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これの有無で「いい医者か」がわかる…医師・和田秀樹「医院の待合室で真っ先に確認すべき"備品の種類"」【2023上半期BEST5】

プレジデントオンライン / 2023年8月7日 7時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/imaginima

2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。健康部門の第5位は――。(初公開日:2023年4月19日)
高齢者がかかりつけ医を見つける際の注意点は何か。医師の和田秀樹さんは「いい医者を選ぶためには、患者や衛生への配慮も重要なポイントの1つだ。医院の待合室に着いたら、空気清浄機や加湿器が待合室にあるかどうかを確認した方がいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『80歳の壁[実践篇]幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

■「少し、様子を見てみましょう」という医者はNGな理由

高齢になるほど、医者にかかる回数が増えるので、「かかりつけ医」との相性がより重要になります。

医者を選ぶ際、最も重要なことは、学歴でも肩書きでもありません。「こちらの話をよく聞いてくれるかどうか」です。

患者の話をろくに聞かず、パソコン画面をのぞきこみ、検査数値ばかり見ている医者や、自分の診断に執着して、患者の訴えに耳を傾けず、治療法を押しつけてくるような医者にかかると、寿命を縮めかねません。

たとえば、あなたが、処方された薬を飲むと、体がだるくなるので、医者に相談したとしましょう。そんなとき、ろくに取り合ってくれず、同じ薬を出し続けるようなら、そんな医者のところに通うのは、やめたほうがいいでしょう。

また、そんな訴えに対し、「少し、様子を見てみましょう」という医者もNGです。言葉はやさしくとも、自分の治療方針を押し通すという「結果」は同じだからです。そういう医者は、おそらく他の治療法を知らないのでしょう。そのため、「医者用の虎の巻」の最初のほうに書いてある治療方法に固執するしかないのです。

■いい医者かどうか判定するために、ひとつ「クレーム」をつけてみる

一方、経験豊富な臨床医は、患者の話によく耳を傾けるものです。とりわけ、高齢者は、個人差が大きいため、同じ薬を飲んでも、よく効いて副作用もない人がいる一方、あまり効かないうえ、副作用ばかりが出るという人もいます。

経験豊富な医者は、そういうことを痛いほど知っているため、全身を耳にして患者の訴えを聞くのです。少なくとも、患者が「この薬、体がだるくなるんですが……」と訴えれば、並以上の医者なら、「では、別の薬を試してみましょう」となるはずです。

そこで、かかりつけ医の力量を「診断する」ため、何かひとつクレームをつけてみるといいでしょう。薬の副作用に関することでもいいですし、包帯の巻き方がきつくて痛い、といったことでもOKです。そうした訴えに対し、即座に改善しようとするのがいい医者です。

また、医者に最初にかかるときは、医者が何をどのように尋ねてくるか、患者側からも医者をよく「診察」しましょう。

初診の際、医者が口にする質問は、どの診療科でもほぼ同じで、「どうしたんですか?」に始まり、「いつから」「どんなふうに」「どんなときに」「どの程度」「その他には」と続くものです。

そのような基本的な問診さえおざなりにする医者は、「ヤブ」とみて間違いありません。そんな医者に当たったら、別の医者を探したほうが賢明です。

■電話応対、空気清浄機・加湿器の有無をチェックする

その他、「かかりつけ医」を選ぶときに、注意したい点をまとめておきます。

まずは、当たり前のことですが、「通いやすい医院」を選ぶことです。通院にかかる時間に加えて、待ち時間や駐車場の様子も判断材料にするといいでしょう。

「評判がいいから」「知人にすすめられたから」といっても、通院に時間がかかる医院は避けたほうが賢明です。通うだけで、疲れてしまいます。

そして、さほど苦労をせずに通えそうな医院に目星をつけたら、足を運ぶ前に、まずは電話を一本かけてみることです。そして、電話応対の様子を調べるのです。質問することは、「駐車場の様子」や「何時頃、すいているか」などが無難です。

そんな質問に対して、応対がぞんざいな医院は、やる気がないか、人手不足で電話をとるのも大変という状態でしょう。ともに、避けたほうが賢明です。

そして、医院に着いたら、待合室に、空気清浄機や加湿器があるかどうかを確認します。それらは、院内感染を防ぐため、必需品といっていい備品です。

リビングルームに置かれた家庭用空気清浄機
写真=iStock.com/ArtistGNDphotography
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ArtistGNDphotography

見当たらないようなら、感覚が古く、配慮の足らない医院とみていいでしょう。むろん、清潔で整理整頓が行き届いているか、働いている人がハツラツとしているかなども、合わせて観察してください。

そして、診察室に入ったら、患者側からも医者をよく「診察」しましょう。繰り返しになりますが、いちばんのポイントは、患者の話をよく聞くかどうかです。

とりわけ、高齢者に対しては、多少心得のある臨床医なら、「過去の病歴」を詳しく聞くものです。

そして、医者が治療方針や薬について、きちんと説明するかどうかも患者側からの「診察」のポイントになります。

そしてそれ以上に大切なのは待合室の患者さんの様子です。患者さんたちが元気であれば患者に合わせ適量の薬を出す医者、そうでなければ薬を出しすぎる医者だと考えられるからです。

以上のことは、「歯科医」を選ぶ場合も同様です。さらに、歯科医の場合は、「保険治療と自費治療」について詳しく説明をしてくれるかどうかも、重要な評価のポイントになります。

■手術件数が多い病院を調べ、選択する

では、手術を受けるような大病を患ったとき、「病院」はどうやって選べばいいのでしょうか? これは、まずはパソコンを立ち上げて、各病院のホームページ開き、「治療実績」(過去1年間の手術件数など)を調べることです。

そして、あなたの患っている病気の治療経験が豊富な病院を探しましょう。これは大事なことなので、パソコンが苦手な人は、家族らに手伝ってもらって調べるといいでしょう。

近ごろは、多くの病院がホームページで、実施した「手術件数」を公表しています。もちろん、手術件数が多い病院ほど、その手術に習熟していると判断できます。

医療業界では、数多くの手術を行っている病院を「ハイボリュームセンター」と呼び、「ハイボリュームであるほど、手術成績がいい」ことを示す論文もあります。

和田秀樹『80歳の壁[実践篇]幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎新書)
和田秀樹『80歳の壁[実践篇]幸齢者で生きぬく80の工夫』(幻冬舎新書)

最近では、全国の病院の治療実績や手術件数を一覧できるサイトもあるので、それらを使うと、手早く探すことができます。そうして、目星をつけた病院の治療実績をチェックし、できれば医者ごとの手術件数も調べます。

たとえば、心臓外科では、「年間200例以上の施術」が名医と呼ばれる条件とされます。一方、治療実績が少なかったり、公表していない病院は、要注意です。手術を受けるのは、避けたほうがいいと思います。

そういった視点でみると、他病院からの紹介が多い病院は比較的信用できます。ただ高齢者の場合、手術が好きな医者はかえって害になることも多いので、そこは注意して、うまく見極めたいものです。医者の食べログのような口コミサイトができるといいのですが。

そうして、病院を選び、担当医が決まったら、外来を担当している医者が、執刀してくれるのかどうか確かめておくといいでしょう。実際に手術を行う医者が、外来も担当していれば、患者の質問に対して、より的確に答えられるからです。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

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(精神科医 和田 秀樹)

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