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80億人の生活に影響を及ぼす可能性のある宇宙ゴミ問題に着目「Space Trash Signs」始動

PR TIMES / 2024年4月24日 18時40分

通信や測位等の宇宙インフラを破壊することがある宇宙ゴミ(スペースデブリ)を新しい星座として表現することで学びを深めるプロジェクト



 米国の宇宙スタートアップ「Privateer」を中心とした民間・公共の航空宇宙組織で構成された共同チーム(名称:Space Trash Signsプロジェクトチーム)は、実際に宇宙空間に漂っている宇宙ゴミ(スペースデブリ)を新しい星座として表現することで、宇宙ゴミが人々に与える影響を可視化して学びにつなげる「Space Trash Signs」プロジェクトを始動しました。本プロジェクトは、2024年6月の国連平和的宇宙利用委員会(UN COPUOS)に向けた宇宙ゴミ問題への認知拡大・興味喚起を目的としています。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141630/1/141630-1-91ffcdc581b7f2a69cb5af8c83e6fc50-3000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

- 宇宙ゴミ問題の現状 -
 宇宙開発が盛んになるに伴い、宇宙空間のゴミ問題が少しづつ顕在化してきました。地球軌道上だけでも、1.6億個以上※1の人工的な宇宙ゴミが存在すると言われています。秒速15km以上※2で移動するこれらの宇宙ゴミは、小さな破片でさえ重大な損害を引き起こす可能性も。通信、ナビゲーション、災害対策、環境保護、農業、金融サービスなど、地球上の生活に不可欠な衛星などの宇宙インフラをいつ破壊してもおかしくない、人類にとって喫緊の課題とも言える重大な問題です。

 米国の宇宙スタートアップ Privateer のチーフサイエンティストであるモリバ・ジャ博士は、宇宙ゴミの現状について下記のように述べています。

「デブリの清掃と予防に関しては、国際基準のガイドラインはあるものの、一切の強制力を持ちません。私たちがいま行動を起こさない限り、宇宙はいずれ使用不可能になってしまうでしょう。」
-「Space Trash Signs」プロジェクトとは? -
 Space Trash Signsプロジェクトは、2024年6月に開催予定の国連宇宙空間平和利用委員会(UN COPUOS)に先立ち、宇宙ゴミ問題への認知拡大・興味喚起を目指して立ち上げられました。

 本プロジェクトでは、航空宇宙企業、宇宙機関、科学者、大学、活動家、博物館、そして世界中のメディアの支援を受けて、実際の宇宙ゴミを組み合わせて新しい星座(デブリの星座)を作り出しました。これらは、宇宙空間の汚染(宇宙汚染)が人々にもたらすであろう様々な悪影響をビジュアライズしています。
- 10種類の問題を提起する「デブリの星座」 -
 今回は10種類の「デブリの星座」を開発。それぞれの形が別々のストーリーを表現しており、宇宙ゴミが人々に与える問題を理解できる作りになっています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141630/1/141630-1-ae19c3b66a80ab5b106697a9e89fd36e-3900x2194.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

「壊れたコンパス」
 Googleマップなどのナビゲーションサービスが使えなくなることを意味します。宇宙ゴミが人工衛星に衝突して壊してしまうことで、約65億人※3がGPSを失うだけでなく、飛行機の運航なども不可能になるでしょう。

「グレート404」 
 Webブラウザ上でページが見つからないエラーにちなんで名付けられました。衛星インターネットを活用する約4,300万人※4がネット接続を失い、コミュニティ全体を孤立させる可能性があります。

「失われた収穫」
 人工衛星を通じて収集していた環境データの喪失を意味し、地球全体の約5億平方kmの土地で不作が生じて飢餓や環境災害を引き起こすリスクが叫ばれています。

 本プロジェクトのクリエイティブを統括するServiceplanグループのチーフクリエイティブオフィサーであるアレックス・シルは、プロジェクトの意義について以下のように語っています。

「人類誕生以来、人はずっと星空を見上げ、星の形に意味を見出してきました。Space Trash Signsはこの普遍的なインサイトに基づいていて、宇宙ゴミ問題が導くであろう人類の未来を占い、様々な人にアクションを起こす重要性を説きます。これは、私たちコミュニケーション専門家が果たすべき責任だと考えました。」
- リアルタイムデータを活用した「Space Trash Signs」システム -
 Space Trash Signsは、Appleの共同創業者として名高いスティーブ・ウォズニアックが設立した宇宙スタートアップPrivateerとのパートナーシップで実現されました。Privateerは地球軌道上にある様々な物体の位置を捕捉し、800万個以上のデータポイントを毎日収集しています。これには、位置、速度、起源国、親オブジェクト、サイズ、形状、さらには除去にかかる費用の情報まで含まれています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/141630/1/141630-1-942eb470dff059eec50db1cb852a0d41-3900x2194.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

