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「1杯目のビールは美味しい」原理を仕事ができる人はこう応用する…目標達成に欠かせない頭と机の整頓術

プレジデントオンライン / 2024年5月10日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LoveTheWind

本当に必要な情報はどう取捨選択すればいいか。整理収納アドバイザーの米田まりなさんは「『知っておいて損はない』といった表現を耳にするが、私は大いに違和感を抱く。1杯目のビールがおいしいというように、ものも時間も思考もその時々に応じて適正量がある。その情報の活用機会がなければ、頭に入れていること自体、脳の容量で損することになる。同じ1杯のビールでも、6杯目より1杯目のビールのほうがおいしいというように、目標達成に関係のない新情報は一旦遮断をしてみることが大切だ」という――。

※本稿は、米田まりな『やる気に頼らず、仕組みで結果を出す 一生使える「目標達成」の技術』(大和出版)の一部を再編集したものです。

■「あればあるほどいい」という思考をやめる

「限界効用逓減(ていげん)の法則」とは、ミクロ経済学の消費者理論で用いられる概念で、「消費財1つ増えるごとに1つあたりの満足度が徐々に減少していく」ということを表しています。

代表例としては、「1杯目のビールはおいしい」として説明されることが多いです。

1杯目のビールと、すでに5杯飲んだ上での6杯目のビールは、同じ1杯でもおいしく感じる度合いが異なりますよね。

ものも時間も思考も、「あればあるだけいい」ということはなく、その時々に応じて適正量があります。

書斎の片付けを例に考えていきましょう。

例えば書きやすい黒ペンがあったとして、書斎のペン立てに10本置いてあっても、自分1人が同時に使えるのは1本なので、意味はありません(むしろ、ほかの文具が取り出しにくくなるので、ないほうがマシ、ですね)。

一方で、10本の黒ペンを、書斎に1本、キッチンに1本、玄関に1本、鞄に1本、ストック6本を押し入れになど、最適な位置に配置すれば、その価値をフル活用できたことになります。

最適な活用イメージが持てないものは、空間を邪魔するという観点で「ないほうがマシ」と捉え、買わない・もらわないよう注意して生活したいものです(防災用のストック備蓄の目安量は2週間分。それを超えるストックは買いすぎなので手放して!)。

■目標達成に関係のない新情報は一旦遮断

部屋の空間と同じく、私たちの時間・頭の中もすべて有限です。

よく、「知っておいて損はない」「頭の片隅にだけ入れておいて」という表現を耳にするのですが、私は大いに違和感を抱きます。

活用機会がなければ、頭に入れていること自体、脳の容量で損しているのです。

部屋・時間・頭の中を、「なんとなくお得なもの」で埋めようとしていませんか?

例えば毎日、暇つぶしで芸能ニュースや噂話を見ていたら、知らずに頭の中が無駄な情報で溢れ、目標達成のために考え事をするスペースがなくなってしまいます。

沢山の書類と付箋に悩むビジネスウーマン
写真=iStock.com/kenkuza
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kenkuza

メイク術や料理法など、一見有益な情報も、近々で活用できる予定がなければ同じく無駄な情報です。

得られる情報の質と失う時間が見合わなければ、それは時間の浪費でしょう。

情報は入り口の段階での厳選が肝要です。

「何か得するかも」と期待をしてあれこれ情報収集するのは止め、目標達成に関係のない新情報は一旦遮断をしてみることです。

悩み事やネガティブな感情は外に吐き出して、向き合うべきことに向き合うために、頭の中を整頓していきましょう。

もの・時間についても、活用イメージが持てないならば今すぐ手放して、空間を空けていきます。あれやこれやと手を伸ばしていては、何も実現できぬまま、あっという間に時が経ってしまいます。

