英語をどこまで勉強するか
プレジデントオンライン / 2013年4月21日 15時15分
がんばっているのに成果が出ない。そう感じているビジネスパーソンも多い。第一線で活躍し続けるにはもちろん、自己研鑽が必要だ。だが、その勉強 は本当に、仕事の役に立っているのだろうか。ハイパフォーマーの学びの習慣を、600人アンケートの結果を交えながら紹介しよう。
▼木暮太一さんからのアドバイス
自分は国内の仕事だから、英語は必要ないと考えている人も多いかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか。私はむしろ、ドメスティックな職業こそ、危機感を持って意識的に英語を学ぶ必要があると考えています。
もとから海外と取引がある会社にいれば、仕事をしていくうちに否が応でも英語を覚えます。一方、国内向けの商売をしている人は、強制的に英語をマスターする機会がない。そのため自分で思い立たなければ、いつまで経っても英語ができないままです。いまの20代や30代の場合、将来が大変と思います。
私は学生時代に100万円のローンを組んでスクールに通い、約2年間、徹底的に英会話を学びました。おかげで一定のレベルまで習得できましたが、ふたたび集中的に勉強して英語力をメンテナンスする予定です。
作家というのは非常にドメスティックな職業です。使わないからという理由で放置していたら、英語力が錆びついて将来のチャンスを逃してしまう。それを避けるため3カ月で一気に勉強して引き戻すつもりです。
英語と同様、これからの時代に必要となるのがITスキルです。ITスキルというと、アプリケーションの使いこなし方に目がいきがちです。しかし、それ以上に重要なのは、ハードを使いこなすスキルではないでしょうか。
たとえば、歩いているときに何かアイデアが浮かんだとします。このときノートPCを使っている人は、起動時間やスペースを考えて、メモを後回しにするかもしれません。一方、iPhoneであれば、その場で立ち止まって入力ができる。こうしたハードの差は、Yahoo!メールを使うか、Gmailを使うかの違いより大きいはずです。自分の行動や働き方は、ハードによって大きく制限されます。アプリケーションも大切ですが、まずは自分に最適なハードを選ぶことを意識してください。
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1977年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て、独立。大学在学中に自主制作した「気軽にはじめる経済学シリーズ」はロングセラーに。著書に『今までで一番やさしい経済の教科書』など。
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▼村井瑞枝さんからのアドバイス
英語をマスターしたいときにもっとも確実な方法は、英語を学ぶのではなく、英語をツールとして使いつつほかのことを学ぶことだと思います。私は高校生のときにオーストラリアに1年間、料理学校で免許を取った後はアメリカとイタリアに留学しましたが、授業は英語やイタリア語なので、目的の勉強をするために、とにかく外国語を習得せざるをえませんでした。
具体的にどうやってマスターしたのか。初めての留学時は、日本から1冊のテキストとテープを送ってもらい、それをひたすら繰り返して聞いてリピートしていました。たったそれだけですが、何度も同じ英文を読んでいると、しだいに英語独特の癖がわかるようになり、口が滑らかに動くようになります。そこまでいけば、もう苦労はありません。
いまも意識してメンテナンスは行っています。話題の本を洋書の原書で読んでみたり、海外関係の仕事があれば積極的に手をあげてみたり。
身近なところでは、ホームページを日本の「yahoo.co.jp」ではなく、アメリカの「yahoo.com」に設定するのもおすすめです。私は興味のあるニュースがあれば、クリックして英語で読むようにしています。毎朝、英字新聞を読むとなると大変ですが、ネットでつまみぐいする程度なら気軽に楽しめます。
海外出張や旅行など、本格的に使う必要があるときには、飛行機の中で昔使ったテープを繰り返し聞きます。最初に覚えた英文の発音は体に染み込んでいるので、新しい教材で復習するより、早く勘が戻ります。
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辻調理師専門学校にて調理師免許を取得後、米ブラウン大学、伊ボローニャ大学にてアートを学ぶ。帰国後、JPモルガン、ボストン コンサルティング グループを経て現職。訳書に『ウォールストリート・ジャーナル式 図解表現のルール』がある。
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(経済入門書作家 木暮 太一、レストランプロデューサー 村井 瑞枝 村上敬=構成 佐粧俊之=撮影)
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