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ごく普通の人でも「個人で起業」は必ずできる…50歳からの副業を成功させる鉄板ルール「6つのない」とは

プレジデントオンライン / 2023年8月20日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/visualspace

50歳から副業を成功させるには、どうすればいいのか。米国公認会計士の午堂登紀雄さんは「どんな人もビジネスのネタを持っている。そのネタを、人が欲しがる商品、サービスに仕立てることができれば副業になる。ポイントは顧客ターゲットや分野を絞り込むことだ」という――。

※本稿は、午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■誰でも「副業」のネタを持っている

どんな人でも、30年以上生きていれば必ずビジネスのネタになる素材を持っているものです。

パソコンスキルは普通レベルであったとしても、それをたとえばお年寄りに教えるというのであれば、ニーズがあるかもしれません。つまり、ちょっと視点を変えて「人が欲しがる商品・サービスに仕立てる」「それを欲しがっている人に提供する」ということです。

人の得意領域や好きなことが、何の加工もせずそのまま商品として売れることはめったにありません。素の状態で売れる技術というものは、たいてい上には上がいるし、ライバルも多いもの。そこに参入して勝てるのは、それこそ超がつくプロ級の人くらいでしょう。

私の妻がやっていたピアノの世界でも、ショパン国際ピアノコンクールやチャイコフスキー国際コンクールなど、世界的権威のあるコンクールで入賞するくらいの腕前でなければ、「ただピアノが上手に弾ける」というだけで需要などほとんどありません(これすらも登竜門にすぎず、優勝してもその道では食べていけない、という人も少なくないそうです)。

私たちは素人であり三流です。そんな人間が提供する商品でもお金をいただけるようにするには、ちょっと頭をひねる必要があります。

市場やターゲットを狭く絞り込む、見せ方や売り方を工夫するなど、素材を料理する「商品化」という作業をすることです。

■大手が参入しないニッチを狙う

ビジネステーマが決まったときに考えなければならない重要なことは、顧客ターゲットや分野を狭く絞り込むことです。これにはメリットがあり、個人でも参入しやすく、そして競合に対して独自色を出して差別化しやすいからです。

たとえば、自分は英語が得意だから英会話スクールをやろうとしても、大手中小含めて英会話スクールは競合がたくさんあり、大資本が派手に広告宣伝をしています。

あるいは、ピアノが得意だからピアノ教室といっても、ヤマハやカワイなどが全国展開しており、地元には古くから個人の教室が散在しています。

こういったマーケットで勝つ(安定的かつ継続的に集客していく)のは容易ではありません。

しかしたとえば、「ビジネスパーソンのための、英字新聞や英語雑誌がスラスラ読めるようになるスクール」とすればどうでしょうか。

大手企業はマーケットの大きいところに参入します。つまり日常英会話・ビジネス英会話・TOEICといった、誰でもわかりやすい市場は、当然ながら大手企業が参入しています。それに、大手はハイレベルな講師も擁しており、クオリティ面で差をつけることも難しい。

でも、英字紙読解に特化したスクールは多くはないはず。「英語文献の読解」「世界の情報収集」に興味がある人にダイレクトに届く可能性が高いということです。

また、主婦や学生ではなくビジネスパーソンなら、多少は単価が高くても受講料を払う余裕があるはず。それに、英会話が必要なビジネスパーソンは多くなくても、英語文献を読めることは情報収集という点からもニーズを掘り起こせるかもしれない、と考えることができます。

ホワイトボードの前で講義をする女性講師
写真=iStock.com/Promo_Link
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Promo_Link

■大量に顧客を獲得する必要はない

ピアノ教室も、たとえば「英語でレッスン」とか「3歳から5歳までの音感教育専門」などと謳うことで、競合との差別化が可能となります。

個人でやる小規模ビジネスの場合、企業のようにオフィスの賃料を払ったり、従業員に給料を払ったり、人事・総務・経理といったバックオフィス部門の人件費などは発生しません。つまり大量に顧客を獲得しなければやっていけないわけではないので、市場規模が小さくても問題ない。

むしろ、セグメントを狭く絞り込めば、そのマーケットの小ささゆえに、大手企業が参入してくる可能性は低く、競争も激化しにくくなります。さらに、顧客ターゲットをより細かく特定すれば、そこにズバリ当てはまる人に振り向いてもらいやすいと言えます。

■コストをかけないビジネスを意識しよう

個人のビジネスで大事な点は、リスクをできる限り最小限に抑えてスタートすることです。再起不能な大損をこいた、ということになっては、私のような者には家庭崩壊につながりかねないですからね。そこで、重要なポイントを抜粋してご紹介します。

