きる。1985年、東京生まれ。2008年、日本女子大学家政学部被服学科卒業後、都内百貨店に入社。パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経験後、2018年に退社しファッションスタイリストとして独立。独特のファッション論を情熱的に語るnoteが話題となる。
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(制服化スタイリスト あきや あさみ)
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