【岡山大学】生命の源、光合成の足場づくり ~「足場=チラコイド膜」を守り光合成を高めるしくみを明らかに~
PR TIMES / 2021年6月27日 10時15分
2021(令和3)年 6月 24日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/144/resize/d72793-144-925467-0.jpg ]
<発表のポイント>
光合成で、光エネルギーの転換反応は「チラコイド膜」という膜の上で起こります。
その、光合成の足場ともいえるチラコイド膜を維持する分子機構について、今回、VIPP1と呼ばれるタンパク質の超分子構造が日本とドイツの国際共同研究により解明されました。
長らく謎とされたチラコイド膜を作る分子の役割が明らかになり、今後、光合成の効率を高めるなど、植物や藻類をバイオ素材とする技術への貢献が期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)資源植物科学研究所・光環境適応研究グループの坂本亘教授と大西紀和非常勤研究員は、ヘルムホルツ研究所、カイザースラウテルン工科大学、などドイツのグループと共同で、光合成の光エネルギー転換反応が起こる「チラコイド膜」を維持するVIPP1と呼ばれるタンパク質分子が作る微細な構造を、世界で初めて明らかにしました。
光合成は、生命が光からのエネルギー使うことができる唯一の反応で、地球環境や衣食住に欠かせない重要な反応です。この反応は、シアノバクテリアや藻類、植物だけが持つ「チラコイド膜」という袋状の膜の中で起こります。ここが光合成の足場といえますが、この特徴ある膜ができるしくみは、長らく謎とされていました。今回、VIPP1と呼ばれるタンパク質の構造を明らかにし、この膜を維持して光合成を高める作用もあることを突き止めました。生命の源、光合成の理解が進むとともに、バイオ素材の効率的な生産など脱炭素社会への貢献が期待されます。
この研究成果は2021年6月23日(アメリカ東部時間)、米国の国際科学誌「セル (Cell )」のArticleとして掲載されました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/144/resize/d72793-144-356641-2.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/144/resize/d72793-144-827236-3.jpg ]
◆坂本亘教授からのひとこと
光合成は、光を利用して水と二酸化炭素を原料に有機物やエネルギーを作る、私たちの生活に欠かせない驚くほど精巧な反応です。また、光合成の研究は、人工光合成やバイオ素材の開発など、脱炭素社会によりSDGsに貢献するテーマです。
ちなみに、葉っぱが緑に見えるのは、チラコイド膜があるからで、ここから地球上の酸素が作られているんですね。
[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/144/resize/d72793-144-429924-1.jpg ]
◆論文情報
論文名:Structural basis for VIPP1 oligomerization and maintenance of thylakoid membrane integrity
掲載紙:Cell
著 者:Tilak Kumar Gupta, Sven Klumpe, Karin Gries, Steffen Heinz, Wojciech Wietrzynski, Norikazu Ohnishi, Justus Niemeyer, Benjamin Spaniol, Miroslava Schaffer, Anna Rast, Matthias Ostermeier, Mike Strauss, Jürgen M. Plitzko, Wolfgang Baumeister, Till Rudack, Wataru Sakamoto, Jörg Nickelsen, Jan M. Schuller, Michael Schroda, Benjamin D. Engel
DOI:10.1016/j.cell.2021.1.05.011
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(21)00628-0#%20
◆詳しいプレスリリースについて
生命の源、光合成の足場づくり~「足場=チラコイド膜」を守り光合成を高めるしくみを明らかに~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210624.pdf
◆参 考
・岡山大学資源植物科学研究所(IPSR)
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学大学院環境生命科学研究科
http://www.gels.okayama-u.ac.jp/index.html
◆参考情報
・【岡山大学】光化学系IIの立体構造をクライオ電子顕微鏡で高精度に決定 ~生体内環境に近い状態での分子構造決定に光明~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000072793.html
・【岡山大学】「強すぎる光」に対する藻類の生存戦略を解明! 強光を受けた際の有用藻類ユーグレナの光エネルギー利用機構を明らかに
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000072793.html
・【岡山大学】光捕集複合体フィコビリソームの単粒子構造解析 -藻類の太陽光エネルギーを吸収するタンパク質構造を解明-
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000072793.html
[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/144/resize/d72793-144-164269-4.jpg ]
◆本件お問い合わせ先
<本研究に関するお問い合わせ先>
岡山大学資源植物科学研究所 光環境適応研究グループ 教授 坂本 亘
〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-20-1
TEL:086-434-1206
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えて下さい
TEL: 086-251-8463
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年6月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
[画像6: https://prtimes.jp/i/72793/144/resize/d72793-144-128437-5.jpg ]
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
「岡山大学 J-PEAKS MONTHLY DIGEST」Vol.1刊行 ~「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に関連する岡山大学の社会変革の取り組みなどを月刊で発信!~
PR TIMES / 2024年5月9日 10時15分
-
【岡山大学】上原孝教授(薬)がAMED「令和5年度新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」に採択
PR TIMES / 2024年5月7日 23時23分
-
【岡山大学】「きて、みて、発見!!植物っておもしろい!」2024年度 岡山大学資源植物科学研究所 一般公開〔5/11, 土〕
PR TIMES / 2024年5月2日 10時15分
-
【岡山大学】可視光をエネルギー源として活用できる! 新たな有機光触媒の開発に成功~高い還元力、安定性、汎用性を持ち、リサイクル可能な有機フォトレドックス触媒~
PR TIMES / 2024年4月30日 10時15分
-
【岡山大学】高等先鋭研究院 異分野基礎科学研究所の沈建仁所長・教授が「東レ科学技術賞」を受賞 ~光合成研究で世界を先導し、より良い社会変革を拓く~
PR TIMES / 2024年4月21日 12時15分
ランキング
-
1公立トップ校に受かる子に共通する「親の育て方」 東大生に聞いた「どんな親に育てられたか」
東洋経済オンライン / 2024年5月16日 7時0分
-
2「広告が不快」グランスタ東京の炎上に残る違和感 Apple、サッポロなど相次ぐ広告炎上対応で考えること
東洋経済オンライン / 2024年5月15日 15時50分
-
3スタバもセブンもモスも…コーヒー値上げが相次ぐ原因は?「異常気象でコーヒー豆の生産量減、フェアトレード普及、円安」専門家は“複合的な要因”と指摘
MBSニュース / 2024年5月15日 20時35分
-
4なぜマックで“客への反撃”が増えているのか いまだ続ける「スマイル0円」との関係
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月15日 7時16分
-
5納得の「サプライズ社長人事」映すドコモの現在地 新体制下で「iモード時代の復活」期待する声も
東洋経済オンライン / 2024年5月16日 7時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください