光無線通信向け「可搬用小型光アンテナ」をNICTに納入
PR TIMES / 2024年4月12日 12時15分
Beyond 5Gで目指す安全・安心で新たな無線通信環境の実現に向けてさまざまな通信ケースや衛星量子暗号通信技術の実証事業で活用
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下 NICT(エヌアイシーティー))に、ドイツ・DiGOS(ディーゴス)社製「可搬用小型光アンテナ」を2024年3月に納入したことをお知らせいたします。当アンテナシステムは、NICTネットワーク研究所ワイヤレスネットワーク研究センター宇宙通信システム研究室で、レーザー光を用いた光無線通信の研究開発のための光地上局テストベッド(試験用環境)として設置されました。
背景/概要
5G通信が実用化された現在、次世代の情報通信基盤として、Beyond 5Gの研究開発が進められています。Beyond 5Gでは、有線、無線を問わず、陸海空や宇宙などあらゆる場所を使用した統合的な通信ネットワークを構想しており、高速かつ大容量で安全な基盤として、IoT社会実現に向け期待されています。
NICTネットワーク研究所ワイヤレスネットワーク研究センター宇宙通信システム研究室では、Beyond 5Gで構想する宇宙と地上の統合ネットワークの実現を目指して複数の研究プロジェクトを推進しており、その一環として、光無線通信技術を活用した衛星通信の研究開発を行っています。このたび光地上局テストベッド(試験用環境)として導入された、東陽テクニカ取り扱いの「可搬用小型光アンテナ」システムは、この研究開発で実施されるさまざまな通信ケースや衛星量子暗号(※1)通信技術の実証事業において、光無線通信の試験機会を確保するために活用されます。東陽テクニカは、地上から衛星までの距離をレーザー光で測定する衛星レーザー測距(SLR, Satellite Laser Ranging)システムの国内での販売実績があり、当アンテナはSLRの小型製品「miniSLR」を光通信向けに転用したシステムです。
東陽テクニカは、今後も、培ってきた知見を活かし、光無線通信向けソリューションの提供などを通して、次世代情報通信基盤の構築を支援してまいります。
※1 量子力学の理論をもとにした技術であり、解読されるリスクがほとんどないとされる暗号方式。
[画像: https://prtimes.jp/i/75068/111/resize/d75068-111-7028f0060ae3a6fd5839-0.png ]
今回納入した「可搬用小型光アンテナ」
主な特長
飛翔体と地上間で光無線通信をするための小型アンテナ。
- 運搬が可能な設計で、設置場所の移動が可能
- 「miniSLR」の技術を応用し、大幅な小型化を実現 ※サイズ(目安):2250×1400×2200 (幅x奥行x高さ, 単位:mm)
- さまざまな光学系機器やモデムなどの搭載が可能、多様な研究に適応できる設計
製品サイト:https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/SLR
<DiGOS Potsdam GmbHについて>
DiGOS社は2015年にドイツ・ポツダムで設立され、それ以来、衛星レーザー測距、宇宙デブリレーザー測距、測地や光地上局分野でシステムインテグレーションを行っているエキスパートです。ターンキーのレーザー測距局からオーダーメイドのデバイスまで、顧客がもつさまざまな課題を解決し、効率的でユーザーが使いやすく、経済的なソリューションを提供しています。GFZ(ドイツ地球科学研究所)やESA(欧州宇宙機関)をはじめ、世界のさまざまな宇宙関連機関や研究機関との協業や納入実績があります。
DiGOS Potsdam GmbH Webサイト:https://digos.eu/
<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは、1953年の設立以来、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新に貢献してまいりました。その事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンス、セキュリティなど多岐にわたります。5G通信の普及、クリーンエネルギーや自動運転車の開発などトレンド分野への最新の技術提供に加え、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力し、国内外で事業を拡大しています。最新ソリューションの提供を通して、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/
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