3月22日は世界水の日: 気候危機、サイレントパンデミック、SDGs達成のためにも水・衛生が重要
PR TIMES / 2024年3月21日 18時15分
水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドは、3月22日の「世界水の日」に向けて、気候変動や保健衛生、そして達成期限まであと6年に迫った持続可能な開発目標(SDGs)の進捗を加速化するためにも、水・衛生が重要であると訴えます。世界水フォーラム、薬剤耐性(AMR)に関するハイレベル会合など、2023年に続いて水・衛生に関わる重要な会議が開催される2024年、ウォーターエイドは、これらの会議で国際社会が水・衛生の重要性を認識し、水・衛生向けの資金拠出を拡大するよう呼びかけています。
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近年の人道危機においても示されているとおり、水・衛生サービスの破壊や停止は、人の尊厳を奪い、感染症の拡大を引き起こします。人が生きていくためには、水・衛生は不可欠です。
一方、気候変動により世界の気温が上昇を続けるなか、世界中が水・衛生危機に直面しています。サイクロンや暴風雨によって給水設備やトイレが破壊され、安全な飲料水を得ることが困難になり、衛生環境が悪化している地域があります。頻発する洪水によって、トイレから排せつ物があふれ、周辺環境や水源が汚染されて下痢など感染症がまん延している地域もあります。干ばつによって、人々が水を探してさらに遠くまで歩かなければならず、また、水不足のため農作物が収穫できなくなり、食料難に陥っている地域もあります。
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2022年にパキスタンで発生した洪水では、洪水被害が最もひどかった地域の給水・衛生設備の半数が大きな被害を受けました。被災した住民は、洪水で汚染された水源の水を飲むしかなく、下痢などの感染症や皮膚病などの病気が数多く報告されました。同じく2022年、マダガスカルの南部では、40年間で最悪の干ばつが続き、この地域の住民は、往復4時間の水くみに1日2回、行かなければならず、しかも4時間歩いて得られるのは、干上がった川に残った、動物が飲んだり、人々が体や衣服を洗ったりすることで汚染された水のみでした。
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さらに、新型コロナウイルス感染症が世界に壊滅的な被害をもたらしたことは記憶に新しいところですが、世界は現在、薬剤耐性菌感染症の拡大「サイレント・パンデミック」の危機に直面しています。薬剤耐性は、細菌が、それを殺すために設計された薬剤に対して耐性を持つことで発生するもので、抗菌薬が効かなくなる、つまり感染症を治療することが困難になります。すでに世界では、薬剤耐性によって、年間約500万人が命を落としており、2050年までに年間1000万人が死亡する可能性があると言われています。
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世界の約半数の保健医療施設では、治療する場所に手洗い設備がありません。保健医療施設において、医療従事者や患者が、清潔な水と石けんを使って手洗いすることができなければ、保健医療施設内で感染が広がり、薬剤耐性を拡大させることにつながります。また、水・衛生環境が悪い保健医療施設では、感染症の予防や治療のために抗生物質の過剰投与や誤った使用が行われており、薬剤耐性を持つ細菌の拡大の一因となっています。
このような気候危機、保健危機に対応するために、水・衛生は不可欠です。世界保健機関(WHO)も、薬剤耐性への対策として、「水・衛生と排水管理を改善するために科学的情報に基づいた行動をとることは極めて重要である」と強調しています。2023年5月、日本で開催されたG7広島サミットの首脳宣言には、人々の健康のために水・衛生が重要な役割を果たすことが明記されました。さらに水・衛生は、SDGsの水・衛生のゴール6そのものではありますが、保健(ゴール3)、気候変動対策(ゴール13)、さらには貧困(ゴール1)、教育(ゴール4)、ジェンダー(ゴール5)など他のゴールとも強いつながりがあり、水・衛生への取り組みは、SDGs達成にも欠かせません。
一方、ウォーターエイドが2023年に実施した調査によると、水・衛生向けの援助は世界的に縮小しています。日本は長年、水・衛生分野の最大援助供与国でしたが、2015年~2021年の日本の水・衛生援助の傾向を見ると、2021年に微増したことを除き、年々、水・衛生分野の援助額は減少傾向にあります。
脆弱なコミュニティにおいて、気候変動の影響下でも、清潔な水とトイレを使い続けることができるようにすることは、人々の命を救うだけでなく、経済的な繁栄を後押しすることにもつながります。また、保健医療施設で清潔な水を利用し、手洗いができるようにすることで、医療従事者は適切かつ安全に処置・治療をすることができ、また女性たちも安全で衛生的な環境で出産することができます。薬剤耐性の対策としても保健医療施設における水・衛生は不可欠です。
ウォーターエイドジャパン事務局長の高橋は次のように話します。
「気候変動や薬剤耐性による危機が高まるなか、人々の命と健康を守るため、コミュニティを守るために、1日も早く水とトイレを使い、衛生習慣を実践できるようにすることが重要です。各国政府は、今すぐ言葉を行動に移し、水・衛生向けの資金をしっかり拡大する必要があります。」
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3月22日の「世界水の日」に、ウォーターエイドジャパンは、世界を青く染めることによって、より多くの人に世界の水の問題に関心を持ってもらうことを目的とした参加型キャンペーン「Blue4Water」への協力を呼びかけています。
世界水の日に、、青い服や青いネクタイ、青いアクセサリーなどの青い小物を身につけたり、ハッシュタグ「#Blue4Water」をつけてSNSに青いものを投稿したりすることで、どなたでもご参加いただけます。
3月22日「世界水の日」に、世界を青く染めよう!
Blue4Waterキャンペーン 2024
https://www.wateraid.org/jp/blue4water
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