オフィスを借りない

業種業態にもよりますが、最初はできるだけ自宅や安価なシェアオフィスからのスタートがいいと思います。

なぜなら、オフィスは基本的に収益を生まないからです。売上が見えるまでは、家賃という毎月の固定費がかかるリスクは避けたい。そこで、打ち合わせはカフェやホルのラウンジを使う。必要ならば、今は格安なレンタル会議室が数多くあるので、それを利用すればいいだけ。

顧客や取引先の信用が落ちるのでは? と不安になるかもしれませんが、自宅マンションの一室でエステサロンを開業している人も多く、それでも儲かっている人もいるので、気にする必要はないでしょう。

人を雇わない

人を雇うと、アルバイトなら時給が、社員なら給与と社会保険料が、そして交通費などが、成果や売上とはなんの関係もなくかかってきます。

当然、マネジメントしなければならないし、勤務場所も確保しなければならないかもしれない。私の知人には「従業員にお金を持ち逃げされた」という人がいて、こんな心配もしたくないですよね。

だから基本は雇わないで自分一人でスタートする。従業員を雇うのは、こうした負担よりもメリットのほうが大きいと感じるようになってからがよいでしょう。

借金をしない

いきなり借金はしないで、全額自己資金でスタートすることです。

理由は簡単で、事業がうまくいっているときは問題ないですが、そうでないときは非常に苦しくなるからです。

借金をすると、仮にうまくいかなかったとき、事業をやめてもコツコツと返済していくか自己破産申請などをしなければ、借金はなくなりません。これは自分を縛る足かせになります。でも借金がなければ、やめても単なるゼロですから、またすぐに再起できます。確かに自己資金だけでは、やれることは限られますが、資金繰りを気にせずじっくりと事業に専念できます。

また、同じ理由で、出資なども受け入れないほうがよいでしょう。誰かにお金を出してもらうと、出資者という他人の指図を受けることになるからです。これでは自由と逆行してしまいます。

在庫を持たない

在庫とは、お金を払って仕入れた商品のことです。だから売れるまでは資金が寝ている状態で、もし売れ残れば不良在庫となり、資金を失うことと同じです。

さらに保管場所を必要としますから、たとえば別に倉庫を借りようとすれば、賃借料もかかります。なくなったり破損・汚損しないよう在庫管理も必要でしょう。これも負担になる。

そこで最初は、無在庫でできるビジネスをやるか、在庫リスクをなくす方法を考えたほうがよいでしょう。

たとえば注文を受けてから商品を作る、受注生産方式にするとか、データで管理・販売できる商品にするとか。

事務用品を最初から揃えない

自宅兼オフィスで、たとえば私がやっているようなコンサルティングやマッチングビジネスであれば、名刺と複合機1台あれば十分。そして、本当に必要になってからひとつずつ買えばいいでしょう。

FAX・スキャナー・プリンターが一体になった複合機は、安いものなら2万円程度で買えます。大量の印刷物があれば、格安印刷業者がたくさんいますしね。電話も固定電話はやめて個人の携帯電話でOK。ネット主体のビジネスなら、やりとりは基本的にメールなので、まったく問題ありません。業種業態にもよりますが、オフィス同様、ツールそのものも収益を生まないのですから。

法人を作らない

起業するとは法人を作ること、と考えている人もいるかもしれませんが、法人設立と事業の成否とは、基本的に何ら関係がありません。法人はただの器です。

午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)
午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)

それに昔と比べれば、個人とは取引しないという企業は少なく、個人客も気にしない人が多いので、あえて法人を作る必要性はありません。何かをやりたいときに、個人でもできるなら個人でいいし、会社組織のほうが目的達成により合理的ならば法人を作ればいいだけです。

ちなみに株式会社を作るには約25万円くらい、一般社団法人で約18万円くらい(1円起業など資本金をほとんど入れない場合)かかります。

決算申告を税理士に依頼すると約10万円前後、さらに利益がゼロでも法人住民税が年間約7万円ほどかかります。最初はこんな固定費もかからないほうがよいですから、法人設立にこだわる必要はありません。

気になる人は、ただ名乗ればいいだけの「屋号」で十分です。たとえば「スバル」ブランドで自動車を作っている会社は富士重工業、「ユニクロ」を展開するのはファーストリテイリングというように、屋号やブランド名で通用させることはそう難しくありません。

以上のように、副業は思ったよりも気楽にはじめることができます。ぜひ、ご自身の特技を生かし、副業にチャレンジしてみてください。

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午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。

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(米国公認会計士 午堂 登紀雄)

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