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たったこれだけで行動力がぐんと上がる…仕事を後回しにする癖が一瞬で消える"自分への問いかけフレーズ"

プレジデントオンライン / 2023年8月24日 19時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Chinnapong

行動力を高めるには何をすればいいか。プロコーチの林英利さんは「考えはあっても行動に移せない人は、もっと小さく、いますぐ自分にできることは何か問いかけるクセをつけるといい。気軽にできることが見えると、すぐに行動を起こすことにつながる」という――。

※本稿は、林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■変わるのは、「とにかく、やってみる力」

人はどうすれば「行動」を起こすのか?

何かを変えたい、変わりたい――そう思ったとき、必要不可欠なのは「行動」です。

長年コーチングに携わる中で、多くの人の「こうしたい」「こうなりたい」という自己実現の願いを聞いてきましたが、「考える」ばかりが先行して、なかなか「行動」に移せない人も少なくありません。

失敗するのではないかと心配になる。

他人の目が気になって二の足を踏む。

「いまじゃなくてもいいのでは?」と躊躇してしまう。

その気持ちはよくわかります。

しかし、「考え」がいくら立派でも、「行動」が伴わなければ、変化も、成長も起こりようがないのです。

では、どうすれば人は「行動」を起こせるのでしょうか。

■自分に「最初の一歩」を踏み出させる法

「行動力を高める」とは、何か特別な行動をするという意味ではありません。

「やりたい」「変わりたい」と思ったとき、すぐに行動に移せるかどうか――。

それができるのが「行動力」のある人であり、実際に行動を起こすためにはどうすればいいか、という話なのです。

最初の一歩は、小さな一歩でかまいません。

一発逆転ホームランを狙っていたら、いつまでたっても行動を起こせないでしょう。

慎重にあらゆることを加味して熟考したところで、結局はやってみなければどうなるかわからないはずです。

矢印の前に立ち、あごに手をやり考え込んでいる女性
写真=iStock.com/DNY59
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DNY59

些細なことでいいから、とにかくやってみる。これに尽きます。

やってみた結果を見て、もう一歩踏み出すのもいいし、考え直して軌道修正してから進むのでもいいのです。

場合によっては「これはやめておこう」と「行動しないと決める」のも、「行動力」の1つです。

大事なのは、どうやって自分自身に、最初の一歩を踏み出すよう促すか――。

これを実現するために、セルフコーチングによる「行動力を磨く方法」について解説してみましょう。

■「もっと小さくできないか?」と考えてみる

考えはあっても行動に移せない人というのは、ようするにゴールどころかスタート地点も把握できないまま、同じところをグルグル回っているような状態です。

何もはじまっていないから、何の結果も変化も生まれません。そういうときは、

「これを実現するための過程を、3つのステップに分けてみると?」

という視点から考えてみるのがおすすめです。

どう分けられるか、と検討する時点で、自然とスタートとゴールが明らかになります。

ゴールに至るまでの道筋が見えてくれば、グルグルと考えるだけの状態から抜け出せるかもしれません。

たとえば、「TOEICを受験して800点を取りたい」という目標はあるけれど、「仕事が忙しくて時間がない」「挑戦するのは来年でいいかも」と先延ばしにしていたとします。

このとき、

「TOEICで高得点を取るためのステップを、3つに分けてみると?」

と自問自答してみたら、どんな答えが出てくるでしょうか?

まずはいつ試験を受けるかを決める必要がありそうです。

仮に「3カ月後の試験」とゴールを決めたなら、残りの期間でできることを3ステップに分けて考えます。一例を挙げるなら、

①受験の手続きをする
②問題集を購入する
③平日は1日2時間、休日は4時間、勉強する

といった具合でしょうか。

やるべきことがこのくらい具体的になっていると、実際に行動しやすくなるものです。

単に「ゴール」と「スタート」を設定するのではなく、そこに至るまでにするべき行動を具体的にしておくことで行動力が高まります。

■先延ばしグセがある人に効く“自身を動かす言葉”

先の例、3つのステップの中で挙げた「受験の手続き」や「問題集の購入」などは、たいして難しいことではありませんよね。

そんなふうに、「これならやれそうだ」というくらいのちょっとした行動を見つけることが、行動力を高めるカギです。

先延ばしグセがあって悩んでいる人や、もっとフットワーク軽く動ける人になりたいと望んでいる人は、

「いますぐにでも、できることはなんだろう?」

と、自分に問いかけるクセをつけたらいいと思います。

「いますぐに」という条件をつけると、浮かんでくるのは簡単にできることだったり、以前にやった経験があることだったりするでしょう。

気軽にできることなら、すぐに行動を起こせます。

小さな行動を一つひとつ積み重ねることで、いつしか大きな目標にたどり着くことができるわけです。

以前、行政書士として起業したいと考えている方から、ある相談を受けました。

事務所をかまえたい地域には、すでに多くの行政書士が拠点を置いていました。

起業に際してサポートしてくれるコンサルタントからは、競合他社の調査をするようにいわれているけれど、数が多すぎてやる気にならない……といいます。

そこで、

「今日1日で、何件だったら調べられますか?」

と尋ねてみたのです。

するとハッと表情が変わって、「1日5件だったら必ずできます」と答えました。

1日5件を1カ月続ければ、150件も調べられます。

こなすべき量は膨大でも、まずは今日できることに落とし込むことで、「この小さなステップなら、いますぐにでもできる」と気づいたのです。

その日から、彼はさっそく行動を起こしました。

千里の道も一歩から、といいます。高さ634メートルのスカイツリーも、展望台まで一気にジャンプすることは到底できませんが、階段を一歩一歩のぼっていけば、いつかは必ず上までたどり着きます。

