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ODA円借款事業受注企業のミャンマーでの人権配慮に関する質問状への回答

PR TIMES / 2024年3月15日 20時40分

継続的な人権デュー・ ディリジェンスの実施が強く求められる

5つの市民団体が、ミャンマーでのODA円借款事業を受注した日本企業のうち30社に対し、人権デュー・ ディリジェンスの実施状況についての質問状を送付し回答を求めていたところ、本日までに 30社のうち株式会社ピーエス三菱を除く29社から回答が得られた。
 質問状では、人権デュー・ ディリジェンスの実施状況、実施していない場合の各社の人権方針との整合性、国連の独立調査団の報告書に掲載されている軍系企業が関連企業としてサプライチェーンに入っていないか、または資材などをそれら企業から調達していないか、工事現場や事業関連施設で軍や治安部隊による警備が行われているか確認を行なったかについて回答を求めた。
22社は、軍系企業がサプライチェーンにはいっていないことなどについての確認をしていると回答した。また人権侵害を引き起こす可能性がある「警備」について、実施されたことがあると回答した企業があり、継続的な人権デユー・ディリジェンスの実施が強く求められる。



[画像: https://prtimes.jp/i/106253/25/resize/d106253-25-5f88940f20e0e6d620ee-0.jpg ]

 国際環境NGO FoE Japan/武器取引反対ネットワーク(NAJAT)/アーユス仏教国際協力ネットワーク/日本国際ボランティアセンター(JVC)/メコン・ウォッチの5つの市民団体は、ミャンマーでのODA・円借款事業を受注した日本企業のうち30社に対し、人権デュー・ ディリジェンスの実施状況についての質問状を送付し回答を求めていたところ、本日までに 30社のうち株式会社ピーエス三菱を除く29社から回答が得られました。

 ミャンマーでは、ミャンマー軍が2021年2月1日にクーデターを起こし、選挙で選ばれた政権を転覆させて以降、同軍が戦争犯罪と人道に対する罪にも相当する深刻な人権侵害を続けています。そのためミャンマー全土で国内避難民が激増し、その数は270万人を超えている[*1]と推定されています。このミャンマー軍は、その活動資金の一部をビジネスから得ていることが明らかとなっています。国連の独立調査団は2019年発表の報告書で[*2]、同軍が国内外の商取引から得る収入が、同軍が深刻な人権侵害を行う能力をおおいに高めていると指摘しています。

 質問状では、人権デュー・ ディリジェンスの実施状況、実施していない場合の各社の人権方針との整合性、国連の独立調査団の報告書に掲載されている軍系企業が関連企業としてサプライチェーンに入っていないか、または資材などをそれら企業から調達していないか、工事現場や事業関連施設で軍や治安部隊による警備が行われているか確認を行なったかについて回答を求めました。
 
 JFEエンジニアリング株式会社、株式会社トーエネック、株式会社三井E&S、東洋建設株式会社他が受注したティラワ地区インフラ開発事業と、戸田建設株式会社が受注したヤンゴン都市圏上水整備については、2021年2月のクーデター以前に事業が終了していたとの回答でした。

 一方、東西経済回廊整備事業を受注した株式会社安藤・間からは「個別案件に関するお問い合わせは回答を差し控えさせていただく」との回答がありました。また、ミャンマー軍が収益を得ていることが明らかになっているバゴー橋建設事業を受注した株式会社横河ブリッジと三井住友建設株式会社からも同様の回答がありました。

 クーデター以前に事業を終了していたと説明した2社も含めた22社は、国連の独立調査団の報告書に掲載されている軍系企業が関連企業としてサプライチェーンに入っていないこと、または資材などの調達にそれら企業が関与していないことを確認していると回答しました。

  ミャンマーではこれまで、紛争地域での円滑な事業実施のために軍による「警備」が行われ、事業周辺地域の人々に対する人権侵害が起きた事例がみられました。そのため、質問状では工事現場や事業関連施設で軍や治安部隊による「警備」が行われているかの確認を求めましたが、東急建設株式会社は「「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備」の当社工区では発注者側による周辺警備が行われている事実を認識しております」と回答しています。また同事業を受注した新潟トランシス株式会社も「ミャンマー国鉄に対して現場の安全確保を求めた結果、同社の要請で軍・警察による警備が実施されたことがありました」と回答しています。軍や治安部隊による警備を受けた企業は、その警備によって人権侵害が引き起こされていなかったか、慎重に確認する必要があるでしょう。

 また、現在も事業を実施中の企業には、継続的な人権デュー・ ディリジェンスの実施が強く求められます。

 今回の回答結果は、各社のビジネスと人権への取り組みと、社会に対する情報開示の姿勢を示すものともなっています。各社の回答については、こちらのページの下段の一覧表をご覧ください。

ODA円借款事業受注企業のミャンマーでの人権配慮に関する質問状を送付
http://www.mekongwatch.org/report/burma/mbusiness/inquiryHRDD2024Jan.html
(2024/1/30)

[*1] OCHA. Myanmar Humanitarian Update No. 36, 3 March 2024
https://www.unocha.org/publications/report/myanmar/myanmar-humanitarian-update-no-36-3-march-2024
[*2] メコン・ウォッチ.「メコン河開発メールニュース:ミャンマー クーデター前、2019年に国連が国軍の経済的利益について報告書」(2021.2.24) http://www.mekongwatch.org/resource/news/20210224_01.html
報告書 “Economic interests of the Myanmar military”(2019年8月5日)
https://www.ohchr.org/EN/HRBodies/HRC/MyanmarFFM/Pages/EconomicInterestsMyanmarMilitary.aspx

質問状を送付したODA円借款事業受注企業と受注事業
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/106253/table/25_1_de145a156c3d5f79ce8c1e4ed4d1b85f.jpg ]

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/106253/table/25_2_9cdec624fc9f8947e7a0a84a814f7d46.jpg ]

[表3: https://prtimes.jp/data/corp/106253/table/25_3_8ecf95dbae15b82e2f6436c73583cb81.jpg ]


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