テュフ ラインランド ジャパン、日立製作所と共同研究太陽電池モジュールの「高加速温度サイクル試験サービス」を開始
PR TIMES / 2015年9月9日 11時51分
-実環境使用約10年に相当するモジュールの長期信頼性を約1ヵ月の試験で評価-
[画像: http://prtimes.jp/i/5788/21/resize/d5788-21-251795-1.jpg ]
テュフ ラインランド ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:ホルガー・クンツ)は、本日より、「高加速温度サイクル試験サービス」を開始します。本試験サービスは、テュフ ラインランド ジャパンと株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長兼COO:東原 敏昭)との共同研究成果によるものです。
「高加速温度サイクル試験」は、国際規格(IEC 61215等)の試験条件をより厳しくすることで劣化の進行を加速し、太陽電池モジュールの長期信頼性を従来の規格試験よりも半分から3分の1の試験期間で評価するものです。今回研究した加速条件をあてはめることにより、実環境使用7~10年程度に相当するモジュールの長期信頼性を、約1ヵ月の試験期間(試験前後の出力評価等も含めると8週間)で評価が可能*となります。これにより、従来と比較すると、2~3ヵ月要した試験期間を約1ヵ月に短縮できます。*テュフ ラインランド ジャパン試算
本サービスでは、初期の定格出力検証も行い、初期性能および長期信頼性について3段階のランク付けを行います。この判定基準は、過去に行ったさまざまなモジュールの信頼性評価結果をもとに策定しています。これにより、評価対象モジュールの性能・信頼性の水準が明確になりますので、モジュール調達者は製品選定時の比較検証や受入検査に、金融機関等は第三者検査機関による資産適正評価(デューディリジェンス)として活用することができます。また、モジュールメーカーは、このランクをマーケティングツールとしてアピールすることができます。本サービスにより品質の高いモジュールが市場に流通することが期待されます。
基本の試験サービスの他に、試験期間を延長し、実環境20年相当の評価をする試験も提供します。
【背景】
2012年に固定価格買い取り制度が導入されて以降、日本の太陽光発電市場は1メガワット(1,000キロワット)を超える大規模太陽光発電所(メガソーラー)を中心に急速に普及が拡大しています。メガソーラーにおいて、太陽電池モジュールの経年劣化による発電量低下は、事業収益に直接影響を及ぼすことから、太陽電池モジュールの長期信頼性は重要です。そのため、建設前の選定や運転中のモジュールについて、短期間で評価可能な加速劣化試験方法が市場関係者から強く要望されてきました。
【共同研究内容】
本共同研究は、加速劣化試験と実環境での屋外曝露を関連付ける加速条件を明らかにすることを目的として実施してきました。まず、実環境下における太陽電池モジュールの主な出力低下要因としてモジュール内部の電極の断線や半田接合部劣化等が原因であることを明らかにし、この劣化を加速・促進させる試験方法や、その試験条件、実環境との相関を検討してきました。
その結果、本劣化要因を再現させるためには、モジュールの温度を-40℃~85℃まで繰返し変化させる温度サイクル試験が有効であることと、国際規格(IEC 61215等)に規定されている試験条件では、実環境20年相当の長期信頼性を評価するには1,200~1,300サイクル程度のサイクル数が必要であることが明らかになりました。この条件では、IEC規格で規定されている200サイクルの約6倍程度の試験期間を要する事から、半年以上の多大な試験時間が必要となります。
そこで、より短期間で評価することが可能な加速試験条件を検証した結果、適切な範囲で温度ストレスをより大きくすることで、従来の温度サイクル試験と同等の劣化要因を維持しながら、劣化の進行が加速されることを見出しました。得られた加速係数は、試験期間を従来の半分から3分の1に短縮させることが示唆されました。この条件で行う試験が「高加速温度サイクル試験」です。
本成果は、実環境と加速劣化試験における劣化要因の同等性を確認した点と、その劣化による出力変化量を厳密に評価し、ストレス水準との相関を得た点から、太陽電池モジュール劣化加速性を体系的に検証した初めての事例となります。
本研究を共同で実施した日立製作所は、高信頼で高効率な機器を使ったメガソーラーの建設で豊富な実績を有しています。また、高感度で太陽電池モジュールの故障を検出できる独自の技術を用いた故障診断を始めとした各種サービス等も提供しています。
テュフ ラインランド ジャパンは、太陽光発電分野では太陽電池モジュールの認証試験とともに、各種信頼性試験や二次基準太陽電池校正を提供しています。また、世界最高レベルの性能測定技術を有し、カスタマイズ試験など多くの試験を行っています。今後も、太陽光発電ビジネスの発展に貢献してまいります。
【テュフ ラインランド グループについて】
テュフ ラインランドは、140年の歴史を持つ世界でもトップクラスの第三者検査機関です。69ヵ国に拠点があり、従業員数は19,300人、年間売上高は17億ユーロにのぼります。第三者検査のエキスパートとして、人々の暮らしのあらゆる面で、品質、安全、環境、テクノロジーを支えています。産業用装置や製品、サービスの検査だけではなく、プロジェクト管理や企業のプロセス構築もサポートしています。また幅広い業種、職種について、専門的なトレーニングも実施しています。こうしたサービスは、テュフ ラインランドの認定ラボや試験設備、教育センターのグローバルネットワークによって支えられています。テュフ ラインランドは、2006年より国連グローバル・コンパクトのメンバーとして活動しています。ウェブサイト: www.jpn.tuv.com
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