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第4回 Global Change Award:循環型ファッションを目指す5つの革新的なイノベーションに1億2千万円相当の助成金を授与、日本人も特別賞を受賞!

PR TIMES / 2019年4月4日 16時40分

一般客も受賞アイディアを支援できるよう、クラウドファンディング・サービスIndiegogoとの協業を開始



[画像1: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-798468-0.jpg ]

植物から生まれたレザー、雑草から生まれたテキスタイル、体の成長に合わせて伸びる子供服、ファッションの全生産工程を循環させるデジタル・システム、アウトドアウェア用の無害な生分解性メンブレン(膜)。これらは、非営利財団H&M Foundation(H&Mファウンデーション)が主催する「第4回 Global Change Award(グローバル・チェンジ・アワード)」で受賞した5組のチームから生まれたイノベーション・アイディアです。 Global Change Awardは、ファッション業界のノーベル賞とも呼ばれ、廃棄物ゼロの循環型ファッション業界を目指したイノベーション・コンペティションです。この度 4月3日、ストックホルムで受賞式が行われ、受賞した5チームには、100万ユーロ(1億2千万円相当)の助成金が分配されました。また、日本のチームが廃棄物ゼロを可能にするAIを活用した新しいパターンメイキングのシステムのアイディアにおいて、『アーリー・バード特別賞』を受賞しました。

受賞者に共通する特徴は、イノベーションを活用してファッションの循環性を高める点です。地球に優しいファッションへのシフトをさらに加速するため、H&M Foundationは、今回初めてクラウドファンディングのプラットフォーム『Indiegogo(インディーゴーゴー)』と協業することになりました。これにより、皆様が直接globalchangeaward.comを通して、受賞した5つのイノベーションを評価、そして支援できるようになります。

「Global Change Awardの受賞者たちは、ファッション業界が環境に与える負荷を軽減できることを証明してくれます。真の意味で独創的であり、地球や人類の生活環境改善に貢献したいと願うあらゆるファッション企業を応援してくれる、素晴らしいパートナーです。今回『Indiegogo』と連携することで、一般の方々も未来のサステイナブルなライフスタイルを模索し、資金援助をするという重要な役割を果たせるようになりました」(H&M Foundation役員兼H&M CEO、カール・ヨハン・パーション)

今年は、182カ国から6640件ものエントリーがあり、著名な専門家たちが審査を担当しました。本年のGlobal Change Award受賞者と助成金100万ユーロの配分は以下の通りです。

•すべてを循環させるループ・スクープ (Loop Scoop)
全ての衣服にクローズド・ループの循環型デザインを実現させるデジタル・システム
受賞金:30万ユーロ
開発チーム:circular.fashion(ドイツ)

•雨風しのぐ良識的なメンブレン(Sane membrane)
アウトドアウェア用の鉱物ベースの生分解性メンブレン素材受賞金:25万ユーロ
開発チーム:dimpora(スイス)

•サステイナブルな雑草テキスタイル (Sustainable Sting)
雑草イラクサを栽培しサステイナブルな繊維素材をつくり、同時にケニアの農家の生活水準を向上させる
受賞金:15万ユーロ
開発チーム:Green Nettle Textile(ケニア)

•一緒に育つ子供服(Clothes that Grow)
宇宙工学と、折り紙の折りたたみ技術にインスパイアされ、子供の成長に応じて大きくなる服
受賞金:15万ユーロ
開発チーム:Petit Pli(イギリス)

•バイオ・レザー (Lab Leather)
完全植物性の代替レザー
受賞金:15万ユーロ
開発チーム:Le Qara(ペルー)

※アーリーバード特別賞
•アルゴリズミック・クチュール
人工知能(機械学習や深層学習の技術)を活用して、廃棄物ゼロの新しいパターンメイキングのシステムを提供する
開発チーム:Synflux (日本)

助成金による資金援助に加え、受賞者達は、H&M Foundationとアクセンチュアおよびスウェーデン王立工科大学(KTH)が開催する一年間のイノベーション促進プログラムへも参加し、ストックホルム、ニューヨーク、香港で研究開発を行います。尚、アーリー・バード受賞者に対する助成金支給はありませんが、ニューヨークまたは香港のいずれかで開催されるイノベーション促進プログラムの1つを選んで参加する機会が与えられます。

本プログラムでは 、バーチャル・コーチングを利用したセッションも開かれます。このプログラムによって受賞者が得るものは大きく、開発期間を数年単位で短縮できることが実証済みです。

今年Global Change Awardにエントリーした何千ものイノベーターの45%が、最大の難関として「資金調達」をあげました。クラウドファンディングの活用によりイノベーションのエコシステム全体がより良い地球を作るため貢献できるだけでなく、これまでよりはるかに多額の資金が調達できる可能性が出てくるのは明らかです。今回H&M Foundationが『Indiegogo』と協業で実施するイニシアチブは消費者を前面に推しだし、5つのイノベーションを積極的にサポート・応援・評価することを可能にします。

