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ミャンマー・クーデターから2年。市民が共同声明の提出へ「日本政府は対ミャンマー政策の再構築を!」

PR TIMES / 2023年1月20日 12時15分

 ミャンマーで国軍によるクーデターが発生してから2月1日で2年となることを受けて、「#ミャンマー国軍の資金源を断て」キャンペーンを行ってきたNGO 5団体および宗教者、大学教員、ジャーナリスト、弁護士、作家など幅広い分野で活動する36名の呼びかけ人は、日本政府に対ミャンマー政策の再構築を求める共同声明への賛同の呼びかけを開始しました。
 日本政府はクーデター以降、ミャンマー国軍に対し「暴力の即時停止」、「拘束された関係者の解放」、「民主的な政治体制の早期回復」を求めていると繰り返し述べていますが、この2年間、日本政府の呼びかけは何ら効果を上げていません。それどころか、二国間の約束に基づくはずの政府開発援助は継続され、内閣官房内閣審議官がミャンマー国軍が設置した国家統治評議会の高官と面会するなど、日本政府の対ミャンマー政策は言行不一致な状態です。
 今回の共同声明では、こうした日本政府の政策における矛盾を四つの視点から整理して改善を要請します。市民や市民団体から広く賛同を集め、2月1日に日本政府に提出する予定です。



[画像1: https://prtimes.jp/i/106253/10/resize/d106253-10-4bb7423a6ef355c87229-1.jpg ]


・「#ミャンマー国軍の資金源を断て」キャンペーンの構成団体:
メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター(JVC)、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)

・呼びかけ人: 雨宮処凛(作家・活動家), 秋林こずえ(同志社大学教員), 稲葉剛(立教大学大学院客員教授), 飯塚拓也(日本キリスト教協議会東アジアの和解と平和委員会), 飯島滋明(名古屋学院大学教授 憲法学・平和学), 岡田隆法(真言宗豊山派), 太田昌国(評論家・編集者), 大河内秀人(見樹院住職・INEBメンバー), 大野和興(日刊ベリタ編集長), 亀山仁(写真家), 畠山澄子(ピースボート), 纐纈厚(明治大学国際武器移転史研究所客員研究員), 佐々木寛(新潟国際情報大学教授(政治学), 佐伯奈津子(インドネシア民主化支援ネットワーク), 志田陽子(武蔵野美術大学造形学部教授), 清水雅彦(日本体育大学教授(憲法学)), 瀬戸大作(一般社団法人反貧困ネットワーク事務局長), 高原孝生(明治学院大学教員), 竹信三恵子(ジャーナリスト), 武井由起子(弁護士), 武田隆雄(日本山妙法寺僧侶), 平良愛香(日本基督教団川和教会牧師), 高坂勝(NPOSOSAPROJECT), 筑紫建彦(憲法を生かす会), 永井浩(ジャーナリスト), 永山茂樹(東海大学教員), 中尾恵子(日本ビルマ救援センター代表), 中野晃一(上智大学教授), 根本敬(上智大学教授), 昼間範子(日本カトリック正義と平和協議会事務局), 東澤靖(明治学院大学法学部教授・弁護士), 村主道美(学習院大学法学部教授), 守屋友江(南山宗教文化研究所), 湯川れい子(音楽評論家・作詞家), 吉高叶(NCC日本キリスト教協議会議長), 渡邊さゆり(アトゥトゥミャンマー支援 共同代表)

*呼びかけ人からのメッセージは以下のサイトをご覧ください。
https://foejapan.org/issue/20230112/11158/
・賛同フォーム(上記ウェブサイトからもアクセス可能です)
https://ssl.form-mailer.jp/fms/3737ee0d771076

[画像2: https://prtimes.jp/i/106253/10/resize/d106253-10-ccccb52dab7d087c20d0-0.jpg ]



023年2月1日

共同声明 クーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を

2021年2月1日にミャンマー国軍が引き起こしたクーデター以降、同国では国軍や警察による民間人に対する暴力が継続し、多数の死傷者及び拘束者が発生している。国連の12月初旬の報告によると、ミャンマーには推定147万3千人の国内避難民(IDP)がおり、そのうち、クーデター以降に新たに避難民となった人は114万3千人にも及ぶ。また、国軍の無差別砲撃や空爆により、子どもを含む多数の民間人が死傷している。弾圧に追い詰められ、武器を手にした若者も少なくなく、各地で武力衝突が発生し、事態は混迷を極めている。このような事態に陥った原因は、ミャンマー国軍が選挙で国民の圧倒的な支持により選ばれた政府を打倒したことにある。日本政府はクーデター以降、ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めている。しかしこの2年間、日本政府の呼びかけは何ら効果を上げていない。それどころか、日本政府のミャンマーに対する働きかけには大きな矛盾がある。

国軍が選挙で選ばれた政府を倒した後も、日本政府は、二国間の約束に基づくはずの政府開発援助(ODA)を継続している。更に、2022年に経済開発担当の内閣官房内閣審議官がミャンマーを複数回訪問し、国軍の設置した国家統治評議会(SAC)の高官と面会もしている。そのうえ、会談内容は明らかにされていない。このような日本政府の対応は、国際法に違反し人権侵害を続ける国軍と日本政府の親密な結びつきを想起させ、ミャンマーの市民から批判を受けている。またSACとの経済的な関係を維持することは、平和、自由、平等、民主主義、人権、法治などの「普遍的な価値」を外交の柱に据えていると標榜する政府方針とも矛盾している。これらを踏まえ、私たちは以下の点を強く要請する。

1. ミャンマー国軍が暴力を停止し、恣意的に拘束した全ての人々を解放し、かつ、国民民主連盟(NLD)関係者や民主化を求める市民、少数民族武装勢力等も含めた対話の上で、民主化移行プロセスへの復帰を具体化するまで、ODAなどの政府による経済協力は一旦これを全て停止すべきである。

2. 国軍とその上層部は、軍系企業とその経済網から莫大な利益を得ていることが明らかとなっていることから、国軍や国軍系企業の関与するビジネスは日本の官民共にこれを停止すべきである。

3. ミャンマー国軍がクーデター以前から長期にわたり、民主主義を求める市民やビルマ民族以外の自治を求める民族、宗教マイノリティに対して、凄惨な暴力を行使し、その権力を維持してきたことをあらためて認識した上で、今後の対ミャンマー政策を再構築すべきである。

4. ミャンマーの市民の支持する国民統一政府(NUG)や少数民族地域の各グループ、また市民グループなど幅広いステークホルダーと対話し、生存を脅かされている避難民へ国境を越えた援助ができる体制を、日本政府が国際社会と共に築いていくことを強く求める。

いわゆる2011年の民政化は、軍事政権が制定した2008年憲法の下で、内務、国境、国防などの武装組織を指揮する省庁は国軍の支配下にあり、選挙によって選ばれた文民主導の政府との間で権力を分担する不十分な民主化でしかなかった。それにも関わらず、日本は官民共に経済的な支援を優先し、ミャンマーの真の民主化を求めてこなかった。それ以前の1990年代から、日本は官民でミャンマーの海上ガス田開発に関与し、当時の軍政に莫大な利益をもたらしてもいる。このことを私たちも含め深く反省する必要もある。その上で、ミャンマーの人々との新たな関係を築く努力を始める時である。

以上

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