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47歳で資産1億達成の元会社員厳選「新NISA投資本」は…訳書が並ぶ中、唯一選ばれた年2回発行の「日本の雑誌」

プレジデントオンライン / 2024年4月28日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

新NISAを始める際、仕事などで多忙な投資初心者はどんな点に注意すればいいのか。個人投資家の桶井道さんは会社員時代から投資を始め、持病や親の介護を抱えながらも現在の資産は1億7000万円超。「新NISAを徹底活用するなら、株価の上下などマーケットベースではなく、自分が将来あるべき理想の姿=ゴールべースで判断することが重要だ」という。その投資ルールとは――。

※本稿は、桶井道『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

■親の介護をしながら持病のある独学投資の元会社員が億を貯めた理由

私は30代で見つかった内臓疾患が39歳で悪化して、挫折を味わいました。人生を悲観していたときに、アベノミクスが転機となりました。25歳からしていた投資を勉強し直して、再チャレンジ。どん底から這い上がることができました。行動が人生を変えました。

私がアベノミクスに救われたように、みなさんには新しいNISAがあります。従来のNISAの弱点がおおよそなくなり、「神NISA」へと生まれ変わっています。政治には希望が持てない風潮が漂っていますが、政治が助けてくれることもあると思います。新しいNISAを活用しましょう。行動して人生を変えましょう。

私は「ゴールベース」という言葉をよく使います。先に将来あるべき理想の姿を明確にすることで、「いまどう判断し、いまどう行動すべきかが見えてくる」と考えます。それにより、正確に努力でき、正しい方向に進むことができ、目指す「ゴール」に辿り着けるのです。

投資は長旅です。その道中では金融危機、為替レートの変動、政治リスク、地政学リスク、新型コロナのような新しい感染症の発生など、いろいろなことが起こります。またGDP、雇用統計、CPI(消費者物価指数)などいろいろな経済指標の発表があります。

これらによって株価は動きます。そして、株価は上がるときよりも下がるときに急激な動きをします。しかし、慌てないでください。これらに反応して投資判断を下すことは、「マーケットベース」で判断していることになります。それは短期売買のやり方です(上級者向けとなります)。新しいNISAを徹底活用したいのであれば、マーケットベースで判断する必要はありません。判断基準は、常に「ゴールべース」と心がけてください。

マーケットベースで判断すると……「株価が暴落したから怖い、早く売ってラクになりたい」と思うかもしれません。

一方、ゴールベースで判断すると……「株は安いときに買うのが鉄則。いまはチャンスだから追加投資しよう」と思うでしょう。そうすることで、より早くゴールに到達できる可能性が高くなるからです。

投資はメンタルが大切ですから、「おけいどん式ノールック投資」を紹介します。暴落相場で、買う(追加投資する)気がないなら、ポートフォリオにログインせず、株価すら見ず、嵐が過ぎ去るのを待つのがメンタルを保つ手段になります。見てしまったらガッカリしてメンタルに響きます。投資に限らず何事にも共通することですが、わざわざガッカリする行動を取る必要はありません。

■新しいNISAのよくある疑問

Q 同じ投資先に投資する投資信託やETFがたくさんありますが、何を基準に選べばいいでしょうか?

A たとえばS&P500に連動するように運用される投資信託やETFはたくさんあります。基本的には、これらの類似した商品のなかでも信託報酬(米国ETFでは「経費率」と言います)ができるだけ安く、純資産総額ができるだけ大きい銘柄を選ぶようにすればいいでしょう。

運用にかかるコストは安いに越したことはありません。また純資産総額が大きいほど運用が安定すると言われます。逆に純資産総額があまりに小さいと、途中で運用をやめてしまうリスクがあります。

このほか、新しく設定されたばかりの投資信託やETFはあまりオススメしません。どのようなパフォーマンスなのか、実績がなく判断できないからです。

あとは分配金を日本円でもらいたいか、米ドルでもらいたいかなどの観点で、好みの商品を選んでください。

米国株式市場のイメージ
写真=iStock.com/honglouwawa
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/honglouwawa

Q 投資先の銘柄を選ぶ際、動画やブログの記事などを参考にしても大丈夫ですか?

A もちろんある程度は参考にしてかまいませんが、一部のインフルエンサーの情報発信を鵜呑みにしないことが重要です。有名な誰かのオススメだから買うというのでは、いつまで経っても投資のスキルは上達しませんし、知識もつきません。

必ず、自分でも当該企業の中期経営計画や統合報告書(アニュアル・レポート)、決算情報、業績の推移などを確認し、配当分析なども行ってください。

動画やブログは新しい銘柄と出会ったり、新しい投資知識を得たりするきっかけにはなります。しかし、それだけで「決定」してはいけません。常に自分の頭で考えて、理解しようとするクセをつけましょう。

Q 投資関連情報を収集する際、オススメの情報源などがあれば教えてください!