受賞者たちのイノベーションとクラウドファンディングの詳細(英語):
https://globalchangeaward.com/

画像および映像:
https://hmfoundation.bynder.com/web/2b1eb80b62f46e41/media-library---global-change-award-2019/

受賞イノベーションの概要


•すべてを循環させるループ・スクープ (Loop Scoop)
全ての衣服にクローズド・ループの循環型デザインを実現させるデジタル・システム
開発チーム:circular.fashion(ドイツ)

[画像2: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-140188-4.jpg ]

現在、100%循環することを考慮してデザインされた衣類はほとんどありません。しかし私たちの住む地球を守るために、従来の「採る~作る~捨てる」の直線型モデルから、素材や貴重な資源を何度も再利用できるような循環型モデルへと移行させていく必要があります。
このイノベーションでは、この問題点に着眼し、明確な使命をもった高性能で徹底したデジタルシステムを通して、問題を解決することを目的としています。その使命とは、デザインから着用、そしてリサイクルに至るまでのあらゆる工程において、衣服のループを閉じて循環させようというものです。
まずデザイナーたちには、リサイクルに必要な、デザイン知識、ツール、資源が与えられます。このシステムは、素材、裁断、製造など各工程の選択において、どのように地球に影響を及ぼすかを明示します。
仕上がった商品の仕様はその後、デジタルID化されます。消費者はこの『循環ID(circularity.ID)』をスキャンすると商品サイトにアクセスすることができ、そこには衣服の再利用やアップサイクルやリサイクルなど、その衣服を着古したあとの最適な選択肢が提示されています。『循環ID』はまた、仕分け工場やリサイクル工場での適切な処理を円滑にします。このシステムは、全側面において、革新的なファッションブランドや、意識高い消費者たちが待ちに待った循環型基盤を提供するのです。

•雨風しのぐ良識的なメンブレン(Sane membrane)
アウトドアウェア用の鉱物ベースの生分解性メンブレン素材
開発チーム:dimpora(スイス)

[画像3: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-875642-1.jpg ]

心から自然を愛する人々のためにデザインされた衣服が、しばし環境に相当な負担を与えるものであることは皮肉なことです。この問題の根本は、雨や厳しい気象条件に耐えられるようにするために、アウトドアウエアに添加される有害物質にあります。そのような衣類が破れたり、また洗濯したりすることによって、発癌性のある有害物質が分解されないまま、マイクロプラスチックとともに世界に解き放たれます。しかし今、自然そのものからヒントを得て、そのすべてを変化させる革新がここに生まれました。無害な鉱物(ミネラル)由来でフッ素を含まないのこの代替素材は、生分解性でありながら、今までと同等の性能を発揮することができます。
超薄型メンブレン(膜)として、どのような衣類にも使うことが可能で、サステイナブルな方法で風雨を遮断します。まさに寒さや風雨を遮断するその性能は、その由来でもある岩と同様に自然でありながら、確実なものです。このイノベーションを受け入れるのに、真の自然愛好家である必要はないのです。

•サステイナブルな雑草テキスタイル (Sustainable Sting)
雑草イラクサを栽培しサステイナブルな繊維素材をつくり、同時にケニアの農家の生活水準を向上させる
開発チーム:Green Nettle Textile(ケニア)

[画像4: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-257214-5.jpg ]

アクセスが困難で、かんがいも機械の導入も困難な薄汚れた急斜面があったとします。あなたなら何を栽培しますか?その答えは非常に簡単で素晴らしいものです。そこで自然に育つものを育てればいいのです。トゲのあるイラクサは真のサバイバーです。少しの日光と最小限の水と、土があれば育つのです。見返りとしてこの植物は、サステイナブルな麻のような布が作れる茎を供給してくれます。処理段階で出る残余物は、紙や染料を作るのに使えます。
さらに、潜在的にケニア国内だけでも20万の自作農家に仕事の機会を与え、栄養も供給することができる有機栽培のイラクサは、従来の布に代わる環境に優しい待望の素材と言えます。トゲがあるという理由で、不当な悪評を受けてきたイラクサが、ついに正当な評価を得られた時がやってきたのです。
そして、いいえ、布はチクチクしません。

•一緒に育つ子供服(Clothes that Grow)
宇宙工学と、折り紙の折りたたみ技術にインスパイアされ、子供の成長に応じて大きくなる服
開発チーム:Petit Pli(イギリス)

[画像5: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-652673-3.jpg ]

子供ができると、あらゆる面で親は彼らの成長についていくのに必死です。子供たちがハイハイし、よじ登り、世の中を探検するようになるのに合わせて服を着せるのも含めてです。子供は、生まれてから最初の2年間で7サイズも大きくなります。服を買ってもすぐに大きくなってしまい、ほとんど着ないで終わる子供服の量にはぞっとしてしまいます。現在特許出願中のこのイノベーションは、賢いソリューションを提供します。丈夫で、魅力的で、子供たちとともに成長する服です。宇宙工学と、折り紙の巧みな折りたたみ技術にインスパイアされ、最小限のスペースに最大限の量を入れ込んだこの衣服は、トップスやボトムスが子供の成長に伴い広がるように折り込まれているのです。 子供たちは勇敢なアスリートであるため、素材は防風・防水で、楽しく冒険に満ちた遊びに相応しくデザインされています。購入して子供が長期間楽しんだ後は、兄弟姉妹や友達に受け渡し、さらにはまだ彼らがABCを覚える前にすでにサステイナビリティを教えることができます!

