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自分を蝕むストレス"怒り悲しみ不満"を確実に消す唯一の方法…"瞬間湯沸かし器"でも穏やかな人になれる

プレジデントオンライン / 2024年1月26日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gorodenkoff

多くの人が抱く悩みは、人間関係。どうすればそのストレスを軽減できるのか。心理学者の内藤誼人さんは「自分とよく似た人と付き合ったほうが疲れませんし関係が長続きするが、そのほかにも人と衝突することもなくなり、縁が切れるようなことにもならなくなる思考術がある」という――。

※本稿は、内藤誼人『人間関係に悩なやまなくなるすごい心理術69』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。

■自分は「まったくダメだ」と思っても、周りの人は思っていない

人前で話すのが得意な人などいません。たいていの人は、スピーチが終わった後で、「うまく話せなかった」と気分が落ち込むのではないかと思います。

けれども、それは本人の思い込みであって、実際にはそれなりにうまくできている場合が多いので、そんなに落ち込まないでください。

カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学のリン・アルデンは、50人の男女大学生にビデオの前でちょっとしたスピーチをしてもらいました。スピーチが終わったところで、参加者たちに自己評価をしてもらうと、とてもネガティブな意見ばかりが出ました。「しどろもどろでまったくダメ」「声が震えていた」「支離滅裂で、私が何を言っているのか、全然伝わっていないだろう」のように。

次にアルデンは、撮影したビデオを他の判定者に見せて、発表者についての評価を求めてみました。すると、「自然に話せている」「不安も感じていないように見える」と、意外に好意的な意見が数多く返ってきたのです。

結局のところ、「うまくできなかった」というのは本人の否定的な思い込みにすぎず、実際にはだれでもそれなりにうまくスピーチできているのです。悪い評価をしているのは、自分だけ。自分で自分のことをイジメているのです。

この研究からわかるように、かりに自分では「まったくダメだ」と思っていても、周りの人はそんなふうに思っていないことのほうが多いということを知っておくとよいでしょう。

自分に厳しくすることは重要ですが、あまりに厳しく自分をイジメてはいけません。自分ではまだまだだと思うからこそ、人は自己成長できるのですが、あまりに自分をイジメすぎるのも考えものです。

自分では「これっぽっちもうまくできたとは思わない」と感じていても、周囲の人にはわりと評価が高いこともよくあることですので、かりに自分では失敗だと思っても、そんなに自責の念に駆られることもないと思いますよ。

■自分とよく似た人とだけ付き合えばよい

仲のいい人について、私たちは「肌が合う」とか「相性がいい」という言葉を使って形容しますが、友だちを作るときには、できるだけ自分とよく似た人を選ぶといいですよ。

なぜかというと、そのほうが疲れないからです。

自分とまったく異なるタイプの人と付き合おうとしても、それはムリです。自分と似ていないタイプと頑張って付き合おうとしても、何となく肌が合わないというか、違和感を覚えるというか、一緒にいて精神的にクタクタになってしまいます。その点、自分とよく似た人であれば、そんなに疲れません。

カナダにあるウィルフリッド・ローリエ大学のシーン・マッキノンは、大学の教室で、学生たちがどのように座るのかを調べてみました。観察を行ったのは14のクラスで、分析の対象となったのは2228人の学生です。

大学の講義は、小中高のクラスとは違って、自分の好きな席に座ることができます。

ところが、学生がどこに座るのかということについては、まったくランダムではなく、面白い規則性が見られました。なんと「似たような学生同士が近くに集まりやすい」ということがわかったのです。

マッキノンが観察したところ、髪の長い人は髪の長い人と、短い人は短い人と、メガネをかけた人はメガネをかけた人と、男性は男性と、女性は女性と、すぐ近くに並んで座ることがわかったのです。

学生は、教室に入ってくると、無意識のうちに自分と似たような人を探して、その人のそばに座ろうとするのです。そのほうが安心できるからでしょう。

自分とまったく異なるようなタイプの人のそばに座ろうという人はいません。そういう人のそばは、何となく居心地が悪いからです。私たちは、似た者同士でつるむのが好きなのです。

