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ステップ総合研究所ニュース 2021年6月号

PR TIMES / 2021年6月3日 19時15分

コロナ禍の市民ストレス調査報告

静岡県くらし交通安全課が2020年12月に実施した県民調査で、静岡県民、特に4割近い者は、コロナ禍の下で様々なストレスを抱え生活していることがわかりました。ストレスがもたらす絶え間ない圧力を抑え続ける自己規制力の低下、さらにはこのストレスフルな生活から、「ささいなことを原因とする」「行きずり」的な喧嘩口論・暴行・傷害事件、「つい手を出し」て罪の意識の軽微な万引き、また自己陶酔・自己否定(現実のストレスフルな生活から逃れたい、忘れたいなど)の作用を求めての反社会あるいは非社会的行為(行きずりの性犯罪・性非行や大麻・覚醒剤乱用・過剰な飲酒、自死など)に走りかねない者が多く生じる可能性があります。家庭内でもストレスの蓄積が進み家庭内暴力、家族間のいじめなどの問題解決志向型安全教育が生じる可能性が多分にあります。
今後犯罪行為のみならず日常生活全般の行為に目配りした安全安心生活施策の推進が求められます。特に女性あるいは若者がストレスフルな者の多いことに注意し、対応を検討しておく必要があります。最近の全国統計からみて、静岡県のみならず日本全国の傾向ではないかと推察されます。



※2021年6月3日18時11分にPR TIMESより送付しましたプレスリリースに関して、システムの不具合により画像が正しく表示されておりませんでしたので、 再送させていただきます。

 (株)ステップ総合研究所ニュース:2021/05/31

1 調査の枠組み
●目的
ステップ総合研究所は、静岡県くらし交通安全課と協同して、静岡県民の犯罪からの安全な生活実態(警察に届け出ない暗数がどの位あるか、見守り活動への参加意欲など)を把握し、県政の安全施策推進の基礎資料を得ることを目的とし、平成14(2002)年度から今回調査を含め合計5回の調査を実施してまいりました。
 今回、私どもの発表と合わせ静岡県でも同時に記者発表を行っております。
●発表内容
 今回の調査時期は、世界的なコロナ禍と重なっています。当然、市民の安全安心な日常生活に、現在のみならず将来にわたり大きな影響を及ぼしたと見られます。
このことを踏まえ今回第5回調査では、特に市民(静岡県民)の心理的ストレス(心理的圧力・緊張)の有無とその内容を計ることを目的とする表Aの質問10項目を加え実施しました。この10の質問項目は、表Aの質問項目末尾に既述しております「ストレス内容」を把握するべく(株)ステップ総合研究所が独自に作成しました。
●調査期日
 令和2(2020)年12日~12月28日。
●調査対象
 調査地域は静岡県内で、対象者は静岡県内在住の満18歳以上の男女であります。調査は、調査対象者への調査票の郵送法で実施しました。
調査対象者の抽出は、過去4回調査を通じ
1.基本設定標本数=2,700票」とし、2.県内を東部・中部・西部の3地域に区分し、3.その3地域の人口割合に従って基本設定標本数を割り振り、4.さらにその3地域ごとの性別及び年齢構成に偏りのない市部・郡部の22市(区)町を抽出、5.その当該22市(区)町の中の18歳以上人口数(選挙人簿登録者数)から、人口の性と年齢の割合を壊さないようランダムサンプリングし、2,700人を割り振って調査を実行しました。
 調査実施の結果、調査票記述内容の不備な表を除き、最終有効調査票は1,096人となりました。


2 調査結果
調査対象1,096人の「ストレス」に関する回答は以下のとおりです(図)。

令和2(2020)年3月以降、コロナ禍の下での気分


[画像1: https://prtimes.jp/i/80846/2/resize/d80846-2-955755-0.png ]


●主な分析結果
図1から以下のことが明らかとなりました。
(1)コロナ禍が始まる前に比べ、何らかの行動や心理などで「変化はなかった」という者とあったという者が半数ずつを占めている。

