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マーサー 『2020年世界生計費調査‐都市ランキング』を発表

PR TIMES / 2020年6月9日 10時30分




海外駐在員にとって物価が高い都市のトップは昨年と同じく香港、最下位はチュニス
東京は3位にランクイン
各国通貨に対する米ドルの上昇により、米国都市の順位が上昇
多国籍企業は海外派遣に代わる、従業員のウェルビーイング(心身の健康)に焦点を当てたモビリティプログラムの見直しが重要となる

世界最大級の組織・人事コンサルティング会社、マーサーは、『2020年世界生計費調査(Cost of Living Survey) – 都市ランキング』の結果を発表した。

新型コロナウィルス感染拡大による社会的・経済的混乱は、海外赴任者のウェルビーイング(心身の健康)に焦点を当てた企業のモビリティプログラムの見直しに拍車をかけている。企業は海外事業の運営や人材を維持するために、従来のモビリティプログラムに加えて、海外派遣に代わる新たな勤務形態や革新的技術、新しいものに適応できる考え方 を活用していく。

グローバルな規模拡大の意欲はある一方で、健康と経済の危機という今までに経験したことのない状況の中、人員や給与の削減だけでなく福利厚生制度の変更についても海外展開戦略の課題となっている。企業が経済とのバランスを取りながら人材ポートフォリオ、モビリティプログラム、報酬パッケージを見直す際には、あらゆる形態の海外赴任者に対して適正な報酬を補償するために、このパンデミックや市場の不安定性がもたらした変化を踏まえた正確かつ透明性の高いデータが必要となる。

今年で26年目となるマーサーの世界生計費調査によると、為替変動や物価上昇、住居市場の不安定性といった要素は、海外赴任者の報酬パッケージのコストを明確にする上で不可欠となっている。

マーサーのキャリア部門のプレジデントで、戦略リーダーであるIlya Bonicは次のように述べる。

「我々は新型コロナウィルスのパンデミックによって、社員を海外へ派遣、赴任させることには大きな責任が伴い、管理の難しいタスクであることを再認識しました。今後企業は、海外派遣を一斉に復活させるのではなく、海外赴任者の再配置に備える必要があり、また、すべての赴任者が海外へ行く準備や前向きな気持ちがあるわけではないことを理解したうえでリードしていく必要があります」

短期的に見ると、グローバルモビリティへのこうした新たなアプローチの準備には、帰任した赴任者を再度派遣することが含まれる場合もある。中期的には、海外派遣をサプライチェーンの縮小や、さらなる地域間の移動、人材育成の新たな必要性に重点を置いた新しい経済モデルへと再編成していくことが最優先となる。こうした懸案事項に加え、世界各国への派遣にかかるコストや赴任地に関する情報が危機後の重要な要素となる。


マーサー 2020年世界生計費調査

マーサーの2020年世界生計費調査では、香港が駐在員にとって最も物価の高い都市のトップとなり、2位はトルクメニスタンのアシガバートとなった。東京は3位で昨年から1つ順位が下がり、チューリッヒは1つ順位が上がった。シンガポールは5位となり、昨年から2つ順位が下がった。ニューヨーク市は6位で昨年の9位から順位が上がった。マーサーのデータは3月に収集されているが、多数の赴任地においてパンデミック[1]の影響による物価の著しい変化は見られなかった。

[1] マーサーは新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、物価を検証する目的で4月と5月に物資の入手状況に関する追加の分析を行った。

駐在員にとって最も物価の高い都市のトップ10に入ったその他の都市は上海(7位)、ベルン(8位)、ジュネーブ(9位)、北京(10位)となった。最も物価の低い都市は、チュニス(209位)、ウィントフック(208位)、タシケントとビシュケク(ともに206位)となった。

マーサーの『世界生計費調査』は世界で最も包括的な生計費調査の一つであり、多国籍企業や政府機関が海外赴任者の報酬・手当を設定する際に利用されている。今回発表のランキングはニューヨークをベースとし、ニューヨークを100とした場合の各都市の指数を比較している。基軸通貨は米ドルとしている。

この調査は世界400 都市以上で実施しており、そのうち209都市の住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査し、それぞれを比較している。

また、Ilya Bonicは以下のように続けた。

「国境閉鎖、航空便の運航停止、強制的な外出制限、その他の短期的な障害や混乱は、物価のみならず、海外赴任者の生活環境にも影響を及ぼしています。気候変動や環境フットプリントに関連した問題、医療制度の課題に対処すべく、サステナビリティ(持続可能性)を巡る都市の取り組みが海外赴任者の生活環境にどのように影響を及ぼしうるのかを多国籍企業は検討してきました。サステナビリティを重要視している都市は、生活環境を大幅に改善することができ、ひいては海外赴任者のウェルビーイングや雇用を改善することができます」

