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人社会から自然環境へ薬剤耐性菌が拡散の可能性

共同通信PRワイヤー / 2024年4月17日 14時0分

写真

~パンデミッククローンが野生動物・水系環境からも分離~


2024年4月17日


人社会から自然環境へ薬剤耐性菌が拡散の可能性 ~パンデミッククローンが野生動物・水系環境からも分離~


 


ポイント


・世界中の人医療で問題となっている薬剤耐性菌のパンデミッククローンが自然界にも拡散。


・人と自然環境との間で遺伝的類似性の高いパンデミッククローンが見つかった。


・薬剤耐性菌対策へのOne Health Approachの重要性が一層高まる。


 


概要


【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106389/202404169518/_prw_PT1fl_6VLkHA5Q.png


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404169518-O5-nZwU6fc8


患者(人)、ペット、野生動物、水系環境由来ST131株間の遺伝的類似性の比較


 


【背景】


 薬剤耐性菌感染症の増加や多剤耐性化は世界共通の問題であり、2050年には世界中で年間1000万人が本感染症により死亡すると推定されています。


 腸管外病原性大腸菌(ExPEC)は、臨床現場で尿路感染症や血流感染症を引き起こす最も一般的なグラム陰性菌です。その中でも、フルオロキノロン系抗菌薬に耐性を示す国際的なハイリスク・ExPECクローンであるST131は、世界中の臨床現場に広がるパンデミッククローンです。その病原性とCTX-M型の基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)を産生することにより、高頻度に第三世代セファロスポリン系抗菌薬に耐性を示すため、臨床上の懸念を引き起こしてきました。一部のST131株は、現在臨床上の治療での切り札とされるカルバペネム系抗菌薬にも耐性を示すなど、多剤耐性化傾向が認められています。さらに、コリスチンやチゲサイクリンといった多剤耐性菌への最終選択薬にも耐性を示すST131も報告されています。


 近年、ST131は人の医療現場だけではなく、健常者やイヌやネコなどの伴侶動物も一定の割合で保菌していることが報告されており、人社会におけるST131の拡散・循環・定着が危惧されています。さらに国内では、野生動物由来のESBL産生大腸菌からST131の分離の報告がされています。ST131の野生動物及びその周辺環境への拡散は、人社会と自然環境との間でのST131の循環を示唆しており、ST131の根絶を一層困難にすることが懸念されます。

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