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シリア:はしかの流行で人道援助ニーズ増大が明らかに

PR TIMES / 2013年6月20日 12時32分



内戦が続くシリアでは、北部各地ではしかの流行が席巻している。少なくとも7000件の感染が確認され、人道援助ニーズの増大と、2年余り続く内戦による保健医療体制の崩壊を示している。国境なき医師団(MSF)はアレッポ、ラッカ、イドリブの3県で合計7万5000人以上の子どもに予防接種を行った。今回のような流行は当地では過去に例がなく、感染拡大の抑止は急務となっている。
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<内戦で中止された予防接種>

2011年の紛争発生後、医療従事者・施設が攻撃の標的にされ、多くの人が避難民キャンプやその他の不衛生で過密状態の仮設避難所に逃れたことから、シリアの定期予防接種は広い地域で中止された。
MSFの緊急対応統括責任者のテレサ・サンクリストバルは、「シリアのように二極化した紛争状態で集団予防接種を実施することは非常に困難でが、予防接種と最低限の保健医療は戦傷外科に劣らず、大変重要なのです」と話している。
今回、はしかの流行が認められてから、北部では少なくとも7000件の感染が発生。死亡率は比較的低水準にとどまっているが、はしかにより子どもは他の感染症にかかりやすくなるため、基礎的な医療が受けられなければ、合併症で命を落とす可能性もある。
国内では病気による死者が増加している。特に該当するのが立場の弱い人びとで、基礎的な保健医療やワクチン接種のような予防策の不足が原因となっている。MSFはシリア北部の5ヵ所の病院とその他の医療活動を通じ、特に子ども、妊婦、高齢者、ぜんそくや高血圧などの慢性疾患患者に対し優先的に援助を提供している。

<北部3県で集団予防接種活動を展開>

MSFはアレッポ県都のアレッポ市で1万5000人以上、県下の他地域でさらに2万2000人以上の子どもに予防接種を実施したが、広がる暴力と恐怖で、実施には大変な困難が伴った。空爆や砲撃の標的となりかねないことから、予防接種のために集まる人で行列ができることを避けなければならなかったためだ。
ラッカ県ではこれまでのところ、県を構成する3郡のうち1郡だけで3万5000人に予防接種を実施した。一部地域しか対象となっていない理由は治安による制約であり、依然、大勢の子どもたちが病気に無防備なままだ。
イドリブ県では2013年5月に164件のはしか感染が報告され、その数は増加を続けている。MSFは2月に、国内避難民4万人以上が滞在する国境周辺地域で5歳未満児1900人に集団予防接種を行っている。またイドリブ県下の避難民キャンプと周辺の村々で15歳未満の全児童を対象に2回目の集団予防接種を行う予定だ。対象者数はおおよそ1万~3万人とされているが、人口移動の規模を正確に把握することは困難だ。イドリブ地域における、はしかの流行拡大は、戦闘を逃れた避難者の到着が相次いでいるためと推測される。同様の状況がシリア北部の各地で発生している。
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MSFはシリア北部の反体制派支配地域で5病院を運営。内戦の各陣営と交渉を続けているが、現在もシリア国内の活動は公認されていない。内戦勃発以来、国内では診療4万6000件、外科処置2481件、分娩介助854件を行っている。

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