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ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正 -「飽くなき成長志向」その先にはM&A

プレジデントオンライン / 2012年8月5日 11時0分

PANA=写真

ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正(やない・ただし)
1949年生まれ。早稲田大学卒。72年小郡商事(現ファーストリテイリング)入社。73年専務取締役を経て84年社長。2002年に社長職を退き会長に就任。05年に社長復帰し現在、会長兼社長。


カジュアル衣料ユニクロを手掛けるファーストリテイリングが2年ぶりに過去最高益を更新しそうだ。厳冬の影響で、消臭や保温機能に改良を加えた機能性肌着「ヒートテック」が好調。中国や台湾、韓国を中心とした大量出店で海外事業も大幅増収となり、2012年8月期の連結売上高は9295億円(前期比13.3%増)、純利益は790億円(同45.3%増)を見込んでいる。柳井正会長兼社長の目標は「服を変え、常識を変え、世界を変えていくような世界一のカジュアル企業をつくる」こと。20年に売上高5兆円の達成を目指す。

父親が経営する小郡商事(現ファーストリテイリング)に入社した柳井氏は、1984年にユニクロ1号店を広島市に出店し同年社長に就任。99年に東証1部上場を果たし、フリースでユニクロブームを巻き起こす。02年に当時副社長だった玉塚元一氏(現ローソン副社長)を社長に抜擢するが、05年に社長に復帰した。玉塚氏の安定成長志向に「満足できなかった」としている。

現在、柳井氏の抱える経営課題は2つ。一つは国内でヒートテックに続くヒット商品を生み出すこと。今期は冬物こそよかったが12年3~5月期は減収減益。「売上高が予想より100億円下回った。気温が上がらず夏物商品の動きが鈍かった」(幹部)。秋から冬にかけ斬新な商品を投入し挽回できるかどうかが焦点だ。

もう一つは海外でのM&A。成長を続ける同社だが、残り8年で4兆円以上の増収を自力で達成するのは困難だろう。07年に米高級百貨店チェーン「バーニーズ・ニューヨーク」の買収を図り、結果的には中東の国営投資会社に競り負けたが「柳井氏は海外の大型買収を常に考えている」(メガバンク幹部)という。

(入江 近 PANA=写真)

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