A 時事のニュースに関してはブルームバーグやロイター、日本経済新聞の電子版、「AERAドット」などを私はよく利用しています。

企業情報に関しては、各企業のIRページに掲載されている中期経営計画や統合報告書、株主通信、IRリリースなどを確認します。投資のスキルや知識に関しては、証券会社が開催しているウェビナーに参加することや、各種の投資本を読むことをオススメします。

このほか、何かを調べようとするときにはグーグルで「ニュース検索」機能を使用しています。X(旧ツイッター)などのSNSからも「きっかけ」を得ることはありますが、必ず一次情報か報道などでファクトチェックを行うようにしています。

■読むべき良書の投資本は訳書が多いが…唯一選ばれた「日本の雑誌」

Q オススメの投資本はありますか?

米国で出版された本の訳書に良書が多いと思っています。とはいえ、取っつきやすさでは日本の個人投資家の本が一番でしょうから、そこから入ってもいいと思います。

ここでは訳書を中心に、個人的なオススメ投資本を5つ紹介します(1つはマネー誌)。

①『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』(モーガン・ハウセル 著、児島修 訳/ダイヤモンド社)

投資への姿勢やお金との向き合い方などが学べる1冊です。具体的な投資手法を学ぶ前に、この本で基礎を固めましょう。読みやすい本です。

②『千年投資の公理』(パット・ドーシー 著、井田京子 訳/パンローリング)

銘柄分析の本です。優良銘柄が持ち合わせる「経済的な堀」について学べます。

③『億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術』(メアリー・バフェット 著、デビッド・クラーク 著、井手正介 訳、中熊靖和 訳/日本経済新聞出版社)

銘柄分析の勉強になります。ただし、後半は経験者向けです。

④『史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』(メアリー・バフェット 著、デビッド・クラーク 著、峯村利哉 訳/徳間書店)

バフェット流の損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の読み方が学べます。

⑤「AERA Money」(朝日新聞出版)

年に2度発売される投資雑誌です。しっかり取材、裏取りされた記事は勉強になります。ウェブ版の「AERAドット」にもよい記事が多いので、重宝しています。

Q 著者の桶井道さんは、新しいNISAでどんな銘柄に投資するつもりですか?

A 「つみたて投資枠」では、S&P500に連動するように運用される投資信託を買います。「成長投資枠」では、「じぶん年金」の構築を意識します。日本株の大型株と中型株上位銘柄から、高配当株と増配株を厳選して買うつもりです。S&P500配当貴族のETFを持つ考えもあります。特定口座と合わせて20銘柄程度を持つつもりです。

「つみたて投資枠」では資産の最大化を、「成長投資枠」では配当金や分配金の最大化を目指します。60~65歳を目途に、「つみたて投資枠」で育てた投資信託を売却して、その分の資金も日本の高配当株・増配株、もしくはそれらに投資するタイプの東証ETFへとシフトして、継続的に配当金や分配金を得るつもりです。出口戦略として投資信託の取り崩しを行うつもりは一切ありません。

Q 株価の急落や暴落時に不安になってしまいそうです。何かアドバイスを頂けますか?

A 株価が急落しているような状況では不安やストレスを感じがちですが、感情で投資の判断をしないように気をつけましょう。とくに「不安=売り」は絶対にダメです。

どうしても売りたいのであれば、なぜいま売るのか、自分が納得できるストーリーを心のなかで描いてみてください。買うときと同じく、売るときにも理由が必要です。株価が下落してなんとなく怖いから。いまにも、もっと価格が落ちてしまいそうで怖いから……それでは理由になりません。単に感情に流されているだけです。

冷静に状況を判断すれば、NISAの長期投資では株価の短期的な上下に一喜一憂する必要などないことがわかります。そもそもが今後何年も、場合によっては何十年も売るつもりはないのですから。

桶井道『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)
桶井道『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)

何かその銘柄特有の株価急落の理由(不祥事など)があるわけではなく、相場全体やセクター全体が急落・暴落しているような状況なのであれば、むしろ追加で安く買える「バーゲンセール」とさえ言えるでしょう。

実際に、投資の経験が長い投資家ほど、相場全体の急落や暴落があれば追加投資するものです。逆にそんな状況でパニック売りをすれば、一番安いところで損失を確定してしまうことにもなりかねません。不安やストレスに流されて、理由のない売りをしないように気をつけてください。

そのほか、お酒を飲んでいるときや体調不良のときには投資判断を誤ってしまうケースが多いので、どんなに不安でも売買をしないようにすることを勧めます。

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桶井 道(おけい・どん)
投資家(投資歴20数年)・物書き
2020年に47歳で資産1億円とともに約25年間勤務した会社を早期退職。それから3年強で資産を1.7億円にまで成長させる。投資先は世界30カ国の高配当株や増配株、ETF、REITなど幅広い。現在は両親の介護・見守り(父は難病で要介護5、母はがんサバイバー)、そして家事をしつつ、単行本や連載、ブログなどを通じて投資やFIREに関しての情報を発信している。子ども食堂への支援も行う。著書に『今日からFIRE!おけいどん式 40代でも遅くない 退職準備&資産形成術』『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(以上、宝島社)、『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)がある。(プロフィールイラスト=西田ヒロコ)

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(投資家(投資歴20数年)・物書き 桶井 道)

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