■未完了のTo Doは集中の大敵

「余計なものが何もない部屋は、集中できる」ということに異存がある人はいないでしょう。

ホテルや自習室のように無駄なものが何もない環境と、趣味のものや書類に囲まれた自宅の机では、仕事に取り掛かる際のモチベーションもまた変わります。

学生時代、試験勉強に追い込まれると、つい部屋の片付けをしてしまったというのも、視界に入るものが集中を阻害しているからこその行動ですよね。

デスクは荷物の保管場所ではなく、作業台です。

作業のために自由に使える「ゼロ」のスペースが広ければ広いほど、作業への集中度合いもアップします。

意識的にゼロを作るべきは、部屋だけでなく、思考においても同じことが言えます。

せっかく机の上が片付いていても、頭の中がたくさんのことでいっぱいになっているならば、目の前の作業に集中できないでしょう。

特に集中の大敵なのが、未完了のTo Doです。

「明日までにクリーニングに行かなくちゃ」
「電気料金を払わないと」
「運動不足だから走りに行かないと」
「そういえば仕事の書類で未提出のものがあったな」

など、作業に集中したいときに限って、ほかのタスクが頭に浮かんできます。

これはすべてのタスクを頭の中で管理していることで起こる弊害で、タスク管理ツールや手帳など、頭の外で管理する術を身につける必要があります。

■「半日分」のゼロを作って集中力を持続させる

「付箋に書く」「大きな文字で書いて壁に貼る」など、物理的に見せて管理する方法だと、文字が目に入ることで集中の邪魔になったり、逆にいざ思い出したい頃には見慣れていて忘れてしまうこともあります。

集中している時間には目に見えない形で、管理できるツールがいいでしょう。

特定の期日が近づいたらリマインドされる機能もあるとベストですが、ノートで管理している方の場合も、スケジューラー・予定表と併用すれば大丈夫です。

予定を立てるにも「ゼロ」の余白が必要です。

ここ2週間のご自身のスケジュールを見直してみましょう。

仕事での残業や、人と長時間会う約束など、余白なくスケジュールを詰め込んでしまうと、1つひとつの作業に集中できなくなり、目標達成は遠のいてしまいます。

目の前の物事に集中できないということが続いたら、予定表にゼロの時間を意識的に入れてみましょう。

目標に対して集中力を持続させ、しっかり休んで休息を取るための時間の単位としては、「半日分」のゼロを作ることがおすすめです。

■土日は4分の1ずつのブロックに区切る

ここでいうゼロは、全く予定がないことを指します。

米田まりな『やる気に頼らず、仕組みで結果を出す 一生使える「目標達成」の技術』(大和出版)
米田まりな『やる気に頼らず、仕組みで結果を出す 一生使える「目標達成」の技術』(大和出版)

友達とごはんを食べている時間や、ネイルサロンに行っている時間はゼロではありません。

自分の意志次第で、何に使ってもいい時間を指します。

短すぎては前後の予定の影響を受けやすいですし、逆に1日以上の休みが手に入るとレジャーへの欲が出てしまいます。

土日を4分の1ずつのブロックに区切り、「休息/家事/目標達成/人との交流」の4要素を当てはめてみましょう。

例えば、週末をこのような4ブロックにわけます。

①土曜午前=[目標達成]英語の課題に取り組む
②土曜午後=[家事&休息]掃除後、クリーニングを出して、散歩する
③日曜午前=[交流]大学時代の友人とブランチ
④日曜午後=[目標達成]仕事の新規プロジェクトのため、読書する

ぜひあなたも、土日の過ごし方を見直してみてください。

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米田 まりな(こめだ・まりな)
整理収納アドバイザー
2014年に東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社。2018年より株式会社サマリーに出向、収納サービス「サマリーポケット」の運営に従事する。2020年4月から一橋大学大学院MBAに夜間コースで通学し、2022年に経営学修士号(MBA)を取得した。その後、大手不動産ディベロッパーに転職、宅地建物取引士を取得。整理収納アドバイザー1級を保持し、副業で整理収納アドバイザーとしてコンサルティング、記事執筆ほか、多方面で活躍中する。現在に至るまで、オリジナルの方法で、年に1度目標を立てて達成してきた。著書に『でも、捨てられない人の捨てない片づけ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『集中できないのは、部屋のせい。』『あの人にイライラするのは、部屋のせい。』(ともにPHP研究所)、『片付けてるのに片付かないので、東大卒の整理収納アドバイザーに頼んだら部屋が激変した』(大和書房)がある。

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(整理収納アドバイザー 米田 まりな)

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