海外派遣のコストを考える際には、赴任地に対する適切な調査や海外赴任者への適正な報酬が重要となる。マーサーの世界生計費調査では、物価上昇や不安定な為替変動によって、海外派遣のコストが増減することが分かる。

マーサーのグローバルモビリティプロダクトソリューションズのリーダーであるYvonne Traberは指摘する。

「為替レートの急激な変動は、主に新型コロナウィルス感染症の世界経済への影響によるものです。この変動は生活必需品の不足や価格調整、サプライチェーンの途絶だけでなく、海外赴任者が本国通貨で支払いを受け、任地で生活する上で赴任国の通貨に両替する必要がある場合など、様々なかたちで赴任者に影響を及ぼしかねません」

南北アメリカ
今年前半の世界的な景気低迷の中、 米ドルの価値が上がったことにより米国の都市の海外赴任者のコストは上昇した。その結果、米国の都市は今年の最も物価の高い都市ランキングに名を連ねた。ニューヨーク(6位)は、米国で最も物価の高い都市となり、サンフランシスコ(16位)、ロサンゼルス(17位)、ホノルル(28位)、シカゴ(30位)がこれに続いた。ノースカロライナ州のウィンストン・セーラム(132位)は、米国の調査都市の中では引き続き駐在員にとって最も物価の低い都市となった。

南アメリカでは、サンフアン(66位)が最も物価の高い都市となり、続いてポートオブスペイン(73位)、サンホセ(78位)、モンテビデオ(88位)となった。南アメリカで最も物価の低い都市はマナグア(198位)となった。ベネズエラのカラカスは複雑な通貨の状況によりランキングから除外されている。カラカスのランキングは選択する公定為替レートに応じて大きく変わっていたであろう。

今年はカナダドルの価値が上がり、カナダの都市のランキングが上がっている。昨年の順位から18順位が上がった バンクーバー(94位)は、カナダで最も物価の高い都市となり、トロント(98位)がこれに続いた。151位のオタワはカナダで最も物価の低い都市となった。

ヨーロッパ・中東・アフリカ
ヨーロッパの3都市が最も物価の高い都市トップ10にランクインした。グローバルランキングで4位となったチューリッヒは依然としてヨーロッパで最も物価の高い都市であり、続いて昨年から4つ順位が上がったベルン(8位)となった。ベルンに続くヨーロッパの都市ジュネーブ(9位)は、昨年から4つ順位が上がった。

ヨーロッパ地域では緩やかに物価が上昇しているにもかかわらず、一部のヨーロッパの現地通貨が米ドルに対して通貨安に推移したため、多くの都市はランキングの順位が下がることとなった。2019年末にかけてフランスとイタリアの経済が縮小したことにより、ユーロ圏の成長はゼロに近くなっている。しかしながら、EU主要国ではインフレに関する危機の兆候は見られない。パリ(50位)、ミラノ(47位)、フランクフルト(76位)といった都市は今年のランキングでは昨年よりも順位が下がっている。

イギリスのEU離脱の決定は現地通貨である英国ポンドには影響なく、依然としてすべての主要なグローバルの通貨に対して価値が上がっている。ロンドン(19位)、バーミンガム(129位)、ベルファスト(149位)はそれぞれ昨年と比べ4、6、9と順位が上がった。

アラブ首長国連邦は石油産業がGDPに与える影響を軽減するなどの経済の多角化を進めている。この過程において、ドバイとアブダビの2都市で物価のマイナス変動が生じてきた。アラブ首長国連邦と同様に、サウジアラビアは石油輸出の影響を制限し、より分散化した経済モデルへ移行しようとしている。ここ6カ月間の物価は安定しているが、今後の付加価値税の引き上げによる物価変動が予想されている。テルアビブ(12位)は、引き続き駐在員にとって中東で最も物価の高い都市であり、ドバイ(23位)、リヤド(31位)、アブダビ(39位)がこれに続いた。カイロ(126位)は40順位が上がったにもかかわらず依然として中東で最も物価の低い都市となっている。

チャドのンジャメナ(15位)は、アフリカで最も順位の高い都市となったが、チュニジアのチュニス(209位)は、この地域だけでなく全体で最も物価の低い都市となった。

アジア・太平洋
今年のランキングのトップ10の都市のうち、アジアからは6都市がランクインした。香港ドルが米ドルに対してほぼ固定されていることと生計費の上昇によって、昨年に引き続き香港(1位)はアジア地域及び全体の中でも駐在員にとって最も物価の高い都市となった。この国際的金融センターである香港の後に、アシガバート(2位)、東京(3位)、シンガポール(5位)、上海(7位)、北京(10位)が続いた。ムンバイ(60位)は、インドで最も物価の高い都市となったが、コルカタ(185位)はインドで最も物価の低い都市となった。

