これをやらないと孤独な老後が待ち受ける…愛され高齢者が頻繁に使う会話を締めくくる「5文字の言葉」
プレジデントオンライン / 2024年5月14日 15時15分
※本稿は、木村まり『幸せに人生を終えた人から学んだこと』(自由国民社)の一部を再編集したものです。
■笑顔の出し惜しみはあまりにもったいない
愛され高齢者の方々は、皆さん笑顔がとても素敵です。その笑顔は相手に安心感を与え、周囲を幸せな気分にしてくれます。
普段からよく笑う人もいれば、それを表情に出さない人もいるでしょう。もしかしたら、笑顔を人に見せることが恥ずかしいと思う方もいるかもしれませんね。
でも、笑顔の出し惜しみは、実はとても、もったいないことなのです。
たとえば、見知らぬ土地で道に迷ったときに、前から、しかめ面の人と笑顔の人が並んで歩いてきたとしたら、あなたはどちらに声をかけますか。
きっと、多くの人は、迷うことなく笑顔の人に道を尋ねることでしょう。
人の印象は第一印象で決まるとよく言われます。笑顔の人は親しみやすく、反対に笑顔がない方は近づきにくい雰囲気があります。
しかめ面の人がどんなに親切で優しい性格をしていたとしても、それは見た目ではわかりません。せっかく素晴らしい人柄であっても、笑顔がないだけでマイナスな印象になり、知らず知らずのうちに人と関わる機会が減ってしまうなんて、もったいないですよね。
■笑顔の持つ底知れぬパワー
私が出会った愛され高齢者のみなさんは、この「笑顔」がとても輝いていました。病気でも、寝たきりでも、認知症でも笑顔を絶やさず、いつも周りの人の心を癒やし、幸せな気分にしてくれました。
だからでしょうか。愛され高齢者の方々の周りには自然と人が集まり、たくさんの人から愛され、大切にされ、いつも笑顔があふれていました。
歳を重ね、たとえ自分のことが何もできなくなったとしても、笑顔を向けるだけで、そばにいる誰かの心を癒やせるなんて素敵なことですよね。
このように笑顔には、たくさんの人と関わるきっかけをくれるだけでなく、周りの人や自分自身に幸せをもたらしてくれる、そんな底知れぬパワーがあります。
■「どんなときに、どんなことで笑ったか」を思い出す
笑顔が大事だと頭ではわかっていても、普段あまり笑顔にならない人からすれば、慣れない表情を意識してつくるのはなかなか難しいものです。
そんな方は、これまでの人生や、ここ最近の出来事を振り返ってみて、自分が「どんなときに、どんなことで笑ったか」を思い出してみてください。
*おいしいものを食べたとき
*好きなテレビ番組を見たとき
*友だちとおしゃべりしたとき
*ペットと触れ合ったとき
*家族に会ったとき
*スポーツを楽しむとき
*本を読むとき
*旅行に出かけたとき
*買い物をしたとき
*仕事をしたとき
*きれいな景色を見たとき
笑顔になるきっかけは、どんなことでも構いません。1日1回でもいいので、笑顔になる時間を意識してつくってみてください。
毎日、少しずつ笑顔の時間が増えれば、やがてそれが習慣になり、自然に笑う機会が増えていきます。
笑顔は、人を幸せにする素敵なものです。
眉間の皺(しわ)を増やすよりも、愛され高齢者の方々のように笑顔をたくさん増やし、笑い皺(じわ)を刻む日々を送っていきたいですね。
■愛され高齢者が頻繁に使う言葉
誰かに何かを手伝ってもらったとき、愛され高齢者の方々は、感謝と好意を惜しみなく表現してくれます。
「手伝ってくれてうれしい」
「こんなことしてくれるなんて、優しいですね」
「お忙しい中、私のために時間を費やしてくれて感謝します」
「あなたがいてくれてうれしい。本当にありがとう」
こんな言葉をかけられたら誰でもうれしくなります。こんなに喜んでもらえるなら、また手伝いたいと思ってしまいますね。
日々の生活の中で、どんなに辛く大変なことがあっても、誰かに「ありがとう」と伝えてもらうだけで、これまでの苦労や疲れが軽くなることがあります。
愛され高齢者の方々は、そんな感謝と好意の言葉をいつも周りに伝えてくれます。
しかし、世の中には彼らのように感謝や好意を素直に伝えることが苦手な人もいますよね。
「こんなことしてくれなくても、自分でできるのに」
「私はそこまで落ちぶれていないわよ」
「頼んでもいないのに世話なんかしなくていい」
もし、自分が誰かのためにしたことに対して、こんな言葉を言われたらどうでしょうか。
がっかりして悲しい気持ちになってしまうかもしれません。お節介なことをしたのかと落ち込み、自分のしたことが間違いだったのかと悩んでしまう人もいるでしょう。
