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米インサイト社と独MorphoSys社の米国子会社、tafasitamab+レナリドミド併用療法に関するRE-MIND2試験による追加的なリアルワールドエビデンスを発表

PR TIMES / 2022年1月11日 13時45分

再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象として



本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせていただくようお願いいたします。

・RE-MIND2試験:L-MINDピボタル試験参加集団と、米国国立総合がんネットワーク/欧州臨床腫瘍学会の推奨治療法を受けたマッチング患者集団を比較する試験
・後ろ向きコホート解析の結果、Pola-BR療法・R2療法と比較して全生存期間の有意な延長を示す

米国マサチューセッツ州ボストン、米国デラウェア州ウィルミントン―2021年12月11日―
独MorphoSys AG(本社:ミュンヘン、FSE・ナスダック:MOR)の完全子会社であるMorphoSys US Inc.(以下「MorphoSys」)とインサイト・コーポレーション(本社:米国デラウェア州、ナスダック:INCY、以下「インサイト」)はこのたび、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の成人患者を対象として、一般的な治療法とtafasitamab+レナリドミド併用療法を比較するRE-MIND2試験から得られた、追加的なリアルワールドエビデンスを発表しました。本疾患の一般的な治療法とは、ポラツズマブ ベドチン+ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法(Pola-BR療法)、リツキシマブ+レナリドミド併用療法(R2療法)、抗CD19キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T療法)などです。本データは、2021年の血液腫瘍学会年次総会(SOHO2021)で発表された一次解析結果(外部サイト: SOHO 2021 Annual Meeting: https://epostersonline.com/soho2021/node/99 )を基にしたもので、2021年12月11~14日に米国ジョージア州アトランタで開催された第63回米国血液学会年次総会(ASH2021、ハイブリッド形式)の口頭発表演題として採択されました。

RE-MIND2試験の治験責任医師である、米国Mayo Clinicの医学・腫瘍学部門のGrzegorz Nowakowski教授(M.D.)※は、次のように述べています。「今回の後ろ向きコホート研究は、従来治療困難とされてきた、自家造血幹細胞移植(ASCT)に適応のない再発または難治性DLBCL患者を対象としています。tafasitamab+レナリドミド併用群では、Pola-BRあるいはR2療法群と比較して、全生存期間(OS)に統計学的有意差が認められ、tafasitamab+レナリドミド併用群のほうが好ましい結果でした。また、tafasitamab+レナリドミド併用群とCAR-T療法群のOSは同程度でした。tafasitamab+レナリドミド併用療法が患者さんの生存期間に影響を与える可能性について、引き続き検討していきます。」

ASH2021で発表されたRE-MIND2試験結果によると、tafasitamab+レナリドミド併用群では、複数の評価項目で統計学的有意差が認められました。具体的なデータは次のとおりです。
・全生存期間(OS)―主要評価項目
- Pola-BR療法群の7.2ヵ月に対し、tafasitamab+レナリドミド併用群では20.1ヵ月であり、有意な延長を認めた(p=0.038)
- R2療法群の7.4ヵ月に対し、tafasitamab+レナリドミド併用群では24.6ヵ月であり、有意な延長を認めた(p=0.014)
・OS中央値
- CAR-T療法群の15ヵ月に対し、tafasitamab+レナリドミド併用群では22.5ヵ月であり、有益性は同程度で統計学的有意差は認められなかった
・客観的奏効率(ORR)―主な副次評価項目
- R2療法群の30.3%に対し、tafasitamab+レナリドミド併用群では63.6%であり、有意に高値を認めた(p=0.013)
・完全奏効率(CR)―主な副次評価項目
- R2療法群の15.2%に対し、tafasitamab+レナリドミド併用群では39.4%であり、有意に高値を認めた(p=0.0514)
・安全性評価項目:本試験では設定なし
※ tafasitamab+レナリドミド併用群で最もよくみられた有害事象(AE)は、疲労感または脱力感、下痢、咳嗽、発熱、下腿または手の腫脹、気道感染、食欲減退であった

試験実施医療機関は200施設あり、3,454例が組み入れられています。そのうち、Pola-BR療法群が106例、R2療法群が106例、CAR-T療法群が149例でした。tafasitamab+レナリドミド併用群との比較分析のために、キャリパーを伴う1:1最近傍マッチングを用いてペアを抽出しました。設定されたペア数は、それぞれ次のとおりです。tafasitamab+レナリドミド併用群 vs Pola-BR療法群:24組、vs R2療法群:33組、vs CAR-T療法群:37組。