大事なことは、まず階段の一段目に足をかけることです。

セルフコーチングでその一段目を自分自身に上手にのぼらせることができれば、行動力は自ずと高まっていくはずです。

■「後悔しないか?」「悔しくないか?」と胸に訊いてみる

やりたいという気持ちはあっても、さまざまな事情から、「やろうか、やるまいか」と迷ってしまう場面があります。

「やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい」といいますが、迷ったときにはこの気持ちを逆手に取って、

「もし、自分ではない人がこれをやったら後悔しない?」

と自問自答してみると、自分で自分の背中を押すきっかけになるかもしれません。

胸に手をあてて、深呼吸している女性
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/recep-bg

もう数十年前になりますが私が中学に入学したとき、それまで野球をやってきていたので、野球部に入部するつもりでいました。

一方で、じつは楽器にもちょっと興味があり、ギターやドラムを演奏することに憧れがありました。

これが、とある悩みを抱く原因になったのです。

ある日の新入生歓迎会で、ブラスバンド部の演奏を聴く機会がありました。

その学校のブラスバンド部は全国レベルの実力を誇っていて、すばらしい演奏だったのですが、特に女性の先輩がドラムを叩く姿がカッコよくて、とても心に残ったのです。

私は、野球部に入るか、ブラスバンド部に入るか、悩むことになりました。このとき、

「もし自分以外の人が、あのブラスバンド部で、あのドラムを叩いている姿を見たら、どう思う?」

と考えたのです。

私は、「めちゃくちゃ悔しい」と思い、ブラスバンド部に入ることに決めました。

自問自答の結果、たどり着いたこの選択が、その後も続くことになった私のバンド活動の入り口になりました。

こうしてはじまった音楽活動から得た経験や出会いを振り返って思うのは、それが間違いなくいい選択であったということです。

■そのチャンスを誰かに渡してしまっても後悔しないか

「もし、自分でない人にこのポジションを取られたら――?」

という質問は、自分の本音を上手に引き出し、行動のきっかけをつくってくれます。

もちろんビジネスにおいても、「やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい」という一面は必ずあります。

私がコーチングの講師として名古屋でスタートを切ったとき、所属していた銀座コーチングスクールは全国展開しはじめていたものの、北海道には拠点を置いていませんでした。

自分の社会人生活をスタートさせたのが北海道だったこともあって、私は「札幌校を開校したい」という希望を持っていました。

ただ、名古屋にいながらにして札幌校を運営するというのは、現実的ではないように思えて躊躇していたのです。このとき、

「もし、他の誰かが、自分の代わりにはじめたら――?」

と考えてみました。

「それはやっぱりイヤだ。自分でやりたい」

という気持ちが強くなり、行動を起こそうという覚悟が決まりました。

林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)
林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)

やってみてもしダメだったら、そこで手を引くという選択肢もあるし、方向転換して別の方法を試すこともできます。

しかし、手をこまねいているうちに別の人が先にやってしまったときの後悔は、リカバリーできません。

ビジネスの世界における変化や進化はとても速く、うかうかしていたら誰かに先を越されてしまうでしょう。

行動を起こすのにもう一歩の覚悟が足らないとき、そのチャンスを誰かに渡してしまっても本当に後悔しないか、自問自答してみると、自分の進むべき道が開けてくるかもしれません。

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林 英利(はやし・ひでとし)
プロコーチ
Biz Mentor代表メンター・エグゼクティブコーチ。銀座コーチングスクール顧問。1972年、東京生まれ。大和ハウス工業、トヨタ自動車などを経て、2010年にプロコーチ、研修講師として独立。大手企業の経営者や管理職などを対象に、コーチングサポートやリーダーシップ研修を提供。2015年、年間3000名が受講する、銀座コーチングスクールの代表に就任し、コーチング講座の開発のほか、プロコーチや講師の育成に尽力。2019年に「“一緒に働きたい”と言われるリーダーづくり」をミッションに掲げ、一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立。現在は、厳選されたビジネスメンター(Biz Mentor)と共に、管理職・ビジネスリーダー向けのメンタリングやコーチングサポートを提供するほか、1on1の定着支援プログラム「1on1実践トレーニング」を、組織改革を目指す企業などに提供している。

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(プロコーチ 林 英利)

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