低濃度二酸化塩素ガス(0.01ppm)で付着微生物に対しても不活化効果を確認 大幸薬品、日本防菌防黴学会 第44回年次大会で発表
PR TIMES / 2017年11月14日 15時1分
~ 厨房、台所、洗面所、トイレ等に付着したウイルス・菌対策に期待 ~
大幸薬品株式会社(本社:大阪府大阪市西区、代表取締役社長:柴田高)(以下、大幸薬品)は、一生涯にわたって吸い続けても健康への影響がないとされる室内濃度指針値0.01ppm(*1)(*単位解説)の低濃度二酸化塩素(*2)ガスが実験空間の浮遊細菌・ウイルスを99%不活化することを報告していますが(*3)、この度、さらに付着微生物(大腸菌、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ)(*4)に対しても、同濃度の低濃度二酸化塩素ガスが、不活化効果を有することを、日本防菌防黴学会第44回年次大会(2017年9月26~27日)で発表しました。
大幸薬品では低濃度二酸化塩素ガス発生ゲルが、無人居住空間内で二酸化塩素ガス濃度0.01ppm程度を維持できる性能を有することも報告しており(*5)(*別添参考)、従来の空間除菌の効果に加えて、今回の発表により、新たに物体除菌(厨房、台所、洗面所、トイレ等に付着した微生物に対しても除菌)の効果も有することが確認されました。また、低濃度二酸化塩素ガスで付着ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)に対しても不活化効果が確認されています(*6)。
今後も、大幸薬品では二酸化塩素を用いた革新的な衛生対策が可能となる社会をめざし、大学等を含め研究機関の協力を得て、二酸化塩素の効果検証を続けてまいります。
(*単位解説)ppmとは --- 百万分率(parts per million)を表す単位で、10-6を意味する。大気や水中に微量に含まれるガスの量などを表すのに用いる。水の場合はmg/Lをppm、空気の場合はmL/m3をppmが目安となる。
試験方法と結果
【方法】
台所、洗面所、トイレ環境を想定したモデル実験として、バイオセーフティ施設(*7)の部屋内に1m3のチャンバー(*8)を設置し、小型の二酸化塩素ガス発生装置をそのチャンバー内で稼働させ、ガス濃度が約0.01、0.03 ppmとなるように調節しました。次にチャンバー内に設置したガラスシャーレに、菌種別にその懸濁液((モデル微生物である大腸菌の1種(Escherichia coli NBRC3972)、緑膿菌の1種(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、アシネトバクター・バウマニの1種(Acinetobacter baumannii NBRC 110494))を滴下し、未乾燥の状態で各時間二酸化塩素ガスに暴露させ、菌を回収後、生菌数を求め評価しました。
【結果】
対照実験である空気環境下に対し、二酸化塩素ガスに暴露させた場合、大腸菌は、0.013 ppm, 2時間の暴露で99%以上、0.027 ppm, 2時間の暴露で99.99%以上減少し、緑膿菌は、0.011 ppm, 2時間の暴露で99.99%以上の減少し、アシネトバクター・バウマニは、0.012 ppm, 3時間の暴露で99%以上、0.027 ppm, 3時間の暴露で99.99%以上の減少が見られました。以上の結果は、特定の条件下ではあるものの約0.01 ppmの低濃度二酸化塩素ガスが付着微生物に対する不活化効果を有することを示唆しています。当実験内容、結果についての詳細は日本防菌防黴学会第44回年次大会(大阪、2017)の抄録をご参照ください。
[画像1: https://prtimes.jp/i/4917/68/resize/d4917-68-323331-3.jpg ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/4917/68/resize/d4917-68-116194-2.jpg ]
(*1)二酸化塩素ガス室内濃度指針値(二酸化塩素工業会自主基準):現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したもの。
(*2)二酸化塩素(分子式:ClO2):ウイルス除去、除菌、消臭、坑カビ等のはたらきを有することが知られています。これらの力を利用して、プールや浄水処理等の現場における消毒剤や、低濃度での空間除菌剤として使われています。(参考:社団法人 日本二酸化塩素工業会ウェブサイト http://chlorinedioxide.or.jp/clo2)
(*3)Norio Ogata, et al. Inactivation of Airborne Bacteria and Viruses Using Extremely Low Concentrations of Chlorine Dioxide Gas. Pharmacology 97: 301-306(2016)
(*4)実験に用いた付着微生物:大腸菌の1種(Escherichia coli NBRC3972)、緑膿菌の1種(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、アシネトバクター・バウマニの1種(Acinetobacter baumannii NBRC 110494)
(*5)Norio Ogata, et al. Generation and Measurement of Chlorine Dioxide Gas at Extremely Low Concentrations in a Living Room: Implications for Preventing Airborne Microbial Infectious Diseases. Pharmacology 99: 114-120(2017)
(*6)Morino H., et al. YAKUGAKU ZASSHI 133: 1017-1022(2013)
(*7)バイオセーフティ施設:細菌・ウイルスなどを安全かつ適正に取り扱う試験環境を有する施設
(*8)チャンバー:局所空間で揮発性の化学物質や微生物を安全に取り扱うために用いる実験器具
大幸薬品株式会社について
大幸薬品は、【「自立」、「共生」、「創造」を基本理念とし、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供します】の企業理念のもと、『正露丸』、『セイロガン糖衣A』を主力製品とする医薬品事業と、低濃度二酸化塩素ガスの効果を用いた『クレベリン』を主力製品とする感染管理事業を活動の柱としております。近年、セルフメディケーションへの重要性が高まる中、当社では家庭薬と感染管理による衛生対策で、お客様の健康への寄与を通じて、社会に貢献できればと考えております。詳細は公式サイト(http://www.seirogan.co.jp/)をご覧ください。
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