MorphoSysのSenior Vice Presidentであり、Medical Affairs部門のGlobal HeadであるNuwan Kurukulasuriya博士(Ph.D.)は、次のように述べています。「RE-MIND2試験は、実臨床に関するリアルワールドエビデンスを創出するために、当社が継続的に取り組んでいることの一つです。このような取り組みによって、がんの臨床的不均一性をより現実的に捉え、患者さんの身に何が起きているのか動的に評価しようとしているのです。今回得られたデータは、tafasitamabとレナリドミドの併用療法が患者さんにとって有益な治療選択肢となり得ることを示すものであり、将来、DLBCL治療の中核となる可能性も期待できるのではないかと考えています。」

インサイトのGroup Vice Presidentであり、Oncology Targeted Therapies(がん分子標的療法領域)を担当するPeter Langmuir(M.D.)は、次のように述べています。「RE-MIND2試験のデータでは、再発または難治性のDLBCL患者の生存期間に対するベネフィットが認められました。tafasitamab+レナリドミド併用療法を、DLBCLの二次治療における標準的な治療法として確立していくために、臨床データをさらに探索し、この新しい治療法をDLBCLの患者さんに、さらには他の適応症の患者さんにもお届けできるようにと考えております。」

今回の発表内容は、第63回米国血液学会年次総会(ASH2021)のウェブサイトで公開されています(口頭発表演題番号183):https://www.hematology.org/meetings/annual-meeting

2020年7月、米国食品医薬品局(FDA)は、低悪性度リンパ腫から進展したDLBCLを含む再発または難治性DLBCL(非特異型)を来たし、ASCT適応のない成人患者を対象に、レナリドミドとの併用療法としてtafasitamab-cxixを承認しました(国内未承認)。本適応症に対しては、ORRのデータに基づき早期承認の手続きが取られました。本適応症の承認継続には、検証試験での臨床的有用性の確認・説明が条件となる場合があります。今回の米国での承認は、臨床検査センターによる組織学的な確定診断を得た71例の有効性サブグループ解析に基づいています。また、一次治療中または一次治療後に進行した成人DLBCL患者に対する二次治療の承認は、FDAとして初の判断です。

※Nowakowski教授はMorphoSysのコンサルタント・顧問です。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)について
DLBCLは、成人の非ホジキンリンパ腫のなかでも世界中で最もよくみられ(1)、悪性B細胞が、リンパ節、脾臓、肝臓、骨髄などさまざまな臓器で急速に増殖することが特徴です。進行性の疾患であり、約40%の患者さんで一次治療が奏効しないか再発するため(2)、特にASCTに適応のない患者さんに対し、新しい有効な治療法が待ち望まれています(3)。

RE-MIND2試験について
RE-MIND2試験(NCT04697160)は、米国国立総合がんネットワーク(NCCN)または欧州臨床腫瘍学会(ESMO)が推奨する全身治療歴を有し、ASCTに適応のない、再発または難治性DLBCL患者を対象とするL-MIND試験から得られたデータを比較検討する、観察的後ろ向きコホート研究です。本試験では、L-MIND試験参加例の対照群を、当該試験の対象外患者集団から抽出したため、リアルワールドデータを活用しました。本試験の主要解析では、L-MIND試験の結果を、ゲムシタビン+オキサリプラチン+リツキシマブ併用療法(R-GemOx療法)、ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法(BR療法)、NCCN/ESMO推奨全身治療歴を有する群それぞれで抽出されたマッチング例と比較しました。追加解析では、tafasitamab+レナリドミド併用群と、Pola-BR・R2・CAR-T療法群とをそれぞれ比較検討しました。

本試験の適格基準は、組織学的にDLBCLが確認され、DLBCLに対して2種類以上の全身治療歴(抗CD20療法が1種類以上であること)を有する18歳以上の患者です。主要評価項目は全生存期間(OS)であり、副次評価項目は、全奏効率(ORR)、完全奏効率(CRR)、奏効期間(DOR)、無イベント生存期間(EFS)、無増悪生存期間(PFS)、次治療までの期間(TTNT)、有害事象による治療中止率、治療曝露期間などです。

