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肌着着用による皮膚のかゆみと心的ストレス改善効果を確認

PR TIMES / 2017年9月13日 17時20分

株式会社ファンケルは、タンパクのHSP-27(1)が皮膚の刺激やかゆみで増加することを発見し、HSP-27を角層バイオマーカー(2)の一つとして皮膚のかゆみの改善効果の評価に用いています。今回その研究成果を応用し、肌着を着用することで皮膚のかゆみと心的ストレスが改善されることを確認しましたのでお知らせします。本試験は、東邦大学医療センター大橋病院向井秀樹客員教授の監修のもとで行いました。なお、本試験結果は2017年7月29日~8月3日に開催された日本美容皮膚科医学会(於:大阪府大阪市)において、発表いたしました。




<試験結果>
【HSP-27で肌着着用によるかゆみの改善効果を確認】
試験を実施するにあたり、複数の皮膚科施設3)の患者様に協力をいただきました。軽症から中等症のアトピー性皮膚炎症状をもつ方、もしくは乾燥症状が顕著な方で、通常着用している肌着(ブラジャー)にかゆみなどの不快を感じる方17名を被験者としました。これまでの研究で、角層のHSP-27はかゆみに関係していることが分かっています。そこでHSP-27を指標として、かゆみを感じにくい縫製などを特長とする肌着の着用前と着用2週間後、および4週間後の背中の肌状態を評価しました。試験開始時の接触部位のHSP-27量※により、「低HSP-27群」(10名)、「高HSP-27群」(7名)の2群に分けて、比較しました。その結果、「低HSP-27群」では、着用部位と着用していない対照部位の両部位ともに着用前後でHSP-27の変化が認められませんでした(図1左)。それに対して「高HSP-27群」は、着用することで着用部位のHSP-27が対象部位に比べて有意な減少が見られました(図1右)。※試験に先立ち実施した背部のHSP-27量の測定において、軽症から中等症のアトピー性皮膚炎症状をもつ方の背部のHSP-27の平均値(5.6pg/μg protein)を境界とした。
[画像1: https://prtimes.jp/i/17666/118/resize/d17666-118-621606-0.jpg ]

図1. 肌着着用によるHSP-27の変化(平均値)
「低HSP-27群」(左グラフ)では、2週、4週とも変化がなく、対照との違いもないのに対し、
「高HSP-27群」(右グラフ)では着用により有意に減少し肌状態の改善が示されました。

HSP-27の減少は、かゆみが引き起こされにくくなったことを示します。一連の研究で、かゆみを感じやすかった肌状態が改善して、かゆみを感じにくくなったことが分かりました。


【被験者による自己申告のかゆみ改善評価】
次に、VAS法4)を用いて着用前後の肌状態やストレスの感じ方などの評価を行いました。「低HSP-27群」、「高HSP-27群」ともに着用2週間で「乾燥」や「かゆみ」、「ヒリヒリ感」などの刺激のスコアが減少しました。また、「前向きな気持ちになった」、「自信がついた」、「ストレス」、「満足感」といった心的ストレスのスコアも良い方へ向上しました(図2)。特に、「低HSP-27群」では、「高HSP-27群」以上に「ストレス」と「満足感」が改善するという高い評価が得られました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/17666/118/resize/d17666-118-787950-1.jpg ]

図2. 開始前および2週間使用後のVASスコア
「低HSP-27群」と「高HSP-27群」で開始前の平均VASスコアと2週間後の平均VASスコアを比較しました。「乾燥」、「かゆみ」、「ヒリヒリ感」は開始時より減少し皮膚症状の改善の傾向がみられました。 一方、心的な面では、「前向きな気持ち」、「自信がついた」、「ストレスがない」、「満足感」などの項目が向上しました。特にVAS評価では、低HSP-27群で心身ともに高い改善が見られました。

「皮膚は心をあやつる」と言われるほど、心的満足感を得るには肌状態を良好に保つことが重要です。今回の試験結果より、肌に触れる肌着によって肌状態が改善するだけでなく、心的な満足度の向上も確認することができました。かゆみを感じにくい縫製などを特長とする肌着を着用することで、より生活の質の向上を図れることが分かりました。

<本試験の背景>
かゆみは皮膚のバリア機能低下などによって、皮膚の神経繊維が延伸することで感じやすくなり、反射的に行動を伴うため、皮膚の重大なトラブルの一つとなっています。また、かゆみはバリア機能の低下だけでなく、心的ストレスによっても感じるなど、生活の質の低下を引き起こす要因でもあります。
今回角層バイオマーカーのひとつであるHSP-27を客観的指標として用い、かゆみや乾燥に伴って肌着に不満を持つ方の症状の改善効果と、自己申告による心的ストレスの緩和について試験を実施しました。

<本試験結果による今後の展開>
当社では、「快適な肌着」の事業を1999年より開始し、肌や身体にストレスを与えない製品設計の肌着を開発して通信販売をしております。今後も着用するだけで快適に過ごせる肌着を開発し、心身皮膚医学の見地から角層バイオマーカーを活用して有用性の評価試験を行っていきます。より快適な肌着をお客様に提供することで、健やかな生活に貢献してまいります。

[補足説明]
(1)HSP-27:Heat Shock Protein- 27。身体の炎症時に増加して正常化させる機能をもつタンパク。かゆみとの関連性については右記参照http://www.fancl.jp/news/pdf/20160609_kakusouchunotanpakusituhsp27.pdf
(2)角層バイオマーカー:頬に貼ったテープ1枚から取れた角層のタンパクの分析から、一人ひとり異なる肌状態や老化リスクを解析するファンケルの独自技術
(3)実施皮膚科施設:野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)、ノア皮フ科クリニック(横浜市港北区)、ルカ皮フ科クリニック(横浜市港北区)、さるや皮フ科(川崎市高津区)、サザンガーデンクリニック(東京都品川区)
(4)VAS法:Visual Analogue Scale。10mmの線を引いた線(左右に相反する気持ちを記載)を用いて、自分の気持ちを線の長さの上にプロットし、線の長さを測り、解析に用いる方法

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