(2)性別に見ると、男性(41.6%)に比べ女性(50.6%)の方が、「変化があった」という者が10ポイントほど多い。

(3)ストレス内容を具体的に表しているイからコの9種の行為を見ると、「何かと悲観的に考えるようになった」者(18.9%)が最も多い。

(4)このことと合わせ、「ふと『死ぬこと』を考えることが多くなった(6.5%)」と回答した者に注目すると、悲観者の多くがコロナ禍の下、単なる心理的悲観に止まらず、より強い自己否定(自死)状況にまで陥っているのではないかと思われる。
 例えば「悲観」と「死」の重なりを見ると、悲観的な者207人の内の22.7%(47人)が、「ふと『死ぬこと』」を考えているのに対し、悲観的でないと回答した889人で「死」をふと考えた者は、僅か2.7%(24人)でしかない。こうした傾向に性別や年齢別で大きな差はない。

(5)一方、こうした自己否定的な心理傾向とは逆に「イライラして怒りっぽくなった者(10.9%)も比較的多くを占め、「何かと人を許せなくなった(4.7%)」や「知らない人に対してでもささいなことで『カッとなる』ことが多くなった(4.1%)」と合わせ考えると、自制心を失いがちで、人々の間に知り合いであろうと無かろうと何かに付けイラつき、他者に非許容的で攻撃的な心理的傾向を生じていることがうかがえる。こうした傾向に性別や年齢別で大きな差はない。

(6)以上のような、自己否定と他者攻撃的心理傾向に陥った者の存在がうかがえると同時に、その中間である「これから先のことなど考えなくなった(9.5%)」や「何かにつけ自分で考え自分で決めようとすることがイヤになった(5.3%)」などといった、「(長期的視野を持って自分を)考えたくない」あるいは「(周りと)関わりたくない」という投げやり的刹那的で厭世的あるいは孤立しがちな心理傾向に陥った者も確かな数生じている。こうした傾向に性別や年齢別で大きな差はない。

(7)以上の10の項目は、それぞれの項目ごとに○がつけられ、一人で幾つものストレスに○をつけている可能性がある。そこでストレス診断項目イからコの9項目に「一人で幾つ○をつけた」かのストレス蓄積度(○をつけた項目数が多いほどストレス蓄積度大。最大9度)を計算してみた。その結果以下のことが分かった。
「1つもない=ストレスフリー」の者が62.6%を占め最も多い(表B)。
逆に言えば県民の4割近くは何らかのストレスを抱えて生活していることが分かった。
先の表Aに見たように、コロナ禍で「生活に変化があった者(46.4%)」の中に、「生活の変化はあった」が必ずしもここで挙げた9つのストレスは感じていない者のいる(16.2%)ことがうかがえる。
 1つ以上のストレスを挙げた者の内では、最高7つのストレスを蓄積している者が一人いる。最も多かったのは「1つだけ」という者(20.3%)で、次いで「2つ」という者が9.9%を占めている。

(8)また男女の性別で見ると男性よりも女性にストレスを抱えた者、それも複数のストレスを抱えた者の多いことが指摘できる。
[画像2: https://prtimes.jp/i/80846/2/resize/d80846-2-524177-1.png ]


●結論
静岡県民、特に4割近い者は、コロナ禍の下で様々なストレスを抱え生活しており、ストレスがもたらす絶え間ない圧力を抑え続ける自己規制力の低下、さらにはこのストレスフルな生活から逃れたい、忘れたいなどの気分などを背景に「ささいなことを原因とする」「行きずり」的な喧嘩口論・暴行・傷害事件、「つい手を出し」て罪の意識の軽微な万引き、また自己陶酔・自己否定(現実のストレスフルな生活から逃れたい、忘れたいなど)の作用を求めての反社会あるいは非社会的行為(行きずりの性犯罪・性非行や大麻・覚醒剤乱用・過剰な飲酒、自死など)に走りかねない者が多く生じる可能性があります。また家庭内でも発散できないストレスの蓄積が進み家庭内暴力、家族間のいじめ、ひきこもり


などの問題解決志向型安全教育が生じる可能性が多分にあります。
今後犯罪行為のみならず日常生活全般の行為に目配りした安全安心生活施策の推進が求められます。特に女性あるいは若者がストレスフルな者の多いことに注意し、対応を検討しておく必要があります。
 以上の状況は、最近の全国統計からみて、静岡県のみならず日本全国の傾向ではないかと推察されます。

(文責  (株)ステップ総合研究所長  清永奈穂)

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