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「バイオフィリックデザインの 実験」に関する調査結果

PR TIMES / 2024年3月30日 11時40分

知的生産性を高めるオフィス緑化の指標とは



[画像1: https://prtimes.jp/i/71302/109/resize/d71302-109-497fc04edde556dd9fc7-2.jpg ]

 ミサワホームグループのシンクタンクである株式会社ミサワホーム総合研究所(本社 東京都杉並区/代表取締役社長 千原勝幸)では、「防災・構造・材料・耐久技術」や「環境・エネルギー技術」、「ひと・家族・まちづくり」、「住文化・暮らしデザイン」などさまざまな分野に関するテーマについて調査・研究を行っています。調査・研究結果はミサワホーム総合研究所レポート(通称︓エムレポ)として定期的に発信しています。

 ミサワホームグループではこれらの調査・研究結果で得られた知見や技術を基に、新たな商品やソリューションの開発を行っています。

今回のレポートのポイント


●ウェルビーイング視点で、社員間のコミュニケーションの活性化や知的生産性を効果検証
●自社のオフィス空間を緑化して実験することで、植物の効果的なデザイン手法を明らかにする研究・開発
●執務空間における植物の設計指標を策定し、効果的な空間提案につなげる狙い

レポートの詳細は下記のミサワホーム総合研究所レポート vol.107 をご覧ください。
[画像2: https://prtimes.jp/i/71302/109/resize/d71302-109-d3ad1d0a272cca0ade8b-5.jpg ]

ミサワホーム総合研究所レポート vol.107
2024年3月29日発行
[画像3: https://prtimes.jp/i/71302/109/resize/d71302-109-ef1ba5b53ec982fc409b-1.jpg ]

1.はじめに
ミサワホーム総合研究所では、2012年から住宅における働く空間の様々な研究・提案を続けてきました(Mレポvol.92、vol.96)。その後、環境・エネルギーの視点で、オフィスでの働く空間の在り方について研究を続けており、今回はその一例についてご紹介します。ここではオフィス空間に「バイオフィリックデザイン」という手法を取り入れることで、社員のコミュニケーションの活性化や仕事の生産性が向上する空間の実現を目指し、効果検証をしています。

【新型コロナウイルス感染症の流行による働き方の変化】
2020年に新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)が流行してから急激にテレワーク(自宅で仕事をすること)が普及し、COVID-19が流行する以前と比較して働き方が大きく変化しています。例えば週に3日はテレワークし、残りの2日はオフィスに出社するようなフレキシブルな働き方も浸透してきました。

【勤務形態のメリット/デメリット】
テレワークにはプライベートな時間が増加し私生活の充実が図りやすい点や、周囲を気にせず業務に集中できる点などのメリットがあります。しかし、対面で会う機会が減ったことによる社員同士のコミュニケーション不足が仕事の生産性低下に繋がったり、業務進捗の遅れに繋がったりすることが問題視されています。

【働く空間に求められていること】
COVID-19の流行後、各勤務形態のメリットを活かしつつ、コミュニケーション不足など顕在化した課題を解決するような働き方が求められるようになってきたのです。このような働き方に対応するには制度を整えるだけでなく、新しい働き方に合った住宅・オフィス空間をデザインする必要があります。そんな中ミサワホーム総合研究所では、COVID-19が流行する前からテレワークの普及を見据えて、働く人・仕事内容や状況に合わせて、働く環境(住宅・オフィスなど)を適切に使い分けるためにそれぞれの環境をデザインすることの重要性を提示してきました。

2.バイオフィリックデザインを取り入れた空間
「バイオフィリックデザイン」とは、「人は自然とのつながりを本能的に求めている」という考えに基づき、植物など自然を用いてデザインすることです。植物には、屋内空気の清浄効果や視覚疲労の軽減効果、空間の印象をやわらかくする効果、リラックス効果、ストレス軽減効果があると言われています。そのため働く空間にバイオフィリックデザインを取り入れることで、働きやすく、社員同士のコミュニケーションが活性化する空間を創ることができ、仕事の生産性向上につながることが期待されています。

3.現状のオフィス設計の課題とミサワ総研の目指すべきところ
現在多くの人が生活している場所には自然環境が少なく、特にオフィス空間の中で自然に触れる機会はほとんどありません。オフィス空間の中に植物を設置する事例も増えていますが、植物の効果的なデザイン(配置・樹種・量・大きさなど)の方法はまだ明らかになっておらず、設計者のデザインセンスで設置されている事例がほとんどです。そのため、ミサワホーム総合研究所では、執務者の生産性を向上させる「バイオフィリックデザインオフィス」を多くの設計者が設計できるように、植物配置の設計指針を作成することを目指しています。

4.可動式の植物で多様な働き方に対応
ミサワホーム総合研究所では、仕事の生産性が向上する植物のデザイン手法を明らかにすることを目的にバイオフィリックデザインを導入したオフィスに改修しました。多様な働き方に対応できるよう、ただ植物を固定して設置するのではなく、可動式の什器に植物を設置しています。これによりオフィスの使用用途や個人の好みによってレイアウトが変更できるようになります。例えば周りの視線を気にせず個人の作業に集中したい場合は図1の座席1.のように周囲を植物で囲うことも可能です。ただし囲いすぎると圧迫感が増加したり、他の人が話しかけにくくなってしまったりすることから、図1の座席2.や3.のように囲い過ぎない植物配置が望ましいこともわかってきています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/71302/109/resize/d71302-109-9c7940d82064f1968af3-1.jpg ]

[画像5: https://prtimes.jp/i/71302/109/resize/d71302-109-772b789ab107999a72e1-1.jpg ]

[画像6: https://prtimes.jp/i/71302/109/resize/d71302-109-0a4ca7a1d14a070663e8-1.jpg ]

5.バイオフィリックデザインが働く人に与える効果
【リラックス感】
図2のバイオフィリックデザインオフィスと通常オフィスとテレワークでの働き方を比較するため、社員を対象にアンケート調査を実施しました。図3が勤務終了時のリラックス感について聞いた結果です。バイオフィリックデザインオフィスで勤務した場合は通常オフィスよりリラックスできており、テレワークに近いリラックス感が得られています。

【コミュニケーション頻度】
さらに図4、5は現在課題となっているコミュニケーション頻度について調査した結果です。同部署の方とは仕事の都合上、勤務場所に関わらず会話をしていることがわかりますが、他部署の方とのコミュニケーションはバイオフィリックデザインオフィスの方が多くなっていました。

【仕事の捗り具合】
図6では「その日の仕事の捗り具合」を聞いています。どの勤務形態でも大きな差はありませんでしたが、バイオフィリックデザインオフィスではやや仕事が捗った側の回答が多くなる傾向が見られました。

6.今後の展望について
以上のようにバイオフィリックデザインオフィスは働きやすい空間を実現し、仕事の生産性向上に寄与する可能性があることが明らかになってきています。今後の課題として最適な植物の置き方や量、種類を整理することに取り組んでいきます。これらの研究を通して、オフィス・住宅に働きやすい空間を提案していきたいと考えています。

※本レポート記載の内容等は作成時点のものです。当社の事前の了承なく、複製、引用、転送、配布、転載等を行わないようにお願いします。

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