 今回のプロジェクトでは、これらのデータを元にいくつかのデブリを組み合わせ、特定の地域に何らかの関係性を持つビジュアルパターンをAIで探り当てていきました。
例えば、「壊れたコンパス」は飛行機事故が多発することでも知られる北大西洋のバミューダトライアングル上に、「失われた収穫」は世界で最も生物多様性に富んだ地域であるアマゾン熱帯雨林上に、「グレート404」はインターネット普及率が最も低い中央アフリカのブルンジの上に位置しています。

 Privateerのチーフサイエンティスであるモリバ・ジャ博士は、「Privateerは、宇宙というレンズを通じて、私たちの故郷である地球について深く知ってもらうことを目指しています。宇宙ゴミ問題の認知を高めるミッションを、私たちのデータと専門知識でサポートできることを嬉しく思います」と語っています。
- デブリの星座を体感できるキャンペーンも実施予定 -
 Space Trash Signsは、世界中の700以上のプラネタリウムと提携して、デブリから生まれた新星座を実際に投影し、鑑賞しながら学べる機会を全世界の人々に提供してまいります。ボーフムプラネタリウム館長であるスザンヌ・ヒュッテマイスター博士は次のように述べています。

「プラネタリウムでSpace Trash Signsを体験することで、宇宙ゴミ問題が一般の人にとってより身近なものとなるでしょう。」

 さらに、WEBブラウザ上でエラーページが表示されたり、宅配便の追跡ができなくなったり、天気予報が表示されないなど、宇宙ゴミが引き起こす問題を疑似体験できるデジタルキャンペーンも展開予定です。各キャンペーンサイトからSpace Trash SignsのWEBサイトに誘導され、そこで全ての星座や詳細なデータ、背景知識や解決のために取れるアクションなどを学べるだけでなく、ESA(欧州宇宙機関)のESAゼロデブリ憲章(40以上の宇宙関連団体と共同開発)にそのまま署名することも可能です。
- 世界各国の Space Trash Signs 支持者たち -
 Space Trash Signsは、宇宙ゴミ問題の解決に取り組むすべての民間および公共の組織や個人に開かれたプラットフォームです。主要なサポート団体の一つであるESAの専門家は、このプロジェクトが宇宙ゴミ問題の認知向上に大きく貢献すると期待を寄せています。その他の主要なサポート団体には、データ提供元である米国のPrivateerはもちろん、ドイツの科学航空宇宙協会WARR、日本初の宇宙ゴミ除去サービスを提供するAstroscale、ドイツのOKAPI:Orbits、フランスのDark Space、インドのDigantaraなどといった宇宙ゴミ関連のスタートアップや、世界最大の科学博物館であるミュンヘンのドイツ博物館などがあります。

Astroscaleのビジネス開発マネージャーであるアレックス・ゴッドフリーは「宇宙ゴミ問題の解決方法は明らかです。いま必要なのは、各国の宇宙政策を変えるために一般の人々が声を上げることです。」と語っています。

また、欧州宇宙機関の宇宙安全プログラムコーディネーターであるクエンティン・ヴェルスピーレン博士は「Space Trash Signsは、宇宙ゴミという大きな問題を、一般の人にわかりやすく知ってもらうという重要な役割を担っています。ESAとしては、このような取り組みによって人々の認知や興味関心が高まり、ゼロデブリの未来に向けて人々が結集しやすくなることを認識することが重要だと考えています」と述べています。
- Space Trash Signプロジェクトのクリエイター陣 -
 Space Trash Signsプロジェクトは、Serviceplan InnovationとデザインスタジオMoby Diggの他、ビジュアルアーティストFrank GrafeとサウンドデザイナーJürgen Branzがタッグを組んで生まれました。

コミュニケーションエージェンシー:Serviceplan Innovation (SP.IO)
世界をリードする独立系コミュニケーションエージェンシーServiceplanグループのR&D部門。ミュンヘンに本社を置き、パリ、ニューヨーク、サンフランシスコなど世界中にオフィスを構えています。

デザインエージェンシー:Moby Digg
デジタル分野でグローバルブランドを支え、Web制作等で多数の受賞歴を誇ります。

グラフィックデザイナー:Frank Grafe
ベルリンに拠点を置くデザインスタジオEat, Sleep + Designの創設者で、世界中のアワードを受賞しています。

サウンド・デザイナー:Jürgen Branz
映画や劇場、その他あらゆるメディアのオーディオ制作に特化し作曲を担当。アウクスブルクを拠点に活動しています。

【出典】
※1 ESA - “How many space debris objects are currently in orbit?”
https://www.esa.int/Space_Safety/Clean_Space/How_many_space_debris_objects_are_currently_in_orbit

※2 NASA - “How fast is orbital debris traveling?”
https://orbitaldebris.jsc.nasa.gov/faq/

※3 statistica “Global navigation satellite system (GNSS) device installed base worldwide in selected years from 2019 to 2031”
https://www.statista.com/statistics/1174544/gnss-device-installed-base-worldwide/

※4 NOVASPACE - “Satellite on track to provide broadband access to over 100 million people by 2029”
https://www.euroconsult-ec.com/press-release/satellite-on-track-to-provide-broadband-access-to-over-100-million-people-by-2029/

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