そして、こんなことを言われるくらいなら「もう二度とその人のために何かをするのはやめよう」とさえ思ってしまうかもしれません。
■言葉は笑顔と同じようにその人を印象付ける
人からの優しさや好意を素直に受け取れない人や、そのときの気分で心ないことを言ってしまう人もいるでしょう。
普段はこんな言葉を言わないけれど、たまたま辛いことが続いて、つい八つ当たりをしてしまった……。そんな場合もあるかもしれません。
ですが、言葉は笑顔と同じようにその人を印象付けるものです。口から発する言葉は、すべて自分自身を表わすものなのです。
それでも、「べつに、周りにどう思われたって気にしないよ。一人で生きて行けばいいんだから」と、我が道を突き進む方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、生活のすべてを自分の力でコントロールできるくらい元気なうちは、何を言っても支障はないかもしれませんね。
しかし、人生はいつ何が起こるかわかりません。もしかしたら明日、事故に遭うかもしれないし、突然の病気で寝たきりになるかもしれません。
自分が誰かの助けなしでは生きられなくなったとき、他人を傷つける言葉ばかり口にしていたらどうなるでしょうか。何をしてあげても文句ばかりで感謝の一つも伝えなければ、周りの人はどんどん離れていき、助けてくれる人がいなくなってしまうかもしれません。
■自分の印象をひと工夫で変えられる「ある言葉」
そして、それは自分の家族であっても同様です。
「文句ばかり言うなら人に頼らず、すべて自分でしてみたらどうですか」
「さんざん、ひどいことを言ってきたのに、今さら面倒をみてもらいたいなんて虫が良すぎる」
「何をしても気に入らないみたいだから、もう何もしません」
身から出たさび、自分の言葉はやがて自分に返ってくるなどと言いますが、もし、こんな厳しい言葉を本当に助けが必要なときに言われてしまったら……。
きっと辛く悲しい気持ちになり、過去の自分の言動を後悔するかもしれませんが、それはもう後の祭りです。
だからといって、相手を傷つけないように言葉をいちいち考えながら毎日過ごすなんて大変なことですよね。何十年と今の自分で過ごしてきたのに、今さら自分の性格や口癖を直すのは骨が折れる作業だと、難しく考えてしまうのは当然のことです。
ですが、実は、そんなに大変なことをせずに、ちょっとした工夫で、自分の印象を変えられる方法があります。
それは、「ある言葉」を普段の会話に付け加えるだけでできるのです。
■「ありがとう」を付け加えてみよう
「それくらい自分でできるから放っておいてよ。でも、ありがとう」
「まったく、お前はこんなこともできないのか。でも、いつもありがとな」
「ほんと気が利かないわね。……でも、ありがとうね」
たったひと言「ありがとう」を添えるだけで、ずいぶんと印象が変わったのがわかりますか。
会話の前半では、言われた相手は辛い気持ちになるかもしれません。
ですが、最後に「ありがとう」と付け加えたら、言われた相手も、言った本人も、不思議と気持ちが柔らかくなる気がしませんか。
職人気質の気難しいおじいさんが、ぶっきらぼうに顔を赤らめて「ありがとな」と弟子に言っている……。そんな光景が思い浮かびます。
そして、言われた弟子は、きっとこう思うでしょう。
「この人は口は悪いけど、本当は照れ屋なだけなんだ」と。
愛され高齢者の方々のように、感謝と好意を普段から伝えることが一番良いことです。
ですが、性格上それがなかなかできない人もいるでしょう。
そんな方は、どんな言葉の最後にも「ありがとう」を付け加えてみてください。たったそれだけで、あなたの印象はきっと良い方向に変わっていきます。
「ありがとう」は魔法の言葉。愛され高齢者の方々をお手本にして、毎日たくさん使っていきたいですね。
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看護師
静岡県出身。関東学院大学文学部比較文化学科卒業。20代で結婚と出産を、30代で離婚を経験。その後、看護専門学校に入学し、看護師免許を取得。現在も看護師として急性期病院で勤務している。終活ガイド1級、エンディングノートセミナー講師認定資格を取得し、仕事にも自分の人生にも役立てている。
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(看護師 木村 まり)
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