tafasitamabについて
tafasitamabは、ヒト化Fc修飾細胞溶解性抗CD19モノクローナル抗体です。MorphoSysは2010年、米国Xencor社から、tafasitamabの全世界での独占的開発・販売権を獲得しました。tafasitamabには、Xencor社のXmAb(R)技術によって修飾されたFc領域が組み込まれており、この修飾Fc領域が、アポトーシス(細胞死)によるB細胞の溶解、あるいは抗体依存性細胞傷害や抗体依存性細胞貪食などの免疫エフェクター機序の誘因となります。

tafasitamab-cxixは米国で、低悪性度リンパ腫から進展したDLBCLを含む再発または難治性DLBCL(非特異型)を来たし、ASCTに適応のない成人患者に対する、レナリドミドとの併用療法が、FDAによる承認を受けています。この適応症は、ORRのデータに基づき早期承認されました。本適応症の承認継続には、検証試験での臨床的有用性の確認・説明が条件となる場合があります。

なお欧州では、tafasitamabはASCTに適応のない再発または難治性DLBCLに対するレナリドミドとの併用療法として条件付き販売承認を取得し、その後単剤療法に対しても条件付き販売承認を得ています。

tafasitamabに対しては、B細胞性悪性腫瘍の治療選択肢として、他剤と併用する臨床試験が複数進行中です。

tafasitamabは、米国ではインサイトとMorphoSys社が共同で販売しており、欧州ではインサイトが販売しています。

XmAb(R)は、Xencor社の登録商標です。

MorphoSysについて
独MorphoSys AG(FSE・ナスダック:MOR)は、がんや自己免疫疾患の患者さんのための革新的な治療法の発見、開発、商業化に取り組むバイオ医薬品企業であり、上市後の製品も有します。MorphoSysは、抗体、タンパク質、ペプチド技術における優れた専門性を基に、パートナー企業と100以上の候補化合物を開発した実績があり、そのうち27の候補化合物が現在臨床開発中です。2017年には、米国Janssen Research & Development, LLCが開発し、米国Janssen Biotech, Inc., が販売している、尋常性乾癬治療薬であるTremfya(R)が、MorphoSysの抗体技術に基づく初めての医薬品として、規制当局の承認を受けました。2020年7月、米国食品医薬品局(FDA)は、MorphoSysの独自製品であるtafasitamab-cxixに対し、特定のリンパ腫患者を対象としたレナリドミドとの併用療法として早期承認しました。MorpyoSysグループは、ドイツのミュンヘン近郊に本社を置き、米国の完全子会社であるMorphoSys US Inc.をはじめ600人以上の従業員を擁しています。詳細につきましては https://www.morphosys.com/ または https://www.morphosys-us.com/ をご覧ください。

Tremfya(R)はJanssen Biotech, Inc.,の登録商標です。

インサイトについて
インサイト・コーポレーション(インサイト)は、米国デラウェア州ウィルミントンに本社を置く、グローバルなバイオ医薬品企業です。自社開発治療薬の創薬、開発、販売を通じて、最も重要なアンメットメディカルニーズへのソリューションの追及に全力を尽くしています。インサイトに関する詳細な情報は、当社ウェブサイト(Incyte.com: https://www.incyte.com/)または当社ツイッター(@Incyte: https://twitter.com/Incyte)をご覧ください。

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社に関する詳細は、Incyte.jp(INC: https://www.incyte.jp/ ) をご覧ください。

[画像1: https://prtimes.jp/i/60544/11/resize/d60544-11-11d44d1322f909c8dc78-1.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/60544/11/resize/d60544-11-6c07db23ea4198b30b81-0.jpg ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/60544/11/resize/d60544-11-b85223bce4d98c5014ed-2.jpg ]


参考文献
(1) Sarkozy C, et al. Management of relapsed/refractory DLBCL. Best Practice Research & Clinical Haematology. 201831:209–16. doi.org/10.1016/j.beha.2018.07.014. (https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1521692618300562?via%3Dihub)
(2) Skrabek P, et al. Emerging therapies for the treatment of relapsed or refractory diuse large B cell lymphoma.Current Oncology. 2019 26(4): 253–265. doi.org/10.3747/co.26.5421. ( https://www.mdpi.com/1718-7729/26/4/5421 )
(3) Skrabek P, et al. Emerging therapies for the treatment of relapsed or refractory diuse large B cell lymphoma.Current Oncology. 2019 26(4): 253–265. doi.org/10.3747/co.26.5421. (https://www.mdpi.com/1718-7729/26/4/5421 )

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-60544-2022010716-9a59e4d439cb799b9fcd1cd49b3db870.pdf

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