オーストラリアの都市は、米ドルに対して豪ドルが下落したことにより、ランキングの順位が下がった。16順位が下がったシドニー(66位)は駐在員にとってオーストラリアの中では最も物価が高い都市となり、17順位が下がったアデレード(126位)は最も物価の低い都市となった。

マーサーでは、調査対象となったそれぞれの都市について、個別の生計費および住居費のレポートを提供しています。都市ランキングの詳細や個別都市のレポートのご購入に関しては、マーサーのホームページ(https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions.html)をご覧いただくか、プロダクト・ソリューションズまでご連絡ください(TEL:03-6775-6521、Email: mobility.japan@mercer.com)。


マーサー:日本人世界生計費レポートについて(https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/cost-of-living.html
よくある質問集:世界生計費レポート(https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions/cost-of-living/question-and-answer.html
サービス概要:プロダクト・ソリューションズ(https://www.mercer.co.jp/about-mercer/lines-of-business/information-solutions.html


マーサー世界生計費調査について
マーサーの世界生計費調査は、世界で最も包括的な生計費調査の一つであり、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用されています。一般的な物価指数を測るものではありません。今回発表のランキングは、プレスリリース用にニューヨークをベースとし、ニューヨークを100とした場合の、各都市の指数を比較し、基軸通貨は、米ドルとしています。

掲載されている生計費および住居費の数値は、すべて2020年3月にマーサーが実施した世界生計費調査に基づくものです。為替は2020年2月の平均レートを使用しており、品目はマーサーの国際人用バスケットをベースとしています。

このデータは、政府機関や多国籍な企業が従業員を海外に派遣する際に、海外駐在員の購買力を補償するために利用されています。また、住居費に関するデータは、海外駐在員の現地における住居手当を決定する際に利用されています。調査対象都市は、企業や政府機関からの要望により選択されたものです。

調査対象都市の個別レポートは、マーサーよりお求めいただけます。派遣元の都市および派遣先の都市を選択いただいた上で、派遣元の生計費を100 とする現地生計費の指数をご提供いたします。通常駐在員の給与を算出する際には、「海外赴任することで発生するエキストラなコストは別途支給する」という考えから、住居費は別途手当で支給すべきと判断し、生計費の指数の算出対象品目の中には、住居費は含まれません。住居費は別途住居費の情報をご提供しております。ただし、今回発表のランキングは、外国人駐在員が一般的に利用する住宅の家賃を含めたランキングとなっていますので、ご注意ください。また、この データはマーサーでは「国際人用」と呼び、国籍を問わない一般的な海外駐在員モデルの購買パターンを予想し、それに沿った生計費を調査した上で、指数を算出しているものです。このデータをベースに、日本人独特の品目(米、味噌、日本語の新聞など)を追加し、特に日本人用にカスタマイズした「日本人用」世界生計費レポートもございます。
[画像: https://prtimes.jp/i/35512/53/resize/d35512-53-218549-0.png ]



2020年 世界生計費調査‐都市の全ランキング(英語)はこちら(https://www.mercer.co.jp/newsroom/2020-cost-of-living.html)からダウンロードしていただけます。
なお、都市ランキングリストはプレスリリース用に作成したものであり、全文掲載は禁じます。上位、下位のそれぞれ10都市については表形式で複製可能ですが、できるだけ事前にマーサー広報へのご連絡をお願いいたします。

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マーサーについて
マーサー(https://www.mercer.co.jp/) はより輝かしい未来は築くことができるものと信じています。私たちはクライアントと共に、仕事そのものを再定義し必要な改革に導き、退職制度や年金の投資成果を再構築します。そして、真の健康とウェルビーイングへと導くビジョンを掲げています。全世界約25,000名のスタッフが44ヵ国をベースに、130ヵ国以上でクライアント企業と共に多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。マーシュ&マクレナン(NYSE:MMC)グループの一員として、日本においては 40年以上の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス支援を行って います。

マーシュ&マクレナンについて
マーシュ&マクレナン(ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。マーシュ(保険仲介とリスクマネジメント/https://www.marsh.com/jp/)、ガイ・カーペンター(再保険仲介・コンサルティング/http://www.guycarp.com/)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング/https://www.mercer.co.jp/)、そしてオリバー・ワイマン(戦略コンサルティング/https://www.oliverwyman.jp/)から構成されており、年間総収入170億米ドル、全世界に76,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析・アドバイスを提供しています。

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