•バイオ・レザー (Lab Leather)
完全植物性の代替レザー
開発チーム:Le Qara(ペルー)

[画像6: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-390073-2.jpg ]

従来のレザー生産は、毎年何百万頭もの命を奪うほかにも、皮をなめすために有毒物質や重金属を使用するために、環境に有害です。皮なめしはまた、地球上で不足している水資源も大量に使います。世の中にはビーガン(植物性)のレザー代替品があるにもかかわらず、本革ならではのユニークな特性を満たせるものはほとんどありませんでした。しかし、それもこれまでの話。
ペルーに生息するエキゾチックな花や果実から生まれたイノベーションは、手触り、色、硬さ、厚さなど、実質的にどのような革でも望み通りに再現することを可能にしました。バイオ技術の研究室で微生物を培養して作られたこの素材は、従来の革と同じ業界基準で作られているため、環境問題に意識の高い人々にとってこの100%ビーガンの代替レザー素材に切り替えるのは容易かつ明白な決断となることでしょう。
そしてこの素材は100%生分解性であることから、リサイクル処理で出た余りものは液体肥料として使うことができます。つまりこの発明は、お金とエネルギーと命とを節約する廃棄物ゼロのソリューションだということです。あなたがこれを愛するのに牛である必要はありません。

※アーリーバード特別賞
•アルゴリズミック・クチュール
人工知能(機械学習や深層学習の技術)を活用して、廃棄物ゼロの新しいパターンメイキングのシステムを提供する
開発チーム:Synflux (日本)

[画像7: https://prtimes.jp/i/11958/283/resize/d11958-283-846434-6.jpg ]

人口増加に伴い衣料品の需要も増加しているため、ファッション業界で発生する廃棄物の量は年々増え続けています。アルゴリズミック・クチュールとは、ファッション業界の未来の持続可能性を高めるため、AIを活用し、洋服のパターン(型紙)作成システムを提供するものです。
日本の伝統的な直線裁断パターンを土台にしたアルゴリズミック・クチュールは、廃棄物を減らすことを目的としたパターン・テクノロジーを活用しています。このアルゴリズムは、身体の3Dデータにもとづいて、着用者の身体寸法ぴったりの型紙を自動生成し、これまでパタンナーが担ってきた型紙設計過程を自動化します。さらに生成された型紙はテトリスのように四角形の布地に最適化されるため、無駄な廃棄物がでません。さらに、機械学習によって生成された衣服のデザインは、モジュラーパターンによって構成されており、ユーザーはオンラインプラットフォームにおいて自分のテイストにあった形、素材、色をカスタマイズすることができます。
在庫が出る可能性のあるものを大量生産するのではなく、需要に応じてこのパターン・テクノロジーを活用することで、生産効率をより高めることを目指しています。このシステムを利用することにより、ファッション業界では製造プロセス全体を通して、使用エネルギー量のみならず廃棄物も大幅に削減することが可能となります。
四角形の布地に対し曲線を描いて裁断するやり方は、ファッションデザイナーの独創性を活かし、顧客の体型にフィットする服を作成するため、長らく利用されてきました。しかし、その結果、生地の15%が廃棄されることになります。

Global Change Award アーリー・バード特別賞について
アーリー・バード特別賞とは、2018年9月21日以降の募集期間前半に応募した参加者の中で、最優秀と認められた参加者です。アーリー・バード受賞者に対する助成金支給はありませんが、ニューヨークまたは香港のいずれかで開催されるイノベーション促進プログラムの1つを選んで参加する機会が与えられます。これにより、イノベーションをできる限り早く実現させて、業界に影響を与える機会促進することができます。

Global Change Awardについて
Global Change Awardは2015年にH&M Foundationにより始められたイノベーション・コンペティションです。その目的は、環境に付加の少ない革新的なアイディアを通じて、地球の天然資源を保護し、ファッションにおける循環を達成することです。毎年5つのアイディアを選考し、受賞5チームは100万ユーロの助成金を分配され、また、H&M Foundation、アクセンチュア、スウェーデン王立工科大学 (KTH) が提供する1年間のイノベーション促進プログラムの支援を受けます。ファッション業界に変革をもたらすことを第一の目的としており、非営利財団のH&M Foundation及びH&Mグループは、考案されたイノベーションから権利や知的財産権を得ることはありません。H&M FoundationはH&Mの創設者であり主要オーナーであるステファン・パーション一族が個人的に資金を提供しています。H&M Foundationは、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)に向けて、2030年までに各プログラムの実現を加速させることを目標としています。H&M Foundationは世界中の重要な組織と提携し、「教育」、「清潔な水」、「平等性」、「地球の保護」という4つの分野に注力しています。詳細は、globalchangeaward.comおよびhmfoundation.comでご覧いただけます。

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