ビジネス人材
写真=iStock.com/SunnyVMD
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SunnyVMD

仕事上のお付き合いでも、プライベートなお付き合いでも、できるだけ自分と似た人を探してください。そういう人に声をかけ、知り合いになったほうが、お互いにうまくいく可能性が高くなります。

私は、どちらかというと内向的な性格ですので、大声を出してしゃべったり、パーティが大好きだったりする社交的なタイプとは、肌が合いません。そういう人と一緒にいると、とても疲れるのです。ですので、そもそもそういう人とは付き合わないようにしています。

お友だちを作ろうというのなら、だれかれかまわずに声をかけるのではなく、できるだけ自分と似たように見えるタイプを選ぶといいですよ。そのほうが、長続きする関係を築くことができますから。

相手の性格や趣味などもできるだけ一致していたほうがいいのですが、そういうものはある程度親しくならないとわかりませんので、まずは見た目が自分とそんなに変わらない人を選んで付き合いましょう。

■年をとればそのうち何とかなる、と思っていればいい

小さなことでいつまでもクヨクヨと悩んでいる人は、まだ年齢が若いから、という可能性があります。

若いから悩むのであって、それなりに人生経験をしていると、そのうちそんなに気にならなくなります。私たちは、自分の抱えている悩みが、今後ずっと一生つきまとうのではないかと思いがちですが、そんなふうにはなりません。大丈夫ですので、のんびりと構えていてください。

スタンフォード大学のローラ・カーステンセンは、年齢の異なる184人にポケベルを渡し、1日に5回、ランダムなタイミングで音を鳴らし、そのときに感じている感情についての記録をとってもらいました。

その結果、怒り、悲しみ、不満などのネガティブな感情を抱く頻度は、年をとるたびにどんどん「減る」ことがわかりました。ネガティブな感情を抱きやすいのは20代、30代がピークで、それから60歳になるまではずっと減少し、そこで底をついてずっと横ばいになります。年をとってくると、小さなことは気にならなくなります。「どうでもいいや」という気持ちのほうが強くなるからですね。

私も若い頃には、瞬間湯沸かし器のようにすぐにカッとなるタイプでしたが、最近はそんなに腹も立たなくなりました。20代には、メールの返信が遅いというつまらない理由で、ビジネスでお付き合いしている人に怒ったりしていましたが、今ではまったくそんなことはしなくなりました。

他人にすぐ腹を立ててしまう人も、ひょっとしたら、まだ年齢が若いからではないでしょうか。

内藤誼人『人間関係に悩なやまなくなるすごい心理術69』(ぱる出版)
内藤誼人『人間関係に悩なやまなくなるすごい心理術69』(ぱる出版)

そんな人も、そのうち怒らなくなるでしょうから心配はいりません。他人に怒りを感じるためには、エネルギーが必要なのですが、年をとってくると、そういうところにエネルギーを使うこともバカバカしいと感じるようになり、腹を立てなくなるのです。だいたい私たちが人間関係で衝突を起こすのは、相手と醜い言い争いをするからです。

夫婦でも、友だちでも、ケンカをするから仲が悪くなるのです。その点、ある程度の年齢になってくると、ケンカをするのも億劫で、面倒くさいと感じるようになり、ホイホイと相手の言いなりになっていたほうが疲れないことを学びます。

そうなればしめたもので、人と衝突することもなくなり、縁が切れるようなことにもならなくなるのです。ともあれ、もし現在人間関係で悩んでいるとしても、年齢が上がってくればそんなに悩みもなくなるはずですので、「時間が解決してくれる」と割り切って、なんとか今の状況を乗り切ってください。

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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『いちいち気にしない心が手に入る本:何があっても「受け流せる」心理学』(三笠書房)、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』(総合法令出版)、『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)、『羨んだり、妬んだりしなくてよくなる アドラー心理の言葉』(ぱる出版)など多数。その数は250冊を超える。

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(心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